ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

将来もらえる年金は育休取得でどうなるのか

こんにちは、らくからちゃです。

育休復帰から2週間が経ちましたが、半分はお盆休み&ずっとテレワークだったのでまだ労働をする感覚が取り戻せていません(ノ∀`) 手の空いている時に色々片付けておくかとメールを開いてみたらこんなメールが来てました。

育休復帰おめっとさん。「育児休業終了後の社会保険料の特例」使えるけどやっといたほうがええか?任意やから決めてクレメンス 

ばーい人事部

 なんやそりゃと思いながら調べてみると、「育休後に時短労働等で賃金が下がって社会保険料も下がったとしても、育休前の社会保険料を払ってたことにしてやろう。」という育休取得者向けのサービスみたいなものだそうです。

いまのところ、時短等でお賃金が下がる予定はありませんが、特段デメリットはありませんし、とりあえず申請するだけしておこうかなーと思いました。

それと同時に「そういや育休中の社会保険料の扱いってどうなってたんだろ?」と思いましたので、調べ直して整理しておこうと思います。

育児休業中の社会保険料について

諸条件はありますが、雇用保険に加入している労働者が育児休業を取得した場合、雇用保険から直近6ヶ月平均報酬の2/3が育児休業給付金として支給されます。

www.yutorism.jp

 2/3というと随分少ない印象になりますが、非課税な上に社会保険料も免除されます。ざっくりですが、

  • 年収500万円・・・22%
  • 年収600万円・・・23%
  • 年収700万円・・・24%

が給料からの天引き率になりますので、実質手取り額は額面給与の1割減と考えればわかりやすいですね。

社会保険料は「免除」であって、社会保険の「停止」ではありません。

保険証も今まで通り使うことができます。年金に関しても、学生納付特例みたいに「入っていたことは認めてやるが、払っていたとは言えないね」なんてケチ臭いことではなく、その期間働いて払っていたのと同じ取り扱いがされます。

つまり"月給分については"育児休業を取って半年間働いていなくても将来の年金は減らないということができます。

賞与の落とし穴

じゃあ将来もらえる年金は減らないのか?という点については、必ずしもそうとも言い切れないんですよね。

「賞与にかかる年金保険料」がどうなるのかがポイントになります。

そもそも賞与をどのように支給するのかは、それぞれの会社の賞与支給規則によって変わります。弊社の場合は、育休期間中はノーワーク・ノーペイとなり賞与額が減額されるシステムです。

ただ育休前の期間で生じた賞与は育休中に支給されることになります。私の場合は2月から7月まで育休を取得したので、6月支給の10月から1月分の賞与は頂くことができました。

普段の賞与支給明細を見ると、しっかり健康保険も厚生年金も天引きされていますが、育休中のそれは支給額=振込額となるジョブズもびっくりのシンプルな内容になっていました。

賞与から発生する厚生年金は、将来の年金受取額に加味されます。そのぶんは「免除」となっている「給料から天引きされていな社会保険料」には含まれていないので、普通に働いて賞与を受け取っていた場合と比べて年金は目減りすることになります。

払うものを払わずに済んでいるので、(払った額を上回る額が貰えるのかどうかは深く考えなければ)トントンじゃね?と言われればそうなんですけども、会社側負担分も発生していないため、見た目の金額以上に「年金払ってない」ことになるので結構大きいんですよね。

特に、年収に占める賞与比率の大きなメーカーとかだとインパクトは大きいかも。

ここが変だよ社会保険制度

健康保険にせよ厚生年金にせよ、社会保険の仕組みを作った当時は「賞与」という概念をあまり真剣に考えていなかったのか、社会保険における賞与の部分は非常にチグハグなことになっています。

例えば、健康保険料はボーナスからもしっかり天引きされるのに、出産手当金・疾病手当金はそれを含まない給与から天引き額を決める標準報酬月額をベースにして決められます。

www.yutorism.jp

 また育児休業給付金の計算のもととなる「平均賃金」にも賞与は含まれません(交通費ですら含まれるのに!)。

従業員のメリットを考えると、半年に一回の賞与ではなく、その分を月給に上乗せして払っていったほうがおトクと言えることができるやもしれません。まあ、そもそもそのシステムがどないやねんと思わんでもないのですが。

ではでは、今日はこのへんで。