ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

大手上場企業に就職したい人に教えたい就活の裏ワザ

こんばんは。

街を歩いていると、この糞暑い中、リクルートスーツを来た若い子達をちらほらと見かけます。ピチピチのリクルートスーツエロいなあ、眼福眼福などと思いながら、そういや自分も6〜7年前はあんな感じだったのかなあと、ふと思いを過去に巡らせます。

ちなみに、学生時代に使っていた就活メモ(こんなものも消さない限り残り続けるからDropboxって凄いですよね)を見ると、真面目に選考に参加していたものもそうでないものも含めると、約30社くらい受けて最終的に内定を貰ったのは3社でした。

内訳は、

  • 某勘◯奉◯で有名な会計パッケージ屋さん
  • 富◯通系列の中堅中小に強いと評判のSIerさん
  • S◯P/ERP、中でも生産系に強く自社パッケージも作っているコンサル屋さん

の3社から頂きました。結局、コンサル屋さんに就職して『なんちゃって原価コンサル』をやらせて貰い、かれこれ6年目です。

 

そういや、随分と選考のスケジュールが変わったようですね。

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(就活スケジュール - YouTube より引用)

ただ、わたしたちのときもそうでしたが、就職活動はエントリーやリクルーター面談など、常に『公表されているスケジュール』より前倒しで進みますので、早め早めに動くにこしたことは有りません。

当たり前のことですが、就職活動なんて初めてのことなので、何もかも手探りでした。その中で、『これは使える』と思い、色々な会社を受験する際に使っていたちょっとした裏技があります。

就職してから随分と経ちますが、やっぱりそれなりに有効だと思いますので、こっそりお伝えしたいと思います。

新卒採用ページよりも見るべきところ

 例えばあなたが、『本田技研工業』に就職したいとしますね。そうすると、会社のホームページのどこを見ますか?

『そりゃあ、新卒採用のページに決まってるだろう?』と思われると思います。

勿論、このページは『読んでいることが大前提』ですので、熟読して損はありません。ただ、それだけじゃ2つの意味で不十分なんです。

1つめは、『みんなが読んでいるから差別化にならない』。ここに書いてあることを読み込んで、企業分析をしたところで他の人も既に知っている情報ですので、余り差別化になりません。

もう1つは、『こういったページはあくまで人事の目線で書かれていること』。採用ページって、どうしても人事担当者のアピールしたい勤務条件や福利厚生なんかを中心になってくるんですね。こういった情報だけだと、二次面接以降の現場のメンバーやマネージャーと話をする時『もっと会社のことについて話し合いたいのに、働き方のことについてばっかりだな、こいつ』と、話が噛み合わなくなってくるんですね。

じゃあ、どこを見るべきかというと、それは

投資家向け情報

です。

投資家向け情報の読み方

『いやいや、投資なんて難しくてわかんないよ』という声も聞こえてきそうですが、『投資家向け情報』は多種多様な個人株主や機関投資家に対して、会社の状況を短時間でシンプルに説明するための資料です。なので、ごく一般的な大学生であれば、難なく読むことは出来ます。また、上場企業であればほぼ間違いなく公開しています。

では、今回は例として本田技研工業の投資家向け情報をもとに、『就活生の読むべきポイント』について読み解いていきましょう。

最初に探すべきは『アニュアルレポート』です。『アニュアルレポート』とは、投資家向けに作られた正式な資料である『財務諸表』をその会社の視点でポイントをまとめたものです。

『アニュアルレポート』は、通常『投資家向け情報』や『IR資料』といったページの中にあります。会社によっては『事業説明資料』など別の名前になっていることもありますのでご注意ください。

アニュアルレポートの中でも、就活生の読むべきポイントは3つ。

  1. トップメッセージ
  2. セグメント別情報
  3. 売上・利益などの推移情報

です。では、それぞれの『読み方』について確認していきましょう。

●トップメッセージ

大抵のアニュアルレポートには、社長や会長といったトップの方の『こういう事業に取り組みたい』『こういう会社にしたい』というメッセージが載せられています。また、事業全体の規模としては小さくとも『今後こういった分野に注力していきたい』という想いも載せられているケースが多々有ります。

本田技研工業の場合、『ASIMO』や『技術は人のために』という言葉を絡めながら、『御社の目指されている◯◯という方向性に共感し』とか『◯◯にも注力していることを知り』などと、志望動機から最終面接まで汎用的に使えます

●セグメント別情報

セグメント別情報とは、事業や地域ごとの事業の状況を集計した情報です。本田技研工業の場合、売上高ベースでみて

  • 四輪事業 ・・・ 77.5%
  • 二輪事業 ・・・ 14.0%
  • 金融サービス事業 ・・・ 5.9%
  • 汎用パワープロダクツ事業及びその他の事業 ・・・ 2.6%

となっています。本田技研工業といえば、個人的にはバイクのイメージが強い会社ですが、実際には四輪車のボリュームが圧倒的に大きいんですね。

まずはセグメント情報を抑えて『自分がやりたいと思っている事業』が、その社内において『どれぐらいのポジションなのか?』は抑えて置いたほうがいいと思います。そうしないと、面接の時に『君、バイクが大好きなのはわかったけど、四輪車のほうに行く可能性が高いと思うよ?それでもうちに来る?』なんていう風に言われかねませんね。

●売上・利益などの推移情報

最後に、財務指標についてもざっと目を通しておきましょう。細かい金額についてまでは確認する必要は有りませんが、『会社が全体としてどこを向いているのか?』については抑えておいたほうがいいですね。

例えば、本田技研工業の場合、北米・欧州の売上の伸び率は20%を超えていますが、アジアについては、15%。これが、予期した結果かそうでないのかはさておき、『今後市場として重点を置いていくのはどこか?』ということは、就職した後のキャリアプランにも影響してくる重要なポイントですね。

 もっと時間のない人向けの方法

エントリーした企業の数が増えてくると『本命』以外の会社まで、IRを読み解く時間が惜しくなってきますね。そんな時は、『四季報』を読みましょう。

就活生であれば、『就活四季報』は一度くらい読んだことがあると思います。 

就職四季報 2016年版

就職四季報 2016年版

 

 こっちじゃなくて、投資家向けの本物の四季報ですね。

会社四季報 2015年 3集夏号 [雑誌]

会社四季報 2015年 3集夏号 [雑誌]

 

 IRほど豊富では有りませんが、色々なデータや『四季報記者』の読み解いた会社分析が掲載されています。ただ、はっきりいって、こいつを持ち歩くのは難儀な話です。しかし、心配はご無用、証券会社の口座さえ持っていれば、無料で閲覧することが出来ます

ではでは、皆様の就職活動のお役に立てば幸いです。

追記

続編書きました。