こんにちは、らくからちゃです。
時価総額のちいさな『小型株』への投資を、日々の楽しみにしております。
もともと取引高の余り大きくない銘柄が多いので、ブログの記事がバズるが如く、ときたまもの凄い勢いで株価が上昇することがあります。ここ最近では、カピパラさんに逢いたくて優待狙いで購入した伊豆シャボテンリゾート(6819)が、141円→245円の+72.5%となりました。
伊豆半島がジオパークとして認定されるのでは?という目測のもと株価が徐々に上がってきていたのですが、昨日、見事に世界ジオパークへ認定されたことが報道されました!!
やったぜ!!
— らくからちゃ (@lacucaracha) 2018年4月17日
ジオパーク認定あざーずლ(´ڡ`ლ) pic.twitter.com/y7GPeyzcDg
それ自体は大変めでたいことなのですが、株の世界では昔から『思惑で買って事実で売れ』と言われています。実際に認定されたのはいいけど、果たしてこれからどういう風になっていくのか?優待狙いだったけど、もしかして売ったほうが良い?自分なりに考えてみたのでまとめてみます。
なお既存株主というバリバリの利害関係者目線の記事ですので、その辺はご理解の上読んでいただければ幸いです。
世界ジオパーク認定って何?
まずは今回認定された『世界ジオパーク』って、そもそもなに?ってところから振り返ってみましょう。
ユネスコの「世界ジオパーク」は地球の成り立ちを知るうえで世界的に貴重な地形や地質がある地域を認定するもので、これまで民間の団体が審査をしていましたが、3年前からユネスコの正式な事業となっています。
認定理由について、ユネスコは、伊豆半島がプレートの沈み込みの影響で活火山がつらなった地形が集まる世界でも唯一の地域で、およそ1キロにわたる大規模な横ずれが見つかっている丹那断層で行われている研究は、世界の活断層研究を主導してきたとしています。
ユネスコの「世界ジオパーク」には日本から北海道の洞爺湖有珠山や新潟県の糸魚川地域など、これまでに8つの地域が認定されていますがユネスコの正式な事業になってから認定されるのは伊豆半島が初めてとなります。
主に、地質学的に価値のある地形で、それが良く学べるエリアをユネスコが認定する制度みたいですね。日本国内では、今回の伊豆に加えて下記9地域が認定されています。
- 洞爺湖有珠山ジオパーク - 2009年8月
- 糸魚川ジオパーク - 2009年8月
- 島原半島ジオパーク - 2009年8月
- 山陰海岸ジオパーク - 2010年10月
- 室戸ジオパーク - 2011年9月
- 隠岐ジオパーク - 2013年9月
- 阿蘇ジオパーク - 2014年9月
- アポイ岳ジオパーク - 2015年9月
- 伊豆半島ジオパーク- 2018年4月
『世界自然遺産』と比べると、教育や観光的な価値も含め、そこそこ規模の大きな地域全体を指定するようなイメージでしょうか。
これとは別に、日本ジオパークネットワークが認定する『日本ジオパーク』というものもあり、43地域が加盟しています。こちらはあくまで国内団体の認証ですが、世界ジオパークとなるとユネスコを通して、世界中に『伊豆半島』の名前が伝えられるようになるので、その宣伝効果は段違いでしょう。
世界ジオパーク認定って凄いの?
で次に、伊豆半島が世界ジオパークに認定されたことが、どれくらいの価値があるのかについて考えてみましょう。
いままでに認定されてきた8つの地域は、交通アクセスがやや微妙で、ジオパーク認定されたことへの効果も、良くわかりませんでした。一方、伊豆半島は首都圏からも近く、2−3時間程度でアクセスできるのが魅力です。
下記グラフは静岡県全体が対象ではありますが、伊豆エリアも、近年着実に観光交流客数は増加しています。
(出典:平成28年度 静岡県観光交流の動向)
要因として
- 首都圏の人口拡大
- 首都圏からのアクセスの改善
- 働き方改革などを通した余暇への出費増
- 特に子育て世代を中心とした個人旅行にマッチした観光資源の多さ
- 富士山などの観光資源に対する外国人の注目増加
などなどが考えられますが、いま観光地として非常に注目されるエリアであることは間違いないでしょう。またGW前のこのタイミングですので、報道各社もワイドショーなどでも大きく報じるでしょうから、そのインパクトは大きいかもしれませんね。
伊豆シャボテンリゾートへの影響は?
じゃあ最後に、この件で『伊豆シャボテンリゾートにはどれくらいのインパクトがあるの?』という点についても考えてみましょう。
短期的な株価の動きについては予想が難しく、なんとも言えないのですが、中長期的に経営成績に与える影響については、ある程度予想をしてみるのも面白いでしょう。
この会社の財務の特徴的な点は、売上が増えても費用はたいして増えない固定の重さにあります。売上の増加率以上に、利益が増加しやすい会社です。まあそりゃそうですよね。広告宣伝費や償却費など、来場者数が増えたところで、連動しない要素のほうが多いですもんね。
過去の売上高の傾向を眺めていると、数値は比較的ざっくりですが、
- 売上が1割増加=利益が2倍増加=PERは半分へ
- 売上が2割増加=利益が3倍増加=PERは1/3へ
などと予想をすることもできます。
現在のPERは、約17倍とやや高めの水準ではあります。ただ適正値が12倍から15倍くらいと考えてみても、この内容がどこまで織り込まれているのか?中長期的にどうなっていくのか?については十分検討しても良い水準であるように思えます。
今回のジオパーク認定は、一過性のイベントとは異なり、持続性のある内容です。また『東京』『富士山』など、世界的に注目度の高い観光地と組み合わせて提案がし易い地域であり、世界全体に発信される世界ジオパーク認定の効果は限定的なものとは言えないと思います。
大規模な社員旅行の受け入れで成長してきた温泉地や、一時的なスキー・ゴルフブームなどで成長してきたエリアと比べると『自然』という普遍的な価値は観光資源としても非常に魅力的です。
今後の動向も、しっかりウォッチしていきたいなあと思います。
ではでは、今日はこのへんで。