こんにちは、らくからちゃです。
秋といえば、読書の秋、スポーツの秋そしてなんといっても食欲の秋ですね。とはいえ、連勤続きで中々楽しめていません(´Д⊂グスン せいぜい、ランチをちょっと豪華にするのが関の山ですね。事務所が都心に移ったことで、有難いことにお昼ごはんを食べる場所は選び放題なので、色んなお店をぐるぐる回っています。
お腹がすいた時はがっつりラーメンとかうどんとかの麺類が食べたくなりますが、でも最近、『都心のラーメンって高くね!?』ってすごーく良く思う。700円台ならまだ安い方で、800円から900円、『全部盛り』みたいなのになると1,000円を超えることもある。一方、うどん屋については、素うどんであれば300円、大盛りやら何やらしてもワンコインに収められる気がします。
そこでふと、『うどん屋とラーメン屋ってどっちのほうが儲かっているのかしら?』と思い、色々と調べてみましたヽ(=´▽`=)ノ
うどん屋とラーメン屋のどちらにみんなお金を使っているのか?
まずは、売りが立たねば利益は出まい!ということで、どちらのほうが全体としての売上が多そうなのかを見てみました。まずは、家計調査の結果から、世帯支出はどちらのほうが多いのかを確認。(参考:統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103)
世帯支出の分類上、『うどん屋』と『そば屋』はまとめて『(外食)日本そば・うどん』という表現になるそうです。どちらも一緒に扱っているお店も多く、分けられないんでしょうね。『ラーメン屋』については『(外食)中華そば』になるようです。
一世帯あたりの支出額で見てみると、差はそれほど大きくはありませんが、日本そば・うどんを中華そばが上回っています。全体の傾向としては、外食全体の動きと両者ともに比較的連動する感じでしょうか。
世帯の年収別のデータもあったので比較してみましたが、こちらは結構明白な結果が出て面白いですね。244万円未満の層では、日本そば・うどんも中華そばも大差はありません。それが、それ以上の層となると、『中華そば』が上回る。ただし、737万円を超える層になると、日本そば・うどんが逆転をする。
この結果を見ると、
- 低所得者層・・・チェーン店の中華そばや、立ち食いそばうどんが両者共強い?
- 中所得者層・・・ランチにちょっと余裕をかけられる層に中華そばが強い?
- 高所得者層・・・山の中の鄙びたそば屋で美味しく頂いているのかしら?
といった感じでしょうか。あと、結構顕著な結果が年代別の比較。
(出典:グラフ <日本そば・うどん>の家計消費支出 消費支出の世帯構成)
(出典:グラフ <中華そば>の家計消費支出 消費支出の世帯構成)
単身者や若者世帯に強い中華そばと、高齢者につよい日本そば・うどんという結果が、かなり顕著に出たように思われます。
どっちが儲かっているのかしら
次に、実際にお店の方の状況についても見ていきましょう。見るのは経済センサスの結果(統計表一覧 政府統計の総合窓口 GL08020103)。家計調査とはまた切り口が違うので、分類の仕方が異なります。細分類までデータを持っている統計情報ですと、
- 7264 ラーメン店
- 7631 そば・うどん店
という区分で、今回見たいデータが見れそうですね。それぞれ、データを纏めてみると下表のような感じ。
ラーメン | そば・うどん | |
---|---|---|
事業所数 | 19,264 | 25,397 |
従業者数(人) | 127,130 | 163,249 |
売上(収入)金額(百万円) | 556,050 | 602,929 |
付加価値額(百万円) | 251,736 | 273,285 |
売上÷事業者数 | 28.86 | 23.74 |
付加価値÷従業者数 | 1.98 | 1.67 |
付加価値率 | 45% | 45% |
なーんか、家計調査との整合がとれないなーというのは、別々にやっている調査ですし、分類方法も違うので目をつぶって貰うとして、ざっくりまとめるとこんな感じですね。
付加価値って概念は、ちゃんと説明するとなるとかなりややこしいのでざっくり説明すると、『売上から材料費と経費をひいたもの』あるいは『利益に人件費を足したもの』と考えてもらえればだいたいOKです。労働を通して社会に生み出した価値、って感じの説明になるのかな。
事業所数・従業者数では、そば・うどんが20%以上上回っていますが、売上・付加価値では7%程度の差。その結果、店舗あたり・従業者数あたりで見ると、中華そばが上回る結果に。ただ、最終的な付加価値率で見てみると、両者ともに45%位、ってところですね。飲食店全体が44%なので、ほんのり上回った感じでしょうか。
ラーメン店は、若い層や中所得者層を中心に、付加価値の高い商品を提供し、他店との差別化をすることで競争をしてきたように思えます。つけ麺、油そば、二郎系・家系などなど、常に新しい価値の提示を行いながら、市場を広げてきたように見えます。
一方、うどんについては、商品そのものに大きな変革があったようには思えません。ただ、丸亀製麺やはなまるうどんなどに代表される『セルフ方式』『ロードサイド型』を中心に、チェーンの大規模化を行い、原価を抑えた上で、おにぎりや天ぷらなどで付加価値を高めていくという戦略かなあと思います。
タイトルに対する結論としては、『付加価値率でいうとだいたい同じようなもの』『だけどターゲット市場は結構違うかも』って感じでしょうか
地域別の分析
最後に、ちょっと『地域別の支出額』について面白いデータがあったので、ご紹介してみます( ゚д゚)
(出典:統計局ホームページ/家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成24年(2012年)〜26年(2014年)平均))
日本そば・うどんの一位は2位と倍近い差を引き離した『高松市』。・・・うん。さすが、『うどん県民って、一日三食うどんって本当?』って聞いたら、『おやつと夜食が抜けてる』と答えが帰ってきた、なんて都市伝説が生まれるだけはありますね(笑)
ちょっと意外だったのは、山形のラーメンですね。高松のうどんといい勝負です。どうも見ていると、普通に『モーニングラーメン』なる文化もあるようです。
ある日、職場の同僚と話してて「モーニングでラーメン」という話が出ました。
名古屋はモーニングが有名ですが、中にはラーメンも出てくる店があるらしく、同僚は騒然としていました。
「え?普通じゃないの?」
と僕は思ったのですが…(; ^ω^)
というのも、山形では朝からラーメン食べるのが結構普通だったので…。
統計を見ていると、たまにこういった自分の観測圏の外でおこっていることがよく分かって中々面白いですね。わたしの観測圏の中に入っていない、おいしいうどん・ラーメン屋さんがまだまだたくさんあると思いますので、茅場町・水天宮近辺の美味しいうどん・ラーメン屋さんがあったらぜひ教えて下さい!!
ではでは、今日はこの辺で。
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