こんにちは、らくからちゃです。
Kindleを購入してから、マンガを読むことが増えてきました。暇さえあれば、何か面白い話はないかなーと思って探しています。ブログを見ていると、色んな人が『お勧めのマンガはコレだ!』と紹介してくれているのですが、
うん・・・知ってる(´・ω・`)
ってものが多いんですよね〜。確かにみんな名作だけど、それ故に見たことあるものばかり。面白いだけじゃなくて、まだ読んだことがないのを見たいのよ。
そういう人は結構多いのかな?と思いましたので、最近読んだマンガの中から、ここ1年以内に第一巻が出た発売ホヤホヤの漫画の中から個人的に良かったものをまとめてみたいと思います。
数が多いので、分けたほうが読みやすいかな?と大雑把に
- ファンタジー&ミステリー
- 歴史・戦記物
- 趣味と暮らし
- 恋愛模様
- お仕事物
と分けてみましたが、あまり厳密な括りではありません。なお紹介文等で、1巻の中の範囲内で、かるーいネタバレ的な要素がある場合もありますので、ご注意ください。完全に個人の趣味で選んでいるので、お口に合うか分かりませんが、皆さんの漫画ライフのお役に立てば幸いです。
ファンタジー&ミステリー
空挺ドラゴンズ
飛空艇に乗って、龍を追うことを生業にしている人たちの物語。街に龍がおちると甚大な被害が出るため、人の役に立つ仕事なのに、かつて罪人などが行っていた仕事のため、理解が得られにくく色んなところを旅して生きているという設定。
毎話出てくる架空料理が大変うまそう
『紅の豚』や『ラピュタ』に出てくる"空賊"の世界観が近いかも。『魔法使いの嫁』のように、世界観を楽しむファンタジーが好きな人にお薦め。
あげくの果てのカノン
こちらも世界観が面白かった。
ゼリー(エイリアン)の襲来によって、都市機能を失った東京。人々は、地下空間に隠れるように生きていた。主人公がかれこれ8年間思いを寄せる相手は、そんな相手と既に妻のいる戦う人間兵器だった。
色んな意味で重たい作品
体の一部を失っても、再生するが、その都度少しずつ『元の先輩』とは変わっていく。なんとなく作品の世界観としては『最終兵器彼女』に近い感じもするが、今後どういった風に話を進めて行くのかが楽しみな一作。
ファイアパンチ
死なない人の話として、こちらも面白い。
死ねない体に、消えない炎の"祝福"をかけられた男が、氷で閉ざされた世界の中で、復讐の旅に出る物語。
熱いんだか寒いんだか良くわからない話
基本的には、重苦しいダーク・ファンタジーだけれど、多種多様な"祝福"(呪い?)を掛けられた登場人物たちのバトルシーンが多く『ハンター・ハンター』や『鋼の錬金術師』のような正統派少年漫画としても楽しめる。
兎が二匹
何をやっても死ねない人のお話として、あともう一つ。
齢400年の主人公すずと寄り添って行きていこうとした青年のサク。やっと死ねたかと思うと、数年後にやっぱり復活。その間に青年は気を病み自殺する。物語はその後、主人公と青年の出会いを回想していくかのように進んでいく。
バッドエンドの出落ちから始まる物語
死ねない人の話としては、『火の鳥』やコードギアスシリーズのC.C.を思い出すけれど、そこに近現代日本の歴史の要素もプラスされ、なかなか面白い。
骨が腐るまで
お次は、死体を巡るものがたり。
とある理由で人を殺してしまい、その罪を死体とともに隠し通すことに決めた少年少女。その秘密をみんなで守ってきたも、匿名の誰かによってその秘密が暴かれるところから物語は始まる。
少年少女がスタンド・バイ・ミーされる話
同じテーマ設定の作品としては、『神様がうそをつく』があるけれど、登場人物5人の人間関係の中に隠された伏線を、ひとつひとつほどきながら進んでいく読後感は『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』にも近いかもしれない。
ゴールデンゴールド
ぞっとする話つながりで、次はこちら。
離島で暮らす少女が、海辺で拾った置物を祠に祀った所、メタボ体型の『フクノカミ』として動き出す。ところが一部の人間以外には周囲の人にはそれが普通の人に見えるようで、色んなところを歩き回り始める。
久々に漫画でゾッとしたキャラクター
更に、島の中の色んな人の欲望を叶えはじめ...という風に物語は進んでいく。確か『かみちゅ!』に似たような話があったが、あれは大変可愛らしい物語だったが、こちらは寝る前には読みたくない物語。
わたしのカイロス
先程の作品では、いきなり腕が失くなっていたが、こちらはいきなり脚がなくなる話。
ひょんなことから罪人となってしまった少女。彼女に科せられた罰は、ただただ殺し合って生き延びる見世物となること。実質の死刑である。ひとりで戦うことになるはずが、『ブキ』として共に戦う仲間が現れて・・・。
一周回って新しい感じのする宇宙SF
1990年代前半くらいの王道って感じなのかなあ。懐かしい感じのする絵柄の割りに、結構ハードな物語。戦って殺して生き延びろ、ってところは『ぼくらの』に近いイメージかも。
虫籠のカガステル
王道派のバトルものからもう一作。
虫に襲われることによって、どんどんと感染していき、人としての理性を失っていく。しかし元は人であったため、その駆除の為に生じる葛藤と戦いながら進んでいく物語。
ある意味ゾンビものの王道ど真ん中
もともとWEB漫画で描かれたのは10年ほど前だけど、発売は去年なのでよしとする。こういったテーマを主題に取り上げる作品は多いけど、独特の世界観も相まってじっくり楽しめる作品。
ウチの使い魔がすみません
そろそろサクッと読める作品も。
疾走した父親を追いかける悪魔の少女。使い魔に選んだのは、魔界の生態を調査することに血道をあげるおっさんマッドサイエンティスト。凸凹コンビで巡る魔界の珍道中。
おっさん可愛い
かるーいノリで絵柄も割りと萌系な感じの作品だけど、"オッサンの使魔"という設定を思った以上に使い切れている様は、『ダンジョン飯』を思い出す出来栄え。オッサンの悪魔薀蓄も面白い。
境界のミクリナ
ドジッ子繋がりでもう一作。
ドジっ子幼魔女ミクリナとド貧乏女子高生榎本さんのどたばたコメディ。人間界を征服するためにあれやこれやを試みるけど、やっぱり牛乳関連の魔法など、いまいち役にたつか怪しいものばかり。
顔面パックは顔の皮、ネイルは指の爪を剥いだもの
全体的な方向性としては『イカ娘』と同じだけど、全く予想外のギャグを突っ込んできて笑えるシーンも多々。心の浄化に是非!
歴史・戦記物
レイリ
まずは戦国時代から。
滅びゆく武田家に仕え、時代の流れに抗った岡部丹波守は落ち武者刈りから主人公のレイリを救う。そのことに恩義を感じ、岡部の為に"命を落とす仕事"を果たそうとするレイリだが、彼女を待ち受けていたのは意外な仕事だった。
誰かを尊敬している理由、ちゃんと言える?
人間や歴史を見るときは、まっすぐ事実に向き合うべきだ。レイリを助けた岡部様は立派なお人だろうか?それとも自国に落ち武者狩りが起こることを防げなかった無能だろうか?
ヒストリエの岩明均御大が原作だけあって、人間と歴史を見る角度も鍛えさせられる。
ニュクスの角灯
おつぎは明治時代。
インキュベさんの紹介していた『蝶のみちゆき』を読んで、同じ作者で作品で面白いのは無いかなあと探し購入。家事はカラキシ駄目な上に、無愛想な主人公の美世。ただ彼女には、触ったものの過去と未来が分かるという能力があった。
そっか、ドレスってそうやって着るんだ!
開国してすぐの日本で、世界から入ってきた物品について『これは何だろう?』と戸惑いながらも、少しずつ新しい知識が増えていくところが面白い。そういや最近、新しい何かを見つけたドキドキを味わってないなあ...
ホカヒビト
明治時代からもう一冊。
行き倒れた女の腹の中から醜い老婆のオバコに取り上げられた少年のエンジュ。彼には、他の人に見えない物が見えた。それは、憎しみや妬みといった人間の負の感情。里の人間たちの狂気に、育ての親であるオバコを殺され、薬師のコタカと旅に出る。
本当に怖いのはやっぱり人間
目に見えない物が見えるといった点では『蟲師』に近い作品だけど、同作が自然界の摂理に重点をおいていたのに対し、本作では人間の心の奥底にあるドロドロしたものに焦点があてられている。
特に近頃の政治の流れを見ていると、嫌な同意の仕方が出来るのが辛い。
大正処女御伽話
お次は大正時代。
裕福な家庭で育った主人公の珠彦。しかし利き腕が使えなくなったことから、追い出されるように千葉の別荘に追いやられる。そこにやってきたのは、将来の嫁として買われてきた夕月との大正ほんわか夫婦物語。
きっと夫婦になるってこういうことだよなあ
いまでこそ恋愛結婚が当たり前だけど、この当時は周囲が勝手に作り上げた縁を元に一緒になった夫婦も多かったんだろう。大正時代の世相もあってか、見ていてぽかぽかする作品。
神軍のカデット
お次は昭和。
2.26事件で反乱を起こした青年将校たちに、『眷属』と呼ばれる精霊のようなものがついていた。といった感じのお話。軍事ファンタジーとしては、そこまで突拍子もない設定ではないけど、このあたりの時代をテーマにした作品は割りと少ないかも?
それはさておき大狼がカッコイイ
史実を土台に使っているだけに、どこまで踏み込んでくるのかも楽しみだけど、こういった歴史×幻獣ものとして『皇国の守護者』あたりが好きな方にお薦めかも。
青猫について
お次は戦後すぐの時期が舞台のこの作品。
戦後すぐの混乱の中、謎のセーラー服の少女『青猫』は、父の形見の日本刀を手に家族の敵を探す。敵の目印であるヒョットコの入れ墨を持つ男たちを探し、無法地帯の中を斬って斬って切りまくるお話。
平和な時代で良かった・・・
もちろん作品自体はフィクションだけれど、戦後のドタバタの中で心の荒廃した人たちの中を戦い抜くお話。剣戟物の復讐物語としても面白いけれど、『はだしのゲン』のような殺伐とした当時の時代感が胸に響く。
幼女戦記
なんか凄い奴で戦うシリーズってことで、おつぎはこちら。
"存在X"は、ひたすらリストラに明け暮れる血も涙もないサラリーマンを、19世紀大戦期のヨーロッパあたりをイメージした架空世界に、なぜか幼女として送り込む。
嗚呼・・・どうしてそうなっちゃったの
魔法の力によって動く架空の記述をベースにしているものの、随所で軍事小ネタが織り込まれ、読んでいて飽きない&勉強になる。また全体的に、アンジャッシュのコント並のすれ違いもギャグ要素として楽しめる。
案外、戦争ってそんな"すれ違い"の塊かもしれないね。笑えないけど。
憂国のモリアーティ
シャーロック・ホームズシリーズでおなじみのモリアーティ教授をモチーフにした物語。完全オリジナルだけど雰囲気としては、スピンオフ風作品。
最下層民として生を受けたモリアーティは、その類まれなる才能をある貴族に見いだされる。彼は、全くもって貴族らしからぬことに、大英帝国をぶっ壊すことを考えていた。
体制を壊すには内側から
シャーロック・ホームズの宿敵として知られるモリアーティ教授。犯罪のプロとして、完全犯罪を起こして社会の歪を解決していく物語。そういや、モリアーティ教授って、原作では60作中6作しか出ていないらしい。その割には各種二次創作の中で、これだけ存在感を確立しているのは、原作者の腕よなあ。
アリアドネの冠
花の都フィレンツェで、次期当主として何不自由ないものの窮屈な暮らしを送る主人公のロレンツォ。そこに現れたのは、旅芸人であるロマの少女。
物差しはひとつじゃないのよ、おぼっちゃん
この時代を取り上げた作品としては『チェーザレ』が有名だけど、時期としてはかなり近い。こういった歴史物は、記録の残っている貴族の生活を中心に進めていくのが王道だけど、そこにロマという庶民の視点も加えられており面白い。
B(ベー)ーブラームス20歳の旅路ー
バッハ・ベートーベンの並び、ドイツの三大Bとも称されるヨハネス・ブラームスと、共に旅をしたレメーニ。その若き頃の物語。
型にはまった音楽なんてつまんないよね
あくまで正統派に拘るヨハネスと、自由な音楽を望むレメーニ。対象的な二人のやりとりが楽しい作品。正直、まーーーーったく興味がなかったけれど、この当時のドイツの香りが楽しめて大変満足。
趣味と暮らし
真亜ちゃんは今日も家にいたい
青二才さんのレビューを読んで購入。
できれば家で大人しく過ごしていたい主人公の真亜ちゃんが、新しもの好きでミーハーな彼氏の双くんに振り回され、いろんな新しいことに挑戦させられるお話。最初は、おっかなびっくり無理やり付き合っていた真亜ちゃんも段々魅力に目覚めていき...
これはズルい。
ネットやSNSが普及したことによって、同好の士で集うことは簡単になった。けれどその一方で、近しい仲間内ばかりで集まって、新しいことに挑戦することを忘れちゃいないだろうか?誰かを新しい何かに誘うことを躊躇っていないだろうか?
そんなご時世に『あ、こんな雑な誘い方で良いんだ』と背中を押してくれる作品。
灼熱カバディ
ヒトデ野郎のレビューを読んで購入。
類まれなる才能を持ちながら、陰湿な人間関係に飽き飽きし、スポーツの世界から身を引いた主人公の宵越。そんな彼を勧誘しにきたのは、カバディ部。どう考えてもアホにしか思えない連中に、嫌々付き合っていくと、段々とその魅力にはまっていき...
カバディはネタじゃない。熱いスポーツだ!
カバディっていうと、大半の人が『カバディカバディカバディカバディカバディ』と連呼しながらやる、インドのアレって認識くらいしか無いと思う。主人公も同じスタートラインから、ルールや戦略、そしてチームプレイを学んでいく。
扱っているのはマイナーなスポーツだけど、突拍子もない謎の理論が登場しやすいスポーツ漫画の中では、かなり正統派の作品。
ダンベル何キロ持てる?
スポーツ繋がりでもう一作。
主人公の佐倉ひびきがダイエットの為に、気軽な気持ちで門を叩いたシルバーマンジム。しかしそこは、日々肉体を磨き上げることに全てをかける人たちの世界だった。
ダンベル何キロ持てる?とかいうレベルじゃない
表紙とタイトルから想像される中身は、女子高生が軽いエクササイズに挑戦するようなお話だろう。読者自身もそんな気持ちで読み始めたら、いきなりバーベル上げ下げするマッチョなお兄さんが出てきて、『コレジャナイ感』を一緒に味わえる作品である。
同時に、トレーニングに関する基礎的な知識や最近のトレンド、ご家庭でも簡単にできる運動のコツなんかも書かれており、お腹周りが気になる同志におすすめしたい。
手品先輩
体育会系の話が続いたので、お次は文化系な話。
手品が好きなのに、あがり症のせいで失敗率100%の先輩と、それに付き合わされフォローする羽目になる後輩のドタバタコメディ。
挑戦することの大切さを教えてくれる作品です(棒)
一話6-8ページくらいの中に、最初から『あー、こうなるんだろうなあ』ということがまるわかりの状態から、予想通りの結果にちょっとエッチな結末がついた小咄が繰り返されていくお話。
肩肘張らずに、さらっと読めるお話ですね。
推しが武道館いってくれたら死ぬ
まだ見ぬ世界のお話で繋げてみよう。
地下アイドル7人グループのChamJamのメンバーである舞菜と、彼女を全力で応援するエリピヨを中心に展開されるアイドルグループとおっかけの物語。
舞菜ちゃんかわゆす(´ω`)
ChamJamは、AKBやももクロのような全国的に人気のあるグループじゃない。その分、メンバーとファンの距離関係も、実に微妙なバランスの上に成り立つことになる。それぞれの登場人物の間での絶妙の距離感の取り方の描き方が面白い。
この世界じゃ当たり前の話なのかもしれないけどね。
桐谷さん ちょっそれ食うんすか!?
だが、もっと凄い世界もあるようだ。
世の中には、虫だの何だの『ちょっそれ食うんすか!?』という食べ物を愛好する人達がいる。花も恥じらう女子高生である桐谷さんも、そんなひとり。主人公の柳先生は、そんな彼女に巻き込まれつつ、今日も未知の世界への扉を開くことになる。
グルメ漫画...でいいのだろうか
ここ最近、食をテーマにした作品は非常に多いが、凄いところをまた突いてきた感じの作品である。グルメ系の作品って、抽象的な表現で良く味が想像つかない作品も多い中、本作は調理過程も含めてイヤになるほど想像がついてしまう。
食べてみたくなるかどうかは別にしてね。
山と食欲と私
続いてワイルドなグルメの話。
プロの登山者ではないけれど、山ガールと呼ばれるほど初心者ではない。27歳OLが山に登って美味しいものを食べる話。
登山はお弁当を準備しはじめるところから
山に登ることだけが登山だろうか。山頂で頂く美味しいごはんや、そこに至るまでの準備まで含めて登山なのではないだろうか。そんな細かなところを取り上げるだけで、随分と作品の持つ臨場感が高まることを示してくれる良作。
こんな風に書かれちゃったら、登りたくなっちゃうよね。
八雲さんは餌づけがしたい。
お次は、美味しいものというより、美味しい関係の話。
夫に先立たれた28歳未亡人が、一人暮らしをするお隣の高校球児のために美味しいご飯を作ってあげる話。
誰かと一緒に食べるから美味しいんだよなあ
まさに『餌付け』をするお話なんだけど、特にエッチな話も無いし、料理についても細かな話は出てこない。本作で描かれるのは、感情表現がちょっぴり苦手な高校生と、彼に『美味しい』と思わせたい二人の関係である。
何気ない日常の食事の美味しさを、改めて考えさせられるお話。
兄の嫁と暮らしています。
お次は、未亡人つながりでこちらの作品。
唯一の肉親であった兄が無くなったことで、天涯孤独となった女子高生の志及は、兄の嫁である希さんと暮らし始めることになるも、いまいちどこまで甘えてしまって良いのか分からず...
他人だって家族になれるよね
親や兄弟のように、直接血の繋がった関係を血族。今回のように、そうでない関係は姻族と言う。兄の嫁は、二親等の姻族になるけれど、その関係は姻族関係終了届を出されれば途切れるので、非常に脆い関係。
そんな微妙な相手との距離感から家族のあり方を見つめ直すのに良い作品。
日比野さんちの季節手帖~ワケあり夫婦の十二か月~
でお次は、生きているんだか死んでいるんだか良くわからない状態の作品。
事故によって幽体離脱状態になった詩子。ただし彼女の姿は、夫の洸一にしか見えない。そんな異常な状況の中でも、詩子はこれまで通り歳時記を大切にした生活を続けようと試みていくお話。
今年も七草粥食べそびれた(´・ω・`)
日本は四季の移ろいのある国だ。古来より残されてきた歳時記には、色んな季節の楽しみ方が語られている。古臭いと笑われたとしても、そんなちょっとした日常のイベントが当たり前の生活には、きっと大切なんだろうなあと思う。
なお七草粥は、小正月の1月15日に頂くバージョンもあるそうなので、今年食べそびれちゃった人は是非!
猫のお寺の知恩さん
幽霊といえば、やっぱりお寺かなあ?というわけで、お次はお寺の話。
ど田舎にある親戚のお寺に居候することになった主人公の源。そこに住んでいたのは、3歳年上の知恩ねーちゃんとの田舎ライフをはじめる物語。
何にもないしかねーよ
神戸のど田舎出身だったから分かるけど、田舎ってほんとに『何にもない』があるというか『何にもない』しか無い。スーパーは車がないといけないし、本屋だの映画館だのに行こうとすると、ちょっとしたお出かけになる。
大変なことも多いけど、そんな大変さの中にある幸せみたいなものの描画がキレイな作品。
ぼくらのじかん。
最後はほっこりするお話で。
話が変わる毎に主人公が変わっていくオムニバス形式の作品。毎回異なる小学生が、その年頃に有りがちな、色んな問題に直面し、悩みながらも前に進んでいく物語。
あの時どうやって仲直りしたんだっけなあ
オンラインコミックのcomicoで連載されていた作品の単行本化作品。基本的に子供の世界の物語だけど、必ずどこかで大人がそっと見守っているところにホッとする作品。以前、『子育ては、子供時代をもう一度生き直すこと』と、ある記事にコメントを頂いたことがあったけど、まさにそうだよなあと思うお話。
恋愛模様
かぐや様は告らせたい
容姿端麗、家柄抜群、学力優秀な二人が『如何にして相手を告白させるか?』に全力を尽くす、ツン*ツンの無限ループが生じそうな知恵比べ物語。
いやあ、恋愛って面倒くさいですね
相手から如何に愛の告白を引き出すかを巡って、コナンくんもびっくりのトリックをお互い張り巡らせるストーリ。なんだかもう三国志ばりの戦略ゲームになっている構図を俯瞰できるのは読者だけという贅沢なつくりのお話。
面倒くさい話だけど、恋の駆け引きってみんな少なからずそんなもんだよね。
僕と君の大切な話
好きになった同じ学年の東くんと仲良くなりたくて、駅のホームのいつものベンチでアレコレ男女の違いについて質問してみたり、ストーカーまがいの行為に手を染めてみたりしながら、相手のことを理解しようとしていく物語。
分かり合えないからこそ言葉を繋いでいくんだ
男女の感性の違いについて、会話の形を通しながら、『どうしてなんだろうねえ』とやり取りを続けていくうちに、距離が縮めていく。ストーリーのテンポとしては『男子高校生の日常』をラブコメにした感じか。
分かり合えないからこそ繰り返される二人のやりとりは、男女ともに見ていて共感出来るポイントが多いと思う。
理系が恋に落ちたので証明してみた。
日夜研究に情熱を注ぐ理系男子と理系女子が恋に落ちたら?まず最初にするべきことは、ちゃんと恋に落ちたことを、検証して証明するっきゃ無いだろう!というところから始まる物語。
さあ、恋愛感情の存在を証明しよう。
設定でオチがついた感じもするけど、ページをめくっていると、ガチすぎて一周半回って笑いに変わっていくラブコメ&サイエンスギャグ物語。あー・・・検定とかやったなあと思い出しながら読んでいくと、勉強にもなって良いかもしれない。
なお理系の恋愛の実態については、サンプルが少なすぎて定式化が困難である。
恋と呼ぶには気持ち悪い
イケメン&ハイスペックお兄さんが、偶然知り合った妹の親友の女子高生に、恋をするお話。ひたすら繰り返されるストーカー行為を拒否しているにもかかわらず、何故か愛情表現の裏返しと受け取られ・・・。
確かにこれは気持ち悪い
いやあもうなんというか、タイトルどおりですわ。度重なる拒否反応を、ドM精神まるだしで、プラス思考に解釈する残念なお兄さんのお話。現実世界でやったら、間違いなく通報もの。
ただ恋と呼ぶには...といいつつも、だいたい色恋沙汰なんて、たいてい気持ちわるいものじゃないの?と思うんだよなあ。
私の少年
いろんなものが重たく感じはじめる30歳OLの聡子が、夜中の公園でひとり練習をする12歳の少年の真修と出会う。どうやら家庭の状況に問題があるようで、夢を追う姿を応援しようと、交流を続けていくお話。
愛と恋の境目はどこにある?
色恋沙汰のある作品じゃないけれど、この二人の関係は、果たして家族愛なのだろうか?それとも異性愛なのだろうか?それとも人間愛?と考えさせながら読まされる作品。
その曖昧な境目のあたりに、愛と恋の違いの答えはあるのかもね。
愛があれば××の差なんて
年収、身長、住んでいる所。色んな『差』があるカップルが、それを乗り越えて相手に近づいていくお話。オムニバス形式で綴っていく形式のお話。
差があるからこそ面白いじゃない
世の中同じ人はいないわけで、多かれ少なかれカップルの間には差があるんだけど、傍目からみれば『なにをそれしき』といったことでも、当人たちからすれば大問題だったりする。でもその差があるからこそ面白いこともあるよね。
春の呪い
妹の春の死後、妹の婚約者の冬吾から交際を申し込まれた夏美。彼女が、交際の条件としたのは、春と冬吾の二人をともに回っていくことだった。
呪いは自分が自分にかけるものなんだよなあ
妹の元カレは流石に少ないかもしれないけど、見知った人の元交際相手とおつきあいをする。なんてシチュエーションはそれほど珍しい話じゃない。その時に、色んな想いを感じてしまうことはあるんだろうけれど、果たしてそれはどうすれば乗り越えられるのか?ということを考えさせられる。
恋のツキ
フリーターから主婦にジョブチェンジ目前の31歳アラサーが主人公。幸せいっぱいの同棲生活のはずが、彼氏とは生活についての考え方ですれ違いがち。言いたいことを押し殺していた中で、バイト先の映画館で出会った男子高校生と恋に落ちていく。
旦那さん・奥さんをときめかせてます?
年の差の浮気のドキドキ感もさることながら、長年つきあい結婚目前の女性が、小さなことから想いが離れていく描写がグサグサとくる。
ああ、こんな言われ方したら、そう思っちゃうよね・・・。と読んでて身につまされるような作品。
カラーレシピ
技術はあれど、客とのコミュニケーションがイマイチ駄目な美容師の笑吉。彼の店に新しくやってきた福介は、そんな彼とは正反対な性格。不可解な出来事を乗り越えながら、次第に心と体の距離を縮めていく二人だけれども・・・。
ノンケだけどこういうのありそうで怖い
いわゆるBLです。♂×♂で繋がりあう系のやつ。でも割りと、普通の漫画としても読めそう。BLはファンタジーな作品が多い中、色々な裏の駆け引きが、妙にリアルなところが読んでいて怖くなってくる。
お仕事物
西荻窪ランスルー
高校卒業したての18歳が、夢を持ってアニメ業界にやってくるお話。同期入社組や、業界の色んなひとと触れ合いながら、少しづつ成長していく物語。
"あなた達を育てていくのが、大人の義務です"
アニメ業界物としては『SHIROBAKO』が人気になったけれど、色んな先輩の姿に視点を当てて進んでいく展開は『働きマン』にも近いかも。クリエイターのお仕事は、作品を創ること。そして、クリエイターを創ることじゃないんだろうか。
良い先輩がいることの重要さを改めて学ばせてもらった気がする。
東京昆虫ムスメ
多くの人の命を救う、新薬の研究を志して製薬会社に入った主人公。そんな彼女が配属された先は、殺虫剤の開発のために、あの黒いムシを大量に飼育している研究室だった。
ひょうたんからゴ◯ブリ
割りと身近にいる『害虫』について、結構専門的なところまで掘り下げながら、研究員の日常を描いた作品です。最初は興味のなかったお仕事でも、真面目にしっかり取り組んでいけば、予想外にドはまりしてしまうお話ですが、案外そういうことって少なくないよね。
トレース 科捜研法医研究員の追想
警察組織の中にありながら、組織のためでも被害者のためでもなく、ただひたすら真実を追い求める科捜研で働く法医科のお話。
地味な正義の味方も居る
犯罪現場で、警察官の制服を着て色んな遺留品を探すひとは、鑑識と呼ばれる。今回のお話の主人公は、そうやって鑑識が集めてきた証拠を公正中立の立場で分析を行う科捜研のひとのお話。
事件を解決することだけでなく、専門知識を駆使して冤罪を生み出さないことも大事。行ったことのない現場を想像しながら、答えを探していくところは、フラジャイルにも似ているかも。
ゼイチョー! ~納税課第三収納係~
某市役所の納税課に籍をおく百目鬼華子。進んで税金を払いたいひとなんていないわけで、あの手この手で、手強い相手からなんとか税金を払ってもらおうとしていく話。
知らないことは罪じゃない
税務署ものの漫画や作品は、トッカンなどを代表としていくつかあるけれど、主に税を専門にあつかう税務署職員が主人公であることが多く、自治体の納税課が主人公の作品は、余り目にしない気がするが、その設定が実によく生きている。
自治体の支援の仕組みなども合わせて説明しながら『一緒に頑張りましょう!』と声を掛けていくところは、勉強になるとともに『こんな人は居ないよなあ・・・』となるのが、ちょっぴりがっかり。
ギャルソン
看板シェフが病に倒れてから、客足は落ち、売上の減少を寄せ集めの安いスタッフで何とか乗り切ろうとしていたとあるレストラン。その再建を期待され、オーナーから派遣されたのは、26歳のギャルソンだった。
お客様は人間です
英語でいうところウェイターを、仏語ではギャルソンと言うそうな。一流のギャルソンは、ただ注文を受け付けて給仕するだけでなく、シチュエーションにあわせた動きが求められるため、ギャラは一流のシェフと同じくらいになるんだとか。
それは、お客さんのことを適当に神様扱いするのではなく、ひとりの人間として対等に接することが出来るひとがなれるレベル。ソムリエールで有名な城アラキ原作作品だけど、相変わらず元気でがんばってらっしゃるようで何より。
いっぽん!! ~しあわせの日本酒~
創業50年を迎えるとある百貨店で働く沙々竹葉(24歳)。新任の社長に目をつけられた結果、日本酒企画推進室室長に任命され、全国の旨い酒を探して飛び回ることになる。
守りたいものがあるのならば変わらなきゃ
お酒をテーマにした作品は多くあれど、実在の人物にしっかりインタビューをしたうえで、登場人物として出演させているところに本気を感じる一作。主人公の勤める百貨店が変わり続けようとしている姿に、色んな酒蔵も伝統墨守ではなく変革を進めようとしているところを重ねて、しっかり描いているのがまた良い。
はんなりギロリの頼子さん
京都のとある一角でタバコ屋の店番をしている頼子さん。土地柄ゆえに、色んな複雑なご要望をもった観光客から、あれこれ聞かれてしまう。目つきが良くないからか、誤解されながらも、地元の人だけが知っているとっておきを紹介していく作品。
ガイドブックに載らない生き方を
京都人と言えば"いけず"で"よそ者には冷たい"。そんな割りと、ステレオタイプなイメージに近い設定だけど、"本当は、教えたくてたまらないことがあるのに、勉強不足な人にそれが伝えられずにもどかしい"。そんな声が聞こえてきそうな作品。
観光に行くときは、もうちょっとだけ下調べをしてから、地元の人にあれこれ聞くといいのかな、なんて思うお話。
ガイコツ書店員本田さん
コミック売場担当の書店員の本田さんが、色んなお客様からの、曖昧な質問やオススメ紹介の希望やらで日々奮闘する姿を描いた作品。
人に何かをオススメするのは骨が折れます
いやほんまな。人に何かお薦めするのって、めっちゃしんどいねん。色んな要望や状況を頭に入れながら、まだ見ぬ何かを探し出すのは、さしずめ砂漠におちた一本の針を探すような作業。
でもだからこそ、燃えてしまうところがあるやん?『どやろ、これええんとちゃうか?』といった時に、それが大当たりだったときの興奮。そんな瞬間が忘れられずに、こうやってブログも書いとるんやけど、何よりのご褒美は『あれ、面白かったで』の一言なんよなあ。
まとめ
いやー、改めてこうやって振り返ってみると、去年も色んな新作が生まれました。基本的には、新人や無名の漫画家さんを中心に選んでみましたが、ひとつ気になったことがあります。
それは、
- PixivやComicoなどの出身作家の作品
- 裏サンデーや少年ジャンプなどのWeb誌連載作品
- 『なろう系』原作の作品
のなかから、人気を博す作品が増えてきたように思います。それは逆に言えば、紙媒体の雑誌が相対的に力を落としてきたことにつながり、もはや出版社がヒット作を作り出す時代ではなく、ネットでの評価が中心に動きつつあるのかなあなんて思うところです。
多くの作家にチャンスが広がることは良いことでもありますが、それと同時に『面白い作品』を探し出す役割が、一般の市民に任されつつあることも意味します。
日本のマンガ界を盛り上げるも、沈ませるのも、ひとりひとりの眼力にかかってくる時代ですので、面白い作品を見つけ次第、もうちょっと紹介していきたいなあ、なんて思う今日このごろです。他にも過去に、こんなものも書いていますので、よろしければ是非!
ではでは、今日はこのへんで。
って、あれ?なんか忘れてる気がするぞ。
特別編
女騎士、経理になる。
オークに囚われの身となった女騎士。いかなる辱めを受けることになるのかと思いきや、彼女に与えられた役割は、経理のお姉さんとなることだった。特殊スキル『簿記』を駆使して、世界を救うのだ。
これであなたも今日から経理のお姉さん!
普段からおなじはてなブロガーとして尊敬しているRootportさん原作の作品。細かい解説は、こちらに書いたので是非どうぞ。
世界はひとりじゃ変えられない。ただし人を動かすには言葉が必要だ。簿記は、資本を動かす魔法の呪文になる。そんな人生という名の冒険に役立つ、旅の辞書としても是非おすすめ。