ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

「新入社員に教えておきたいこと」チャンネルを作ったら社員みんなの業務効率が改善した件

こんにちは、らくからちゃです。

未だにコロナ感染者数は増えたり減ったりしていますが、10月よりたまには出社せえとのお達しが発令されました。

モバイルワークを続ける中で、「心を病むひとが出てきた」とか「何気ないコミュニケーションを復活させたい」とか、色んなお題目が並んでいましたが、毎日出社してる偉い人たちが、オフィスで自分たちだけで過ごすのは寂しくなっちゃったのかもしれません。

それはさておき「新入社員が、誰に何を相談したら良いのか分からない」という話は、確かにそうかもなあと思いましたね。広く言われていることですが、テレワークって「いままで作り上げてきた人間関係」に支えられている側面はかなり強い。

弊部にやってきた中途採用のオジサマも「みんなの人間関係が分からなくて、誰に何を聞けばよいか分からない」なんてことを言ってたけど、マニュアルやトレーニングじゃなくて、立ち振舞から学ぶ機会が減っているのは事実でしょう。

そこでオロオロしている新入社員を見かねたのか(?)弊社Slackにも「新入社員に教えておきたいこと」チャンネルなるものが開設されました👏

「新入社員に教えておきたいこと」チャンネル爆誕

これは「なんでも良いから新入社員に教えておきたいと思ったことを書け」みたいな場なのですが、しばらくするとお節介なオッサン・オバちゃん親切なお兄様・お姉様から

  1. Excelのショートカット
  2. 普段使ってるツール類
  3. 情報収集のネタ元

などがガンガン集まりました。

眺めていると、すでに知ってることが大半ですが、え、そんなやりかたがあったんだ」と思うものもチラホラ混ざってたんですよね。

Windows+Shift+Sなんか「最近はそんなん出来たのか」と驚いている人が複数いましたけど、確かにこの手の話って教えられないとわかんないのかもしれませんね。

特に社内システムに関しては、ググっても出てこないですし「こんなの言われないと思いつきもしねえよ」系の裏ワザも続々と披露され、気づけば新入社員だけでなくベテラン勢からのイイネも増える事態に笑

また自分からテクニックを投稿するだけでは飽きたらなくて(?)「その場合はこういうやり方もありますよ!」と補足を投げるひとも出始め、随分と賑わいをみせるようになり始めました。

その時、本部長が動いた

「新入社員に教えておきたいこと」チャンネルなので、原則教えるだけの場のはずですが、比較的双方向なコミュニケーションの場としても機能する気配が出てきた矢先、ぽーんと毛色の違う投稿が飛び込んできました。

「今更これ聞く恥ずかしかったんだけど、どうやってんの?😩」

と。あれれ「教えておきたいこと」チャンネルなのに「教えてほしいこと」を投げ込んできたのはだーれだ?と思って投稿者名を見ると、ほ、ほ、本部長じゃないですか!

随分実践的な例題(?)を投下してくださった結果、みんな一気に大喜利モード。

サクラエディタをお使いでしたら、矩形選択って分かります?あ、それだったらWinMerge使ったほうが・・・みたいな「俺ならこうする」アイデアが続々と集まる集まる。

それをキッカケに中堅から偉い人まで「これって他の人はどうしてます?」みたいな、「教えてほしいこと」が書かれるようになりました。

気づけば、自分で聞いてよし、答えてあげるもよし、なんなら眺めてるだけでも勉強になる。随分実用的で心理的安全性を感じる場が出来上がりました💪

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生きた『フロー』があることの重要さ

この業界って割りと「聞くのは恥」みたいな風潮が根強くある気がするんですよね。

弊社でも「分からないことがあっても自分で過去の資料を調べて解決すべき」「聞かないと分からないことが無いように情報は全て資料化すべき」みたいなドキュメント化至上主義みたいな文化がありました。

でもね。どんなにしっかりドキュメント化しても、存在事態知られてなかったり、どこをどう読めば良いか分からない状態になってたり、やっと日の目を見るかと思った頃には陳腐化して間違った情報になってたりするんですよ。

今回Slackに集まった情報も、一部は整理してドキュメントとしてまとめておいたら役に立つかもしれない。でも、何でもかんでもストックとして残していくより、生きたフローがある方が結果的に色々捗るんじゃねーのかなと思うんですよね。

勿論どちらも役に立つものです。なので「なぜ自分で調べないのか」「なぜちゃんと資料として残さないのか」と、気軽にやりとりする余地を奪うような圧力は減らしたほうが生産性だけじゃなくて居心地も改善します。

そういった場を作るにはどうするのか。

今回の例だと「新入社員に教えてあげる」という名目で、(少なくとも当初は)一方的に押し付ける形式を取っていたため、「こんなことは知ってるかもしれませんが」と枕詞をつけてノウハウ交換が出来る場が出来た。

それはたまたまでしたが、結果的に良いフォーマットだった気がします。

聞くのは恥でも損でもない

テレワークになるとコミュニケーションが減る。そう考えているひとは多数います。

一言でコミュニケーションと言っても、色んな形態があります。中には減少したものもあるんでしょうけど、今回の例に関しては「テレワークをしていたからコミュニケーションが増えた」ということも出来ます。

いままでであれば、その時・その場所に居合わせた人の中で完結していたやり取りが、時間も場所も、なんなら部門の壁も超えて共有しやすくなった。

口頭やメールであれば、懇切丁寧に指導してもその結果は本人にしか残りません。でも公開の場であれば、多くの人に同時にメッセージが残せる分こちらのモチベーションも上がります。

またドキュメント化して残すよりも、相手がいるぶん、アレコレ深読みする必要もなく負担が少ない。逆に言えば、いつどうやって使われるのかすら分からないドキュメントをこさえさせられるよりも、モリモリ質問してくれたほうが余程楽です。そうしてやり取りした記録が、そのまま以後の対応の際に過去のノウハウとしても活用できるので、大変おトクです。

聞くのは恥でも損でもありません。

些細なことだけど聞いてよいか分からない?

OK、聞いてください。あなたが知りたいなら、他の人も知りたいはずです。

初心者過ぎて何から聞くべきか分からない?

OK、聞いてください。何から聞くべきかは一緒に整理して考えてましょう。

前に聞いた気がしてて聞くのは申し訳ない?

OK、聞いてください。覚えてないなら私の説明が良くなかったんでしょう。

とにかく何でもオープンな場で聞けば良いんです。手の空いた時をみつけて回答するし、私が回答出来なくても他の誰かが出来るかもしれない。なので、とにかくなんでも聞くようにしてもらえれば、皆が助かります。

そんなわけで、弊社の業務効率はビフォア・コロナよりも大幅改善したような気がしています。ぜひ御社の状況も教えて下さい。そうやって人類は発展してきたわけですから。

ではでは、今日はこのへんで。