ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

完全に「いち抜け」した中国の貿易統計

こんにちは、らくからちゃです。

暦の上ではゴールデンウィークも終わりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。大型連休ってなんだっけ?って感想しかありませんか。でしたら私と同じですね。

なんやかんや感染者数も減少しており、ひとまず出口は見えてきたような気がしますが、お隣中国からは春の陽気を満喫しているかのような貿易統計が届きました。

中国税関総署が7日発表した2020年4月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比3.5%増の2002億ドル(約21兆3千億円)だった。19年12月以来、4カ月ぶりに前年同月の水準を上回った

新型コロナ:中国の4月輸出3.5%増、4カ月ぶり増加 予想上回る :日本経済新聞

 奥さん、前月比じゃないですよ。前・年・同・月・比!もう完全に「終わったこと」になってますね。「まだコロナで消耗してるの?」って声が聞こえてきそうですな。

貿易黒字の額を眺めてもこんな感じ。


source: tradingeconomics.com

うん。なんか去年よりも改善してるねー・・・。

あの国の統計なんて信用できるの?とクビを傾げたくなるような数値ですが、相手側のいる貿易統計は比較的嘘ごまかしの少ない数値が出るんだとか。

ちなみに、細かな統計情報は中国税関のサイトに掲載されています。データはこの辺に転がっています。

统计快讯が速報で、统计月报が確報って感じかな。人民元・米ドルベースでデータが出ています。データの表示がクソ遅いのですが、まあそこはお役所クオリティということで文句は言わない。

まず我々に関係の深いところで日本向けの輸出額から見ていきましょう。

  • 2020年4月:28,401.9
  • 2020年3月:12,576.5
  • 2019年4月:25,810.4

単位は百万ドルでございます。3月と比べると2.2倍、去年4月と比べても1.1倍近くに増えておりますな。

次に品種別でも見てみましょう。いま中国からの輸入品で一番注目を集めているのは、マスクでしょう。中国語でマスクは「口罩」(コウヂャオ)と言うみたいですが、統計のカテゴリ的には繊維製品(※纺织纱线、织物及制品)になるようですね。

その推移を追ってみるとこんな感じ。

  • 2020年4月:14,620.7
  • 2020年3月:8,922.3
  • 2019年4月:9,788.9

3月段階でも4月と去年4月と9割程度の輸出額がありましたが、4月の数字を見ると、どどーんと前年同月比で1.6倍くらいに伸びています。

私はまだ出くわしていないのですが、市中の至るところで中国製のマスクが出回り始めているそうです。安倍総理は「アベノマスクのおかげ」とドヤ顔しているそうですが、この統計を見ても、中国からの輸入品が入るようになったからじゃねーの?という結論になりそうですね。

欧州や米国は青色吐息ですし、我が国もいつもの如く迷走しております。

もうこのままだと、コロナ明けの経済の主導権は完全に中国に握られてしまいそうな勢いですね。今後の動きを引き続き、注意深く見守って行きたいなあと思う次第です。

ではでは、今日はこのへんで。