こんにちは、らくからちゃです。
先週末、上野の森美術館で行われている『フェルメール展』に行ってきました。もちろん、展示されている絵画はすべて素晴らしかったのですが、その展示方法もまたよく考えられているなーと思いました。ですが、特徴的であるがゆえに、事前に知っておいたほうがよいなあと思うこともありましたので、注意点や感想などまとめてみます。
予約・チケットの購入方法
上野の森美術館といえば、過去には「進撃の巨人展」「怖い絵展」といった特徴的な展覧会を開催していたことをご記憶の方も多いかと思います。SNS等で爆発的にシェアされた結果、長いときには入場までの待ち時間が3時間なんてこともありました。
今回のフェルメール展は、そうした反省も踏まえ(?)完全予約制です。予約は2時間刻みで、
- 9:30 開始
- 11:00 開始
- 13:00 開始
- 15:00 開始
- 17:00 開始
- 19:00 開始
の部となっています。予約制というと敷居が高く感じますが、割りと余裕はあります。日曜日の朝に当日の予約をすることもできました。ただ厄介なのが、WEBからのチケット発券には障害者割引が対応しておらず、電話をかける必要があります。そこがまあ繋がりにくい。それを除けばスムーズに予約できましたね。
チケットの引換は、セブンイレブンにて行います。店員に「チケットの引換お願いします」といって、支持された番号を伝えるだけです。チケットの発券まですべて外部に委託することで、ずいぶんと効率化が図れている印象ですね。
ただ開始直後から入ろうとすると、30分ほど順番待ちをする必要があります。障害者割引の適用者は優先入場ができましたが、混雑するのが嫌であれば少し遅めに行ったほうが良いかもしれません。
入場時に渡されるもの
今回の展覧会ですが、入場料は2,500円です。はっきり言って高いです。上野の森美術館は、勘違いされやすい立地ですが、民営の美術館です。障害者割引が適用されても、同伴者一名も含めて半額です。
とはいえただ高いだけなのかというと、その分、音声ガイド・解説小冊子・栞が無料で配布されます。特に音声ガイドが今回の展示のポイントですね。
企画展に展示されている絵って、だいたいもれなくその横に「解説文」「歴史的背景」「鑑賞のポイント」みたいなものが書かれてますよね。美術館は絵を楽しむもんだ!余計な情報など要らんわ!という意見があるのもご尤もですが、我々のような素人にとっては、あの説明も含めての展示なんっすよ。でもさ、渡辺謙さんじゃなくとも
「小さくて読めないっ!!!」
って怒りたくなるサイズじゃない?(笑)ただアレのサイズを大きくしちゃうと、雰囲気が台無しだし、展示できる絵の数だって減ってしまう。とはいえ、あのサイズだと、相当近づかないと読めないサイズなので、解説の前に人だかりができてしまう。
この問題は、特に上野の森美術館のように小規模な美術館だと大変です。みんな絵を見に来てるはずなのに、文字を読むのに一苦労になってしまう。この状況を解消するものが「音声ガイドの標準装備」なんですね。
他の展覧会でも、500円とかでレンタルできますけど、今回の「フェルメール展」では全員無料になっている。その結果、展示スペース内の解説文を極力排することができ、人の流れもずいぶんと良くなっています。実は、わたしは音声ガイドを使うのが初めてだったのですが、こりゃあ快適です。一生懸命目を凝らさなくとも、石原さとみさんが丁寧に解説してくれます。
フェルメール以外が面白い
今回の展覧会の一番の売りは、世界で35作品しか残されていないフェルメールの作品のうち、9作品もがやってくるというところです。それはまあ凄いことなのですが、こうした企画展の常として、メインテーマであるフェルメールの作品が生まれるに至った時代的な背景を説明するために、40作品が展示されています。
これがまあ面白い。
時は17世紀のオランダ。貴族から裕福な市民に政治的経済的な力が写っていくなか、画家も宮廷から豪邸へと活躍の場を移しつつありました。
- オランダ人との出会い:肖像画
- 遠い昔の物語:神話画と宗教画
- 戸外の画家たち:風景画
- 命なきものの美:静物画
- 日々の生活:風俗画
と市民の需要に応えて、様々な題材に立ち向かっていった同時代人の作品が実に良いセレクションで展示されています。なんというか「被っているもの」がないんですよね。特に「野ウサギと狩りの獲物」は強烈なインパクトがありました。
当時の画家たちが、誰のために、何を思い、どういった工夫をして書いていたのか。これがよく伝わってきて、その後に見るフェルメールの作品も深く味わえた気がします。
最後に、皆様にお伝えしたいポイントを整理しておくと
- フェルメール展、案外混んでないよ(予約取れるよ)
- 音声ガイドめっちゃ良いよ(コミコミ料金だよ)
- フェルメールに興味がなくともメッチャ楽しめるよ
となります。百聞は一見にしかず。是非一度、上野まで足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
ではでは、今日はこのへんで。