こんにちは、らくからちゃです。
11月と、秋ももう終わりに近づいてきているはずなのに、全然寒くなってきませんねえ。弊社社内では、ウチワで扇ぎだす人まで出る始末。・・・いや、それは空調の設定がおかしいだけだと思いますが。
気温のほうは、秋には違い有りません。味覚の秋、スポーツの秋、色々と余暇の楽しみが増える時期でございますが、わたしもお仕事の方がやっと一段落ついてきたので、読書の秋を楽しもうと、色々と本を買いあさっています。
ところで皆さん、普段本を買う時ってどうしています?うちのブログのAmazonアソシエイトの売上をみても、Kindle本の売上が多くて、電子書籍も結構普及したもんだなあなんて思っていますが、わたしは未だアナログに、紙の本です。まー、古本の値段より安くなったら考えましょう。
年中素寒貧の貧乏人なので、なるべくAmazonのやブックオフの中古の本を買い漁っているのですが、最近気が付きました。これ、わざわざ買わなくても本屋さんで読んで帰ればもっと節約になるんじゃないのかと。
うちの近所の本屋さん、というかTSUTAYAなのですが、26時まで開いています。終電で帰ったとしてもまだ大丈夫です。ご丁寧に『座り読み』用のソファまでおいてくれていて、しかもうちの安ソファより座り心地が良いw 品揃えはよくありませんが、新刊や雑誌の最新号なんかはきちんと取り揃えていますし、23時までなら併設のスタバに未精算の本を持ち込むことも出来ます。
別に、読書が趣味、ってわけじゃないので、せいぜい通勤電車で週に1冊か2冊、気になった本を読むくらい。会計や経済、歴史物のハードカバーの本を読むことが多いのですが、そういったものは流石にTSUTAYAでは取り揃えていないことが多いですね。Amazonで買ってもいいのですが、そこそこのお値段もしますし、結構『当たり外れ』が大きいので、やっぱり見て選びたい。
そういう本は、ぶらっと会社の近所の丸善本店に立ち寄って探しているのですが、やっぱり大きな本屋さんは素晴らしいですね。120万冊も在庫があるようです。しかもご丁寧に椅子にくわえて机まで付いてくるw
まあ、安く済ませたいのであれば、図書館を使うという手もありますが、いまいち図書館を上手に使えていません。
市立図書館の不満なところ
実は、家から徒歩10分もしないところに、そこそこな規模の市立図書館があるのですが、あまり上手に使えていません。
不満な点は、主に3点。
- そもそも借りたい本が置いていない
- 借りたい本があったとしてもずっと貸出中
- 借りれそうな本があったとしても平日いけない
うちの自治体の図書館の蔵書数について調べてみたのですが、蔵書数は市内の全図書館を合わせて37万冊。これだけあれば、読みたい本も見つかりそうな気がするのですが、オンラインシステムで調べてみても、なかなか引っかかってこない。その理由を考えると、まず小説や入門書のような娯楽書が多いこと、そして専門書についても出版から時期が経ちすぎているものが多いことが理由のような気がします。
まあ本当は、こちらの記事にあるように、ばしばしリクエストをかけていけば?というのも分かります。オライリーみたいに、『これが欲しい』ってわかっている場合には良いなあと思いましたが、読みたい本を探しに図書館へ行くのであって、読みたい本は自分で探せ、買ってやる。っちゅーのもなんか違うかなあ?と思うんですよね。
また、稀に借りたい本が見つかった時も、ずーっと貸出中になっているんですよね。ちなみに、貸出予約数ランキングみたいなものも出ているのですが、それを見るとこんな感じ。
第五位
144人待ち
第四位
198人待ち
第三位
214人待ち
第二位
252人待ち
第一位
409人待ち
っぱねー、又吉先生ぱねー( ゚д゚)。だってこれ、貸出期間が2週間なので、一冊で回していたら15年待ちくらいっすよw ランキングの表示限界の30位でも1.5年待ちという事態です。ひええ。
あと、営業時間についても不満があって、平日だと午前9時から午後5時まで。土曜日でも午後7時までしか空いていません。なんつーかもう、勤め人は来るなと言われているような気がします。
誰が為の図書館か
個人的には、たいへん不満なポイントの多い図書館ですが、市の調査レポートにはと、その華々しい『行政効果』が謳われています。
平成25年度に貸し出された資料を、仮に利用者が全て自分で購入されて読んだと仮定すると、約24億1千276万円必要になります。【平成25年度総貸出冊数✕出版物の平均単価2,278円(出版年鑑2013)】。これから図書館の平成25年度事業費約1億8千45万円を差し引くと約22億3千230万円になります。これを人口167,153人【平成26年3月末住在人口】で割ると市民1人当り約1万3,400円の行政効果(還元益)があったことになります。
すっげー!1万3,400円も得してたんだ!いやー、何か知らないけど、金額だけ聞くと、すげえ得した気がします。
でも、誰が得したんだ?
ふとそう思っちゃうんですよね。市の公表資料の中で、ちょっと気になるデータを見つけたんですよね。
平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | 平成23年度 | 平成24年度 | 平成25年度 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人口1人あたり貸出数 | 5.97 | 5.97 | 6.19 | 6.6 | 6.53 | 6.48 | 6.45 | 6.15 |
個人貸出登録率 | 44.2% | 43.5% | 42.9% | 42.2% | 41.0% | 40.7% | 36.7% | 36.1% |
人口一人あたりの貸出数は、概ね安定して推移していますが、貸出登録率は俄然減少の傾向にあります。『市民の皆さんが得してますよ〜!』という割には、その『市民』というのはごく限られた層のように思えてしまいます。
まあ、こういった施設は利用する云々だけでなく、単純に『ある』というだけでも価値があると思うのですが、実際に貸出されている本のランキングを見ても、図書館に足を運んでみても、娯楽書ばかりで地域の郷土史を知るための資料や、新しいアイデアを生み出すための専門書はあんまり投資がされている感じがしない。
なんて見てみても、
分野では、「参考図書」「料理」「洋裁」「手作り」「高齢者」「生き方の本」「住まいの入門書」「話題の本」「読物」「絵本」などが人気です。
あー、なるほど(笑)。って感じ。
館内を見渡してみても、学生や社会人よりも、主婦やお年寄りが多い。時間や立地の都合上、特定の『読書が趣味』という人だけが頻繁に利用して、利益を享受している感は否めない気がするんですよね。
いっそ図書購入補助費渡したらどうなんだろう
以前読んだ記事の中で、ちょっと気になったのがこちら。
学歴と図書館の利用率という、興味深いデータから、『図書館が格差の固定や再生産に加担しているのでは?』という テーマへ結び付けられた、中々読み応えのある記事だったのですが、個人的に気になるのは、都市部と地方部での図書館のアクセスの格差。
大都市の住民にとって、図書館の存在は割りと当たり前のものになっていますが、地方に行くと図書館そのものない市町村も珍しくない。学校や公民館の図書室で済ませるか、仮に独立した図書館とさっていたとしても、それに変わらないレベルというところも。
(出典:日本の公共図書館)
だいたい、人口密度の少ない田舎で図書館作ろうとすると、大変割高になっちゃいますもんね。何かと話題の、武雄市の新図書館。CCCへ委託すると年間1億円で、直営だと2億円かかるそうです。武雄市の人口は5万人ですので、ひとりあたり年額2,000円〜4,000円ってところでしょうか。
だったらいっそのこと、この金額を『図書購入補助費』として市民全員に配っちゃうって選択肢はどうかなーって思うんですよね。そのまま現金で渡しちゃうと、他のことに使われたり転売されちゃいますので、半額は負担して貰い、1万円分の半額割引券を配布する、とかですかね。
まずこの方法だと、図書館の利用頻度による格差がうまれず、みんな平等にお金が行き渡る。また、普段から本を当たり前のように読まない層にも読書習慣を広げ、教育格差の縮小にも繋がるかもしれないですね。
そして、欲しい本が帰ってくるのを待ったりする必要もなく、出版社に『本が売れないのは図書館のせい』なんて言われることもなく、好きなタイミングで買いに行けばいい。(同じ本が大量に売れることになるかもしれませんが)
あと、地域経済の活性化にも効果はあるでしょうね。億単位の経済効果が生まれるわけですよ。つっこまれた資金をめぐって、営業時間を伸ばすなり、品ぞろえを工夫するなり、併設する施設を調整するなり、どうぞ自由競争をして頂ければいい。『この本・・・、誰が読むんだ?』というような本を並べた図書館より、きっちり儲けるためにやっている本屋さんのほうがよっぽど市民にとっては有用なような気もします。
色んな意見があったように見えるけれど、結局TSUTAYA図書館の話を色々とおっていると、みんな『図書館』が欲しかったんじゃなくて、『都市部なみの本屋』さんが欲しかったようにみえるんですよね。まずは、そういった文化的な商業施設が入ってきやすいように種をまくのも選択肢として考えてもいいんじゃないのかなあと思ってみたりもします。
なんか、図書館絡みの話って、教条的というか宗教的なまでに『ほんをよむことはだいじ!!』と主張してくるひとがいておっかないのですが、あくまでおっさんの酒飲み談義ですので、あんまりお気になさらず。あと、図書館の自由とかは国立図書館とか大学図書館とか、県立図書館でやってもらえばいいでしょう。
ではでは、今日はこのへんで。
追記
ちょっと変な方向から投げてみたけど、いろいろ拾っていただいて嬉しいなあ。
結局、どういったニーズを市立図書館が拾って行くべきなのか?ってところは、考えてみたいところなんですね。『広く遍く知識を伝えていく』というところが目的であるはずなのに、いざとなると読みたいものが無かったりする・・・。
例えば、会計学の分野でいえば、
とか、
とか、そのあたりの一番基礎的な教科書となるような本が一切無かったりするんですよね。
もうちょっと、一般性の高そうな経営学についても、ポーターは『競争の戦略』が一冊あるだけ。コトラーは、まだ3冊くらいはあるのですが、比較的最近の本ばかり。
本当に図書館で借りたい、一冊9千円する
- 作者: Philip Kotler,Kevin Lane Keller,恩藏直人,月谷真紀
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/04/19
- メディア: 単行本
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みたいなものはおいてくれてなかったりするんですよね・・・。
一方、ドラッカーはブームになったからか、それなりにあったのですが、みんなが持っているような本なら本屋さんで買ってもらえばよくね?と思うんですよねえ。
『欲しいなら言えよ』というのはその通りなのですが、本来図書館には、そういった新しい知識との出会いを提供してくれる場という役割もあると思うので、なんだかなあと思うところもあったり。
その一方で、雑誌に関しては、ファッション誌まで毎月買ってくれている。
市立図書館って必要なんだろうか - ゆとりずむ
- [文化]
- [社会]
- [教育]
- [行政]
文化資産の集積保存維持が行政の担うべき重要な社会インフラの一種だという理解が浸透していない故に、図書館と貸本業を混同したり図書館の受益者負担を主張したりする類の愚論が大手を振る事になる。
2015/11/19 09:53
というのは、わたしも同意見なのですが、現状として「文化資産の集積保存維持」ってできているのだろうかと。入れる本についても、その選定基準もよくわからない。
『知る権利』のためであればこそ、官吏に選書を委ねるというのであれば、もうちょっと『こんな公益性の観点からこういった本を選んでいます』ということを謳ってくれてもいいんじゃないのかな、と思う次第です。