こんにちは、らくからちゃです。
日々通販サイトに支えられて生活しています。切らしたくない買い置きの商品は、定期おトク便に入れておけば、送料無料+15%オフで毎月忘れず届けて貰えるので大変便利ですし、お米やペットボトル飲料など大変重たいものでも苦労して運ぶ必要がありません。
ただ個人的にも『ちょっと使いすぎだよね〜』という感覚はあります。ヤマトのお兄さんは、妻と同僚を除けば、一番よく会う他人のような気がします。最近、通販サイトの取扱量急増に伴い現場がパンク状態で偉いことになっているという記事を良く読みますがその一因は私です(;´Д`)。
今週の東洋経済にも特集がありましたが、こりゃあ中々エグいですなあ。
週刊東洋経済 2017年3/4号 [雑誌](物流が壊れる アマゾンの大奔流にヤマトも悲鳴)
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2017/02/27
- メディア: 雑誌
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物流業界の現状についてかなり細かく分析されています。この問題に興味のある方には是非ご一読頂きたいのですが、中でも特に『すげえ・・・』と思ったのが『宅配ドライバーはつらいよ』というコーナー。
モンスター化する客に対して苦労する現場ドライバーの声がまとめられていたのですが、これはキツい・・・と思いつつも、なるほどなあと思わざるをえない現状が非常によくまとまっています。
宅配ロッカーの功罪
最近は、至る所にタワーマンションが増えました。一度に同じ箇所に運べて便利なのかな?と思えば、これが結構大変なんだそうですね。
セキュリティ対策でいちいち玄関まで戻らないといけない
最近のマンションって、エントランスホールのインターホンでオートロックを解除してもらったあと、セキュリティ対策のため解除して貰った家のあるフロアにしかエレベーターが止まらないところもあるんですって。
そうすると、同じマンションの中で、届け先が複数ある場合、いちいちエントランスまで戻らないといけないんだとか。いくらなんでもこりゃ酷い。
圧倒的に宅配ロッカーが足りず朝から取り合い
また最近のタワーマンションには、宅配ロッカーは標準装備になりつつありますが、世帯数に対して圧倒的に数が足りてないところが多いらしいんですね。1000世帯に対して100個なんて例も少なくありません。その結果、朝の時間帯に業者間で宅配ロッカーを巡る取り合いまで起こっているのだとか。
一週間入れっぱなし&子供のランドセル置き場に使われる
これだけ数が少ないにもかかわらず、
- 土日に届けたゴルフバッグが一週間入れっぱなし
- 子供が家までランドセルを置きに帰るのを面倒臭がって置き場に使う
なんて例もあるんだとか。ルールで取り締まれる内容ではないので、もはやモラルの問題になりますが、誰が使っているのかなども見える化していかないと、完全に利用者の良心に任されている現状。
居留守が使われロッカーを使わないと怒られる
でまあ女性の方とかは、身だしなみを整えてない状態で他人と会うのを嫌がる人も多いわけじゃないですか。そこで届けに行っても、家に居るのに居留守を使われる。で、宅配ロッカーはこんな状況で使えないので不在票をいれて持ち帰ると『なんで持ち帰ったんだ』と理不尽な怒りの刃が向けられる。
本当は、戸別の利用実績をあつめてマンションの理事会で話し合うべき課題が、何故か怒りを向けやすい(?)宅配業者に向いちゃうんですよね。
端的に言って、これはエグい。
オープン型宅配ロッカー"PUDO"爆誕
で圧倒的に不足する宅配ロッカーの現状をなんとかしようと立ち上がったのが業界の盟主ヤマト運輸。足りてねえならこっちが作ってやらぁ!との意気込みでPUDOという新しい宅配ロッカーの会社を仏ネオポスト社の子会社と立ち上げちゃいました。ここ最近、我が家の近所にも何件か設置されましたが、皆様はご利用されましたでしょうか?
使い方はこんな感じ。
- 商品購入時または再配達依頼時に受取場所に近所のロッカーを指定
- パスワードを入力しタッチ操作で署名
以上!簡単でしょう?受取にあたって、追加費用などは発生しません。なお保管期限は3日間程だそうです(結構短い・・・)。
似たような仕組みとして、コンビニ受取などのサービスはありました。ただ受取用バーコードを印刷しなきゃいけなかったり(最近はメールにバーコードがついてるものもありますすけど)レジに並ぶ必要もあったり、結構面倒だった記憶があります。また受取の際には本名でのサインが必要なので、普段よく行く店員さんに名前を知られるのもちょっと・・・と敬遠していたひとも多かったのではないでしょうか。
それが自販機でジュースを買うくらいの感覚になれば、利用者もかなり増えるんじゃないでしょうか?
またこのサービス、いまはヤマトでしか使えませんが、複数の会社で共通のプラットフォームとして利用されることを想定しています。
Amazonや楽天で頼んだ商品は、配送業者がヤマトなら、伝票番号を打ち込めば、受取先をPUDOに変更出来ます。その他の配送業者にも広がれば、まさに自宅の宅配ロッカー代わりに利用することが出来ます。
欲を言えば、住所の代わりにユーザーIDを入力しておけば、勝手にいつも自分のよく使うロッカーに放り込んでおいて貰えるのが一番の理想ですかねえ。そうなれば住所や氏名などの個人情報をECサイト側に渡す必要がなくなりプライバシーを気にする人も安心ですね。
ビッグデータで効率的に仕組みを作るしかけ
あとこのPUDOに関する資料を見ていて面白かったのが、次にロッカーを配置する場所を、ヤマトの持っている
- 配達個数
- 再配達率
- エリア特性
などなどから分析して配置を決定しているんだそうです。
(出典:ヤマトホールディングス発表資料)
こういったデータを活用していけば、ただ宅配ロッカーとして使うだけでなく、マーケティングにも活用していくことが出来るような気がしますね。また受取時間帯についてもしっかりと分析されています。再配達の終わる夜中にしか受け取れない場合や、いちいち土日に待っていたくない時に良く利用されているみたいですね。
(出典:ヤマトホールディングス発表資料)
このサービス、やるのであればもっと気合を入れて取り組んだほうが良いような気がします。うかうかすると、Amazonが似たようなこと仕掛けてくるんじゃねーの?と思うんですね。
プライムNOWは24時まで受取時間を指定できるそうですが、Amazonがその気になれば、24時間Amazon商品の受取が出来るAmazonロッカーを作ることもできちゃう気がします。購地域の特性を分析すれば予め在庫を積んでおくことも出来るかもしれませんし、配送が安全に出来るのであればあの鬱陶しい箱を簡素化することもできちゃうかもしれませんな。
それはそれで便利でいいと思うのですが、これ以上Amazonにインフラを握られてしまうのはあんまり気持ちのよいものではありませんので、各社とも皆様早めに動いたほうがいいと思いますよ。
ではでは、今日はこのへんで。