こんにちは、らくからちゃです。
年の瀬も近づいてきましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 出来れば、じっくり腰を据えて今年を振り返りたいところですが、残件整理にヒィヒィ言っております(´Д⊂グスン
この時期になると、いろんな『今年の振り返り』が出てきますが、毎年なんやかんやで楽しみにしているのがこちら。
今年は『約束のネバーランド』が第一位ですか。記事にもしてみましたが、ありゃ中々良い作品です。ただラインナップを見ていると『このマンガがすごい!』って、 2016年頃に初巻が発売されて、2017年に盛り上がった作品が多いんですよね。
通な皆さんにとっては、こんな風に思うラインナップじゃないのでしょうか?
(林先生!毎週見てます!!)
商業出版である以上、お店に並ぶまでのタイムラグもありますし、ある程度評価を見極めてから・・・という側面もあるので仕方ないんでしょうけどね。
ただ1年ほど前に『直近1年位で発売された作品の中で面白かったものリスト』を作ってみた所、結構多くの方に読んでもらえましたので、今年も『2017年に第1巻が発売された作品の中から、個人的にグッと来たマンガ』のリストを作ってみたいと思います。
31冊ほどのご紹介になりますが、『このマンガがすごい』とかぶっているのは7冊。完全に趣味丸出しの一覧ですが、どこかの誰かの新しい出会いにつながれば幸いです。なおジャンル分け等は面倒くさかったので、単純に出版日順に並べさせて頂きます。
ではでは、久々に
いっくぞー( ・`д・´)
BEASTARS
肉食、草食、多種多様な動物が通うチューリントン学園の演劇部の物語。最初は、イロモノかなーと思って敬遠していたのですが、正統派学園モノに、モチーフとなった動物たちの個性や立ち位置が加わって、なかなか唯一無二な作品に仕上がっています。
ストーリーも良く練られてますし、割りと広い層にオススメできる作品です。
ORIGIN
近未来世界、完全に人と見分けがつかなくなった超高性能ロボットが、自らの出自を解き明かすとともに、同輩の暴走を食い止めるべく人間社会に潜入する物語。
自分の立場を明かせない中でのバトルシーンもあり、非常にシリアスなシーンの多い中で飛び出す乾いたセンスのギャグも中々見もの。Dr.Stoneとの連載掛け持ちで大変でしょうけど、無理せず続けていってほしいですね。
ニーナさんの魔法生活
世界最強の魔女の元に、弟子入りにいった魔女っ子の修行物語。世界最強の割りに、どうみても抜けた感じのお師匠様のもと、アレコレ大事なことを学んでいくといった感じのお話。
血生臭さは無いのに、しっかりとした世界観が素敵な作品。まとめはこの辺にも書いてみましたので、よければ是非!
将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル
今年アニメ化もされた『将国のアルタイル』のスピンオフ版。本編の中では、チラホラと『東弓』の名前とセットで出てきた極東の『嶌国』の物語ですね。本編は、史実もモチーフに使いながら、よくよく練られたストーリーだと思いますが、壮大過ぎてとっつきづらい感はあるのかもしれません。本作はオリジナリティが高い分、敷居も少し低めかなあ?
ただ本編と同様に、お互いの出した一手で、オセロのように局面がガラッと変わるシナリオは、毎度読み応えがありますね。
竜と勇者と配達人
中世をモチーフとしたファンタジー世界において、『配達人』として公務員生活を送るハーフエルフの吉田さん。よくRPGゲームで見るあの世界やシステムの裏側ってどーなってんの?に大真面目に真正面から取り組んだ作品。
ここ最近『ダンジョン飯』みたいな『メタ』なファンタジー作品が増えて来ましたよね。下手なひとが描くと、作者が妄想に延々と付き合わされ苦痛なだけですが、本作は、歴史的な考察等も踏まえて、かなりリアルに描写されており楽しめました。
とんがり帽子のアトリエ
取り扱い注意なため、少数の人にしか限られて伝えられていた魔法の知識を、謎の陰謀に巻き込まれる中で知ることになった主人公。まあそうなっちゃ仕方ないよねえとはじめた魔法修行の奮闘記。
ネット上では、絵が全てつながって見えるシーンが話題になりましたが、ストーリーや舞台設定もかなり楽しめる作品です。
雨天の盆栽
いつも周囲に合わせてばかりの女子高生の楓と、他人と合わせることは決してしない同級生の雨天。怪しい噂の多い雨天のことが気になり、その後を追った先にあったのは盆栽だった。
盆栽マンガである。ここ最近、わりとニッチな趣味の世界に関するマンガは随分と増えたけど、割りとすんなり読むことが出来る。細かな知識も面白い作品だけど、物言わぬ盆栽を通して、登場人物たちが人間関係について学んでいくところもまた面白い作品です。
バンデット
鎌倉時代末期、足利尊氏・後醍醐天皇・楠木正成と、日本史の中でも類を見ないドロドロとした時代の物語。
戦国時代を取り上げた作品は、わりと話題になりますが、この時代を取り上げた作品って余り見ないですよね。ただ蓋をあけてみれば、まーグッチャグチャなこと(笑)。とにかく絵のクセが強い作品ですが、これくらいのクセがなければ登場人物たちの生き様は描けんでしょうね。
眼鏡橋華子の見立て
銀座の高級メガネ店で働く21歳の美女が、ただひたすらメガネ薀蓄を語る作品。・・・といえば語弊があるけど、ざっくりまとめるとそんな感じのお話。
いやー、出るわ出るわ。メガネってこんなに奥の深いものだったんですね。最近は、激安メガネチェーンも増えていますが、『メガネなんて安いやつで良いや』と思っているひとにこそ、読んで欲しい作品です。
バイオレンスアクション
電話一つでデリバリーされてくる殺し屋は、簿記の専門学校に通う可愛いお嬢さん。というなんともぶっ飛んだ感じの設定のお話。お仕事1回で1話といった構成作品。そちらの業界の中でも、関係者が直接タッチしたくないような込み入った案件に派遣されることが多いため、毎度込み入った事情に巻き込まれてしまう。
なんとも、命の軽い世界のお話なんだけど、その中でも『ちゃんとやろう』としている主人公の姿が好対照になっているのがまた面白い一作です。
アレンとドラン
人付き合いが苦手・・・というかまるで関心のない、サブカル女の林田。特にそのことに、気を病むことはないものの、コミュニティに閉じこもる生き方の狭苦しさに気がつく。
なんだかこういうタイプの作品は、過去にもあったような気はしますが、会話が出来ないわけでもなファッションに全く無頓着というわけでもない『現代型のヲタク』の抱える葛藤が良く表現されていて面白い一作ですね。
私たちはどうかしている
和菓子屋で住み込みで働いていた母に、殺人事件の濡れ衣を着せた椿と、和菓子対決で再開した七桜。事件の真相を、椿と一つ屋根の下で暮らしながら解き明かしていく。
えーっと、表紙からは想像できないドロドロのやつです。女のドロドロしたやつ・・・という側面もあるのですが、その枠だけにはとても収まりきらないくらいのドロドロです。ドロドロ好きな人には是非。
女子高生のつれづれ
丁度、『こども』と『おとな』の中間にいる女子高生たちの『素朴な疑問』に焦点をあてた作品。感覚的には『思春期シンドローム』とかに近い作風かな?
妻には、エロ本と勘違いされましたが、下ネタ的や恋愛もの的な展開もありますが、そこまでエグいやつはなく、わりとサクッとした作品です。女性が読めば『あるある』と思うのかも?
廻り暦
神社の片隅で売られている怪しい日めくりカレンダー。全てめくり切ることができれば、自分の好きな日に行くことが出来るという。もしもう一度、あの日をやり直すことが出来たならば、何をしますか?
よつばとの日めくりは1月に脱落する組なので、一年間日めくりをめくり続けるのは無理だなー。それはさておき、『あの日に戻れたら』は良く考えるテーマだけれど『戻ったところでどうするのか?』は案外しっかり考えてみると難しかったりする。なんやかんやで今の自分が楽しめればそれでいいじゃん。という気分になりますね。
おとぎ話ロワイヤル
謎の契約を交わすことにやって、おとぎ話を舞台とした本の中の世界を行き来することができるようになった主人公。契約時に交わした『願い』はかなったものの、さてさてその代償は・・・?
1巻は、ことなく暗いダークファンタジーの香りだけ漂わせていますが、2巻からが本編の作品です。物語のルールがだんだんわかってきたと思いきや、実はそれは違って・・・。おとぎ話という『予定調和』の中に、全くの『予測不能』を突っ込んできたところが中々良い作品です。
天竺熱風録
玄奘三蔵やダルマさんの時代に、天竺との間を三往復した外交官『王玄策』が、異国の地で8,000の兵を集め、10倍ものインド軍を打ち破る史実ベースの物語。
普段、ほとんど接することのない時間・場所の歴史の話だけに非常に楽しめましたが、それ以上に『実利第一主義の中国人』と『本質第一主義の印度人』の違いは、現代を生きる我々にとっても生きるヒントになるんじゃないかなと思う一作です。
初情事まであと1時間
高校生カップルや漫画家と編集者に、勇者と魔法使いなどなど、とある男女が、初めてセックスをするまでの1時間にターゲットを絞ったオムニバス形式短編集。
AVで一番興奮するのは、脱ぐ前のインタビューシーンだと思う。特に、マジックミラー号で◯◯な二人にお金を払って頑張って貰いました系のシリーズに興奮するタイプの人には良いと思う(俺だけ?)。実際に致しているシーンよりも、こういった細かな駆け引きの描写って、なかなか良いものですよね(笑)。
百年のワルキューレ
革命で極北の国を追われた元皇子。その目の前に現れたのは、何も知らないまま世界の全てを支配する力を与えられた奴隷の少女。
基本的な舞台設定になっているのは、帝政崩壊直後のロシアでしょうねえ。冷え切った世界と暴力や愛といった熱いものとのコントラストがキレイな作品。
ドラゴン、家を買う。
臆病すぎて一族を勘当されてしまったドラゴン。魔王と一緒に安全に、静かに過ごすための家を一生懸命さがす物語。
もうタイトルが全てです(笑)。せっかく良い家を見つけた!と思っていたら、勇者御一行から『新しいダンジョン』と呼ばれてめちゃくちゃにされたりと苦労が絶えません。家探しをしているひとには参考に・・・はならないかなあw
五佰年BOX
幼なじみの真奈の家見つけた奇妙な箱をあけてみると、その中には中世の日本があった。箱の中の世界に干渉したあと、真奈は最初からいないことになっていた。
大雑把な括りでいうと『歴史介入系』の話なんでしょうね。ちょっと特徴的なのは、箱の上から、まるで神様のようにアレコレするところが新鮮な作品です。
魔女と野獣
魔女に呪いを掛けられた少女(中身は・・・)と棺桶背負ったおっさんの二人組が、魔女撲滅の為に世界を駆けずり回る話。
有り体に言えば、えげつない系の『バトルモノ』です。この手の作品は、あんまり好きではないのですが、善人を装い人々をマインドコントロールする魔女の姿など、設定や描写でも読み応えがありました。お好きな人は是非!
ロッタレイン
仕事も家族も恋人も、一度に失った主人公が、かつて自分を捨てた父親の元へ向かうと、そこにいたのは血の繋がらない妹だった。
いろいろと人間関係の『濃ゆい』作品。登場人物それぞれの持つ立場と、それを抑えきれない感情のぶつかり合いがポイントですね。たぶん、誰にも上手く説明できない作品だと思うので、是非ご一読ください。
マイホームヒーロー
うっかり偶然、娘のたちの悪い彼氏を殺してしまった父。なんとかして妻と二人で証拠を隠滅しようとするも、彼氏が関わっていたヤクザ組織から狙われることになるお話。
今年はいろいろと凄惨な事件があったので、こういう言い方はどうかなーと思うのですが、実に面白い。カテゴリーとしては、『骨が腐るまで』に近い作品かな。ミステリー好きのおっさんが、その知識を総動員して、妻と二人で本職相手に前面勝負を挑むところは中々見応えあります。
テセウスの船
28年前に21人を殺した容疑ある警察官が死刑判決を受ける。顔も見たことのない父の無実を明らかにするため、事件現場へ向かったところ、事件直前へとタイムスリップすることに。そこで見たのは、何かを隠している父の姿だった。
こういったミステリーもので、タイムスリップなんて要素を持ち出してくると、基本それで物語はおしまいになってしまいそうなところなのですが、タイムスリップしたからこそ物語性が高まるというのがまた面白い作品。今後を予想しながら読んでいきたいですね。
薬屋のひとりごと
ひょんなことから、後宮で『毒味役』として働くことになった主人公。もともと薬への興味が強かった彼女のもとに持ち込まれる、毒物やら媚薬やらの数々の難題を解決していくお話。
『小説家になろう』原作のコミカライズ版ですね。好き嫌いはあるかもしれませんが、かなり緻密に設定が考えられている感じですね。歴史モノ的にも楽しめますし、薬剤師モノ(?)としてもかなり楽しめるんじゃないでしょうか。
麻衣の虫ぐらし
のほほんと過ごす無職の麻衣。祖父と二人で農業を営む菜々子。虫の保護活動を行う来夏。おもにこの3名の間で繰り広げられる『虫』を中心としたのんびりとした田舎暮らしを描いた物語。
本作のテーマは『虫と人間との共生』です。生きるために虫と戦う必要のある農家と、地元の自然を守りたい地主と、そのどちらでもない一般人が、お互いの立場を踏まえながらも、より良い答えを探していく非常にバランスの良い作品です。タイトルには『虫』とありますが、自然や農業に関する部分のテーマも多く、読み応えたっぷりです。
ここは今から倫理です。
とある学校の倫理教師が、彼らの抱えた悩みを、同じような悩みを乗り越えてきた古人たちの教えを紐解きながら乗り越えていくお話。
わたしの通っていた学校でも、『倫理』は芸術科目との選択授業でした。そこにやってくるのは、芸術も運動もたいして好きじゃなく、『楽そう』という理由でやってくる生徒が多かった気がします。本作で出てくるような、自分の生き方に自信のないひとが多かったかなあ。
わたしも高校生のころ、丁度この作品と同じように、体当たりで『生き方』を教えてくれた先生がいました。まあ昔ばなしですが、よければ是非覗いていってくださいな。
先生、元気にしてるかなあ。
天地創造デザイン部
はじめに天地創造があった。万能の神は全てを作り給うた。光・水・大地を造り、そしてそこに住まう生き物を・・・動物たちを―創ろうと思ったけど面倒になって下請けに出した
色んな生物に対して『どうしてその形でなければならないのか?』を大真面目に議論する作品です。個別の動物側の事情(ミクロ的要因)だけでなく、環境全体からみた考察(マクロ的要因)も多く含まれており、生物そのものへの興味も高まる作品です。
おわりに
こうやって一年を振り返ってみると、今年は去年と比べると、あまり初巻マンガの発掘活動が出来なかった気がします(´・ω・`) 来年はもっと、色んな人のオススメも読み比べながら、色んな作品を掘り出していきたいもんですね♪
それでは来年もまた、素晴らしい作品との出会いを祈願して!
ではでは、今日はこのへんで。