ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

無印良品の商品ラベルを眺めているとなんだか悲しい気持ちになる

こんにちは、らくからちゃです。

去年に引き続き、今年も自宅に引きこもるゴールデンウィークになりそうです。おうちで過ごす時間をより長くなることになりますが、妻が収納環境を大幅に改善してくれたおかげで「アレがないコレがない」と慌てることなく快適に過ごせるようになりました。

大活躍しているのが、無印良品さんのポリプロピレン製の収納キャリーボックスです。

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おおう、1000円もするのか。

セリアかダイソーで似たようなのねえのかなあと思ったけど、バラバラになりやすい薬やサプリメント、文房具などを入れておくと思った以上に便利です。

もっと早く使っとけばよかったな。

気になる無印の商品ラベル

無印良品といえば、最近ウイグル問題でバタバタしていましたが、店舗にいったら全力でインド綿・麻推しになっておりました。デカい会社は変わり身も早いんですなあ・・・。

いつもよりラベルの表示内容が気になる今日このごろですが、無印良品の商品ラベルって、一部の商品に中々興味深い記載があります。

各通貨別のお値段が全部プリントされてるんですよね。

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価格改定のときとか面倒くさくねえのかなとも思うのですが、気になるのが「これって日本円だといくらくらいになるんだろう?」ってところです。
というわけで調べてみました。

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為替換算は、GoogleSpreadsheetのGooglefinance関数で処理しました。オンライン上で動くサービスの便利なところですよね。

では、金額について見てみましょう。

まずわかるのは、日本の790円が最安価格ということですね。一番高いのは中国の1343円で、約1.7倍のお値段。一番近いところでも韓国の約1.1倍。軒並みどこも良いお値段です。

HOW MUCH IS やわらかポリエチレン 

でもさ、こんなに高くて現地の人は買えるのかな?と心配になってきたので、現地の別のものの価格と比較してみました。

こういう比較をする際によく使うのがコイツですね。

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皆さんご存知、ナルドのビッグマックです。

どこの国でもだいたい同じようなレシピで作るため、原材料費や店舗の家賃・光熱費、そして労働者の賃金が反映された結果を比較しやすく、国ごとの購買力の比較をするのによく使われます。

最近では、同じコンセプトでバックスのトールラテも使われるみたいなので、2つの価格をセットにして「やわらかポリエチレン」を買うのに何セット必要なのか?を比較してみました。

(なおEUは店舗数が一番多かったドイツを基準にしました)

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国内は、ビッグマック1個とトール・ラテ1杯の合計と、やわらかポリエチレン一個は同じ値段です。

マレーシアの200%を筆頭に、東南アジア諸国では、やわらかポリエチレンは贅沢品みたいですね。

欧米各国を眺めていると、イギリスの高さが目立ちますが、ポンドがここ1年ほど上がりつづけていた影響もあるのかな?その他はだいたい1割から2割マシってところなのかなー。

ただなんちゅーか、ビッグマックとトール・ラテの価格を眺めていると、本邦は先進国の中では随分物価がお安めなのねえと思い知らされますな。

もはや先進国ではないJAPANは何処へ行くのか

良品計画さんの直近のIR資料を眺めていると、国別の店舗状況の情報がありました。

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もう売り場面積ベースで、海外は340,421平米に対し、国内は359,141平米とほぼ肉薄する水準になっているんですね。

中でも中国の273店舗が目を引きますが、巨大な中国の面積・人口を考えれば、国内と比べれば規模は小さく、まだちょっとリッチな人向けの商売って感じなのかな。欧米各国は店舗数も少なく、国内と違って広告や物流でスケールメリットを取ることもできないでしょう。

ポリエチレン製品なら関税の影響もそんなないかな?と思いますが、付加価値税の影響は大きく出る気がしますし、外的要因も諸々ありますしね。

そんなわけで、一概に「円換算したら国内が一番安かった=日本の物価が安い」とは言えないよなーとは思うのですが、同じ商品が海外ではより高い値付けがされているのは、なんとも言えない気分になりますね。

もうちょっと日常生活に近いビッグマックやトール・ラテがこのお値段で売られていて商売が成立しているということは、支払えるだけの収入を得ているひとがそれなりに居るということでもあります。

為替レートは、諸々の事情で実体経済を反映しないことがあります。そこで「同じものの物価差」を基準に、それぞれの国の経済規模を計算した購買力平価(PPP)GDPというデータがあります。(前にちょろっと書いたのでこちらも良ければ)

www.yutorism.jp

2015年のデータでは、「そろそろ韓国に抜かれるんじゃねーの?」なんて言ってましたが、IMF発表のデータによると、2020年はキッチリ抜かれているみたいですね。今回登場した国を赤くしておきました(台湾は中華民国ですな)

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(各国の一人当たり実質GDPリスト - Wikipediaを元に作図)

 つーか気が付かないうちにアイルランドってすごいことになってたんですね。アメリカももう1.5倍くらいの差をつけられ、その差は広がる一方です。

コロナワクチンの件も然りですが、彼我の差を見せつけられても、もはや「どうしようもない」「諦めの精神」が植え付けられているような気もしますが、子供のためにも、もう一度希望の持てる日本にしないといかんなあと思う次第です。

ではでは、今日はこのへんで。