ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

結婚は大学進学よりも難しい?

こんにちは。

6月といえばジューンブライド、結婚式のシーズンですね。この『6月の花嫁は幸せになれる』という言い伝えは、6月の降水量の少ないヨーロッパで『結婚式するなら晴れとるほうがええやろ』的なところから生み出された話のようです。日本では真逆に11月の連休シーズンあたりが良さそうな気はするのですが、この季節になると、やはり『結婚』を意識してしまいますね。

さて、『幼なじみ婚』と人口動態を無理やり結びつけた投稿をしてみました。

折角いろいろ調べてみたので、もう少し『イマドキの若者の恋愛と結婚』について掘り下げてみたいと思います。

結婚は大学進学よりも難しい?

 今年で、0浪0留の学部卒で入社してから6年目になります。20人いた同期の中には、院卒の方など、年上の人も結構な割合でいるので、平均29歳か30歳くらいだと思います。そのうち結婚したのは7人。これって、世の中一般的にはどうなのか、調べてみました。

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(若年層の結婚観〜未婚化・晩婚化の一方で若者たちは結婚を望んでいる | シンクタンクならニッセイ基礎研究所 より引用)

だいたい、20代の『若者』についていうと、男性で3割、女性でも4割しか結婚をしていないようですね。とすると、うちの同期は割りと一般的なサンプルみたいですね。

多分、同年代の『肌感覚』でいうと、何の不思議も無いのですが、つい30年くらい前の自分たちの親世代の時代(1980年)には、男性でも5割、女性に至っては7割以上の人が既に20代で結婚していました。また、その年代の『生涯未婚率』は男性も女性も5%未満だったのですが、今や男性では20%も超える大きな比率となっています。親たちから『まだ結婚しないの?』と言われるのは、こういったジェネレーションギャップもあるかもしれません。

 

さて、同じニッセイ基礎研究所さんの作っている資料でこんなものも見つけました。

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(第43回 減少する大学進学率 52.2%(2010)→50.8%(2013)〜学位に依存しない社会の到来?〜 | 日本生命保険相互会社 より引用)

今の若い世代の大学進学率は、だいたい50%くらいですね。これを見てしまうと、20代での結婚は大学に行くことよりも難しそうですねえ。さすがに、生涯未婚率は大学進学率を上回っていますが、このグラフの傾向をみると、10年後、20年後には・・・なんてことを考えてしまいます。

みんな結婚したくなくなったの?

じゃあ、20代若者は、結婚に興味をなくしたのでしょうか?全然そんなこと有りません。

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(2014年 20〜40代の恋愛と結婚(第8回 結婚・出産に関する調査より) | アンケート調査 | 調査研究・情報発信 | 明治安田生活福祉研究所 より引用)

色々と面白いデータが含まれていますね。調査対象は未婚者なのでしょうが、男女ともに7割以上の人が『結婚したい』と思っているみたいですね。実際に、女性は4割もの人が婚活までしているらしいので、気合はいってますね。その一方で気になるのは、20代男性の『恋人が居る 22%』『交際経験なし 40%』でしょうか。確かに、身の回りの同級生では、もう少しマシな気もしますが、まあそんなものかもしれません。

さて、こういったグラフを出すと、希望と現実の年収ギャップについて触れられますが、どうもそういったものもどうでも良くなりつつあるみたいです。

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(平成25年版厚生労働白書 −若者の意識を探る− (本文)|厚生労働省 より引用)

男女ともに、死ぬまで独身生活を続けるくらいならハードルは下げる傾向が高まってきているようです。まあ、『理想は?』と聞かれたら、そりゃ少し高めに行ってしまいますが、『足切り条件ですか?』といわれるとちょっと違うんでしょうね。

というか、収入うんぬん以前に、男女の出会いが成立していないのが問題のように思われます。

結婚したいなら、相手は学生時代のうちに見つけなさい

これらの調査を見ると『結婚したいけど結婚できない』『そもそも男女交際すら無い』『というか、異性と交際した経験すらない』という現実が見えてきます。まさに、一億総非モテ化現象。どこから歯車は狂ってしまったのでしょうか?

そもそも、どうしてみんな恋人が出来ないんでしょうね。一応、本人たちの認識を聞いてみましょう。

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(ブライダル総研リサーチニュース| ブライダル総研: 『恋愛観調査2014』発表! より引用)

でたー、出会いが無いってやつだー!

まあそりゃあ、いい出会いがあれば、多少性格に問題あったとしても、収入が低くとも、下位の問題全部解決できるじゃん(笑)と。

それはさておき、こういったことを書くと『きっとみんな働きすぎて恋愛なんて出来ないんだよ・・・』という声が聞こえてきそうですが、果たしてそうなのでしょうか?

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 (高知県労働局発表資料 より引用)

なんやかんやで、男性については長時間労働が是正されつつ有ります。注目のポイントは、女性の20代でしょうね。パートでの従業員や、比較的残業の少ない『一般職』から、『総合職』『技術職』などのキャリア社員への置き換えが進んだ結果か、60時間以上の長時間労働の比率が伸びています。

これと併せて、既婚者の『出会いのきっかけ』を見てみましょう。

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こうやってグラフにしてみると、『職場や仕事で』が大きく減少し、『友人・兄弟姉妹を通じて』『学校で』の伸びが目立って見えますね。

やはり、社会にでると一日の大半を過ごすのは職場になりますので、仕事を通じた出会いは重要になります。しかし、職場における若者の数そのものが減っていたり、今までは時間的に余裕のある事務部門に配属されていた女性も第一線に出ていたりで、とても『デートに誘う』感じではなくなっているのかもしれませんね。

また、『いい旦那さんを見つけて寿退社』なんていうモデルも、女性が『少なくとも子供が生まれるまではバリキャリ』という働き方に切り替わりつつある以上、結婚後も同僚、場合によって『上司部下』として働き続ける可能性も高まっています。職場恋愛・結婚するにはちょっと気まずい感じですね。

これを見ると、やはり『結婚したいなら学生のうちから動いておけ』は正しいようにみえます。

晩婚化の罠

『社会人で出会いが少ないのはわかったけど、何も学生のうちから頑張らなくてもねえ(^_^;) だって、晩婚化しているんでしょ?』という声も聞こえてきそうですが、厚生労働省のまとめた資料をみると、あわせて面白い数値がついてきています。

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(第14回出生動向基本調査/国立社会保障・人口問題研究所 より)

確かに、『晩婚化』は事実なのですが、『平均交際期間』も長期化しているため、『平均出会い年齢』で見ると、そこまで高齢化していません。女性の恋愛結婚の『平均出会い年齢』は最新値で23.6歳。大学在学中か、入社3年目くらいには、もう相手は決まっているということでしょうか。『平均初婚年齢が28歳だから、25超えても全然余裕♪』なんてことにはならないわけですね。

そういえば、交際期間10年の同棲カップルの漫画が人気になりましたね。

喰う寝るふたり 住むふたり  1(ゼノンコミックス)

喰う寝るふたり 住むふたり 1(ゼノンコミックス)

 

わざわざ結婚なんて面倒臭いなあというところもあるのかもしれませんが、社会が不安定な分、本当に一緒に子供を作って育てて行ける相手なのか見極めて、子供が欲しくなったら結婚しよう、というのが多くのカップルの本音かもしれないですね。

なんにせよ、結婚している人は、長期間交際しているので、初婚年齢だけ見て安心していると、行き遅れてしまいます』ということを統計が語っているような気がします。

 

ではでは、今日はこのへんで。

追記

学生時代を思い出したところで、ついでに就活の話も書いてみました。もしよろしければ是非!