こんにちは、らくからちゃです。
日々家計簿と苦闘しながら今日も生きています。美味しい話が転がっちゃいないかなーと思っているとこんな記事を見つけました。
確かに行政の補助金・還付金や各種サービスって、向こうから教えてくれないことも多ければ、どういった条件で使えるのかも分かりづらいものが多いですよね。
条件を満たしたものを全部向こうからお知らせしてくれれば、ありがたいのですけど、条件を満たす可能性のあるもの、使ってみたら良いかもしれないものまでアナウンスする仕組みを作るのはちょっと大変かなあ。
本来、そうした情報提供こそFPの職分なんでしょうけど、地域によって異なる情報の最新版まで試験勉強されているわけじゃないでしょうし、なんか自治体で「公認家計診断士」みたいな資格を作って、コンサルティングして貰うのも良いやもしれませんな。
ついでに2000万円未満の個人の確定申告の代行あたりも認可しておけば、結構需要は多そうな気がします。税理士会あたりはオコになるかもしれませんが、税理士法を真に受ければ、個人の税務相談にすら乗れないFPにタックス・プランニングなんて勉強させて何がしたいの?って感じもしますわな。
分かりづらいのは住民税基準のせい?
さて話は変わりまして、こうした自治体のサービスが使えるかどうかが分かりにくい原因の一つに、利用可否の条件が「住民税の納付額」で決まってるケースが多いのも大きいと思うんですね。
例えば「すまい給付金」の場合は、こんな感じ。
(画像引用元:最大30万円の「すまい給付金」。対象条件は買う前からチェックしておこう! | 住まいの「本当」と「今」を伝える情報サイト【LIFULL HOME'S PRESS】)
自治体が、困っている人だけを支援したい!と思えば、直接情報が入手できて確認できる住民税の納付額を参考にするのが手っ取り早いってのは、分からんでもありません。でも住民税の金額で言われても良く分かんない人も多いんじゃないでしょうか。
また最近だと、消費税増税に伴うプレミアム付商品券が買えるかどうかの判定対象にも使われてたりしますわな。
(画像出典元:プレミアム付商品券 | 商品券を買える人は?)
今回は、住民税非課税世帯が対象っちゅーことですが、住民税が非課税になるのはどんな人達でしょうか。
まず思い浮かぶのは、イラストにもついている高齢者ですね。年金の年額が約200万円=月額約17万円くらいまでの人は住民税が非課税になるそうです。フリーターなどの低所得者も、年間約100万円以下であれば非課税ですね(誰かの扶養扱いになってることが多そうですが)。あとは世帯分離した障害者って感じでしょうか。
お役所に収入の金額を抑えられている人は、かなり低所得でなければ「住民税非課税」にはなりづらいのですが、そこそこ所得があるにも関わらず住民税非課税となる人たちがいます。
配当金生活者って人たちなんですけどね。
配当所得課税の基礎知識
普通に株式口座を開いて、上場企業の株式を購入して配当金を受け取った場合、
- 所得税(及び復興税)・・・15.315%
- 住民税・・・5%
の税金が、すでに振り込まれる前に源泉徴収(天引き)されます。10万円もらっても、2万円は持っていかれるのは、嬉しさも2割減です。ところがコレ、確定申告を行うことによって還付をゲットするという税ハック(?)がございます。
所得税の税率は段階的に税率の上がる累進課税方式を取っています。額面の給料から健康保険料や年金を差し引いた上に、給与所得控除・基礎控除などなども差っ引いた「課税所得」をベースに計算されます。
お勤めの会社の健康保険料率や、受けている控除の種類によって異なりますが、ざっくりイメージで言うと
- 年収100万円から440万円まで・・・5%
- 年収440万円から650万円まで・・・10%
- 年収650万円から1120万円まで・・・20%
- 年収1120万円から1360万円まで・・・23%
- 年収1360万円から2280万円まで・・・33%
- 年収2280万円から4480万円まで・・・40%
- 年収4480万円以上・・・45%
が掛かってくるイメージです。
配当金を確定申告するとどうなるのか。配当金部分には上記の税率から
- 課税所得1000万円以下の場合は10%
- 課税所得1000万円超過の場合は5%
を配当控除として差し引いた金額が所得税になります。
(引用:上場株式の配当金にかかる税金と確定申告について | プロがやさしく解説する税金専門メディア)
所得税に関しては、ざっくり年収1360万円未満のひとは、確定申告しておいたほうがお得です。
住民税は、累進課税の仕組みがなく一律10%で、配当控除は
- 課税所得1000万円以下の場合は2.8%
- 課税所得1000万円超過の場合は1.4%
となります。よって源泉徴収で払ったほうがお得です。
というわけで、源泉徴収のままだと20%だけど、確定申告すれば17.2%となる課税所得695万円(年収で約1120万円)未満のひとは、確定申告しておいたほうがお得で良いね!という結論でした。
なぜ住民税を確定申告したくないのか
が、しかし。
平成29年の税制大綱により、自治体によって対応がマチマチであった配当金の住民税部分について、所得税を確定申告していても住民税は源泉徴収扱いすることができることが明確化されました。
(9) 上場株式等に係る配当所得等について、市町村が納税義務者の意思等を勘案し、所得税と異なる課税方式により個人住民税を課することができることを明確化する。
「ふるさと脱税で取り戻してやらぁ!」という人でもなければ、住民税に関しては、ワザワザ税率の高い確定申告を選ぶ人はいないでしょう。大多数の人は「所得税は確定申告、住民税は源泉徴収」にしておけば税金が安くなるようになりました。
これに狂喜乱舞したのが、主に配当金だけで生活する配当金生活者です。
何も住民税が7.2%から5.0%に2.2%減ったことだけに喜んでいるわけではありません。冒頭でも取り上げたように、住民税の金額が各種行政サービスの利用可否や健康保険料の算定基準になるからです。
話がややこしくなってきましたので整理すると
- 確定申告をすると所得税が安くなる可能性がある!(^o^)
- でも確定申告すると住んでいる自治体に稼いでるのがバレる。(T_T)
- 所得税だけ確定申告できるようになったぜ!やっほう!(๑•̀ㅂ•́)و✧
という感じです。
この話、ご丁寧に自治体のホームページでまでご案内頂いております。
上記の申告不要とされている配当所得や譲渡所得を申告した場合、これらの所得は「合計所得金額」に含まれることとなります。
合計所得金額が増加すると、
・配偶者控除や扶養控除の適用
・国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療制度保険料等の算定
・その他の行政サービス
などに影響が生じる可能性がありますので、申告不要とされている配当所得、譲渡所得を申告するかしないかは、総合的にご判断ください。
つまり確定申告せずに、源泉徴収にしておけば、お役所からは「収入のない貧乏人」と見え、諸々の優遇を受けやすくなる。というお話でございます。ちゃんと確認はしていませんが、恐らく「プレミアム商品券を買える人」の条件も満たすものと思われます。
本当に助けが必要なひとの見分け方はどうあるべきか
先日も書きましたが、健康保険料にはかなりの割合で「高齢者の医療費の支援」が含まれています。
誤解なきよう念押しいたしますが、年寄りの医療費を払うのなんて真っ平ごめんだからやめてくれ、と言いたいわけじゃありません。誰かが負担せねばならないのは仕方ないとしても、その費用負担の計算式が狂って無いかい?ということを問いたいのです。
もう一つ別の話をしましょう。
来年度より所得税を計算する際に、所得から一律で差し引かれる基礎控除の金額が10万円増えます。つまり、その分だけ税金が安くなります。ヒャッホウ。と、思いきやお給料から差し引かれる給与所得控除が10万円減ります。つまりプラマイゼロです。
ついでに公的年金控除、青色申告控除も10万円ずつ減りますので、年金生活者・フリーランスもプラマイゼロです。(青色申告についてはeTaxを使えば+10万円ですが)
つまりこれ「給料」も「年金」も「個人事業での利益」も無い、配当金生活者が恩恵を預かることになります。何か政府税調は弱みでも握られてるんでしょうか?いい加減、金融所得の累進課税化の検討はせんのでしょうか。
持っている資産の金額や実家の太さ、働き方の安定性など、諸々の要素を全て含めて「助けてあげるべき指数」が出来ればよいのですが、そうかんたんな話でもないでしょう。
とはいえ、証券会社にはマイナンバーも伝えていますし、せめて配当金の所得くらいは自治体レベルできちんと抑えた上で、行政サービスに反映できるようにしたほうが良くない?と思う次第であります。
ではでは、今日はこのへんで。