ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

お金の奴隷になるな。鼻セレブになれ。


こんにちは、らくからちゃです。

なんだかTwitterのタイムラインを眺めていると、キングコング西野さんという方が話題になっているようですねえ。

芸能関係はさっぱりなので『あのシュッとした感じのお兄さん、絵本なんかやっとったんや。』くらいにしか興味は有りませんし『デジタル版は無料かー、絵本なら現物を手にとってみたいからデジタルなんて価値はたいして無いもんね。』としか思っていませんでしたが、いろいろと盛り上がってきて、個人的にもワクワクしてきました。

個人的に面白かったのがこちらの一連のまとめ。

経済活動が貨幣をもとに実現されていくから経済は成長するのであって、それを無料化してしまうとそのサイクルが止まってしまう!!デフレスパイラル!!みたいな感じでしょうか。

ところで"「無料公開」によって市場が崩壊する理由を解説したイラスト"がTwitter上に無料で公開されてしまっている件には、笑う所?なぜか『いらすとや』が巻き添えを食らっているのも面白いのですが、Googleでお金を払わず検索するだけでも怒られてしまうのでしょうか。

ところで最近『安売りによる価格破壊は市場を崩壊させてみんな幸せになれないぞ!ダンピングはダメ絶対!』みたいな話をよく耳にする気がします。思えば、晴れて合衆国大統領になられたトランプ氏も、似たようなことをTweetしてた気がします。(ちょっと違うけど)

でも消費者からすれば無料になるのは有り難い話ですよねー。それに正常な競争の結果ならば従わないとだめなんじゃないのん?さてどこまでが市場競争で、どこからがダンピングなんでしょう。

ダンピングって何がだめなの?

 不当廉売、いわゆるダンピング行為は独占禁止法に規定されたれっきとした犯罪行為です。

独占禁止法第2条第9項第3号

正当な理由がないのに,商品又は役務をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給することであつて,他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあるもの

何故法律で禁止されているのかというと独占を産むからです。 独占は何故だめなのか。別に『ズルいから』ってわけじゃないんだよね。

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(出典:Monopoly - Wikipedia)

市場が一社独占状態になると、独占企業は好きに価格を設定できます。色々説明は省略しますが、その結果商品の値段が高くなりすぎて買えなかったひとの分だけ社会全体の満足が減少します(いわゆる死荷重)。

体力のある企業が、採算割れを覚悟で競争相手を排除すれば、独占状態に持っていくことが可能できちゃう。これが不当廉売。じゃあ何が不当廉売に該当するのかは、下記に『考え方』としてまとめられています。

不当廉売に該当する条件は、

  1. 価格
  2. 継続性

の二点、つまり『その値段で安定して供給できんの?』ということで判断されますが、文中にもあるように『事業者が自らの企業努力又は正常な競争過程を反映した価格設定を行うことは妨げられていない。』ということです。

つまり平均の10倍のスピードで仕事が出来るスーパー凄い人が、1/10の価格で商品を販売したとしても、なんら問題はありません。

むしろ『ちょっと先輩、それじゃ俺ら食えねえっす。俺らにも飯が食える金額で商売して貰えませんか?』なんて言えば、不当に価格を吊り上げていることになり、『価格カルテル』という名の独占禁止法違反になる気がします。

大事なのはお金を払ってでも欲しい何かを作ること

自分が採算割れしない範囲であれば値段はどれだけ下げても少なくとも法律上怒られることはありません。前掲のTogetterのイラストの中で『他の稼ぎがあるから無料に出来る』が正しいのであれば問題ですけどね。

ここでのポイントは『なんでタダじゃないの!!ケチ!!』なんてやり取りの部分でしょう。つくり手さんにとっては、随分と横暴な言い分に聞こえるかもしれませんが、ある種これも『価格交渉』です。

買い手が掛かるコストなどを全く理解してくれないという嘆きの声も良く聞きますが、きっと売り手が買い手の予算だのなんだのに興味が無いのと同じくらい、買い手側も売り手側の事情に興味がありません。興味があるのは、金額と品質と納期です。

お互いに条件を言い合って、折り合いがつかないなら、さよならバイバイすれば良いだけです。他所様が無料で高品質ならば、そちらでお買上げ頂ければ良いでしょう。

大事なのはお金を払ってでも欲しい何かを作ることです。

あくまで『よそはよそ、うちはうち』で価格を上回る価値を出していけばいいんです。他の商品を買うための費用が浮いた分、原資はあるわけなので、チャンスだ!頑張れ!

鼻セレブになれ

とはいえ、インターネットを介して全世界がひとつになっていく中、果たしてどうやって生き延びていけばいいのでしょうか。無料の何かと勝負なんて出来ます?

『スーパーすごい人』と真っ向から対決していく必要があります。価格競争になってしまうと、売り手もお金にペースを握られた『お金の奴隷』では勝負になりません。

そんな生き馬の目を抜く時代・・・。

どうやって生き延びるのか・・・。

そのヒントがここにあります!!!

これです!!!

 

ネピア 鼻セレブ ポケットティッシュ 24枚入 16個

うん。鼻セレブ。

よく考えて下さい。ポケットティッシュなんて、駅前に行けば、いくらでも無料で配っています。にも関わらず、コンビニで4個入りくらいが100円で売られております。

すごくね?鼻セレブ。

いや結構真面目な話でして、この鼻セレブの戦略って普通にお仕事をする上でもすごく参考になると思うんですよね。よくマーケティングの4Pなんて言う言い方をしますけど、この鼻セレブに関しては

  1. Product  ・・・ただのティッシュじゃない保湿性ティッシュ
  2. Place   ・・・必要なときにすぐに入手できるコンビニ
  3. Promotion・・・『鼻セレブ』という分かりやすいネーミング
  4. Price   ・・・それなりに良いお値段を実現

と捉えることが出来ます。何故、ティッシュなんて無料で配られているのに勝てたのか?を考えていきますと、まず『保湿性ティッシュ』という製品としての付加価値があります。

でもそれだけじゃだめなんですよね。

その価値を分かりやすく訴求する『鼻セレブ』というネーミングと可愛らしい動物のデザイン。そこに至った経緯について、過去の東洋経済に記事がありましたので引用致します。

保湿ティッシュは化粧落としや赤ちゃんの世話にも使えるが、調査では、「もったいないから鼻をかむときにしか使わない」という消費者の姿が浮かび上がっていた。
 「それなら鼻に特化してはどうか。年齢や性別でターゲットを絞るのではなく、鼻用のティッシュというコンセプトにしました。ネーミングは、ノーズ、ハナハナなどの案も出ましたが、漢字の鼻がわかりやすかった」
 「セレブ」という言葉がはやり始めていたので、高級感を表すために「鼻セレブ」とした。社内で発表したときはみんなが固まったが、押し通した。

2006/1/21号:見える化超入門 70~70ページ 1321文字

『鼻をかむ時に使って欲しい』と製品の価値をしっかり訴求するとともに『セレブ』というキーワードで高級感も盛り込み『ただのポケットティッシュにはない良さ』をしっかりアピールすることに成功しました。

そしてこの鼻セレブ、同社の保湿ティッシュの市場シェアを4倍に拡大することに成功します。

きっとこのネーミングでなければ手に取らなかった人も多かったでしょう。鼻セレブは、しっかり価値を打ち出し、それを伝えて『お金を出しても買いたくなる』商品となりました。

つまり、

  • 消費者にとって価値のある差別化できる商品をつくる
  • それをしっかり価値があるものとして認識させる

そうすりゃ、周りが安売りに走ったとしても生き残る可能性が上がりますし、世の中から必要とされる存在になれます。

市場を創れ

同じような事例は案外少なく有りません。

『お茶なんて家で入れればいいじゃん』と言われていた時代もありましたが、いまやペットボトルのお茶はコンビニでの定番商品の一つです。ちょっと毛色は違いますが、ラインのスタンプなんかも似た事例かもしれません。

経済は『今までお金を払おうと思ったことが無かったものに対してお金を払うこと』で成長を続けてきました。こういった事例は、下記の本に詳しいのですが、大企業だけでなく中小企業でも日々起きています。

社会をより良くするために必要なことは、常に新たな製品やサービスを生み出し、『お金を払ってもほしい物』を作り続けることです。下記の記事でも書きましたが、大事なのは『価値』をきちんと理解してもらうことです。

ではそのために我々が出来ることは何か。金額の過多だけで判断する『お金の奴隷』にならず、目の前の商品の価値をきちんと見つめ、よいものならば積極的に取り入れて『鼻セレブ』になることではないでしょうか!!そうすれば、作り手さんたちももっと面白いものを作り出してくれるはずです。

みんなでセレブを目指しましょう!!

ではでは、今日はこのへんで。