ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

成人式の服装に関するエトセトラ 〜振袖高すぎじゃね問題〜


新成人の皆さん、成人式おめでとうございます!!

気づけば成人式を迎えてから、10年ほど経ってしまいましたが、最近の若者のほうがよっぽど真面目で将来のこともしっかり考えているんじゃないのかなあなんて思っているオジサンでございます。

さて今日は、全国で成人式が行われるそうですが、例年の如く『荒れる新成人』なんて特集がテレビで行われるんじゃないでしょうか。今年も早速、活きのいい若いのが何かしでかしたそうです。

テレビを見ても、『まともでない服装』をした若者は非常に良く取り上げられます。テレビ的にもウケがいいんでしょうね。ただ、オジサン的にちょーっと気になるのは、むしろ大多数の『まともな服装』をした若者のほうなんですね。

成人式の歴史

 そもそもこの『成人式』ってイベントは、それほど歴史の長いものではありません。始まりは、第2次世界大戦が終わってすぐの1946年。埼玉県は蕨市で、戦後すぐの混乱でみんなが意気消沈している中、将来を担う若者たちを応援しようとして行われたのが始まりなんだとか。

それが『おー、いいじゃん!』と全国的に普及をし、1949年に1月15日が『成人の日』として制定され全国化を果たします。それが2000年からは1月の第二月曜日の変動祝日になりました。

ですので、実はそんなに由緒正しいものでもないんですね。1月15日というのも、『旧暦で最初の満月の小正月である1月15日に元服の儀式をやっていたというところに由来する』なんて書いたものも見つけましたが、天皇は1月1日から5日の間の縁起の良い日を選んで行ったなんて話しもありますので、あんまり厳密な話ではなさそうです。そもそも元服、20歳じゃないし。

とそれはさておき、昔の成人式ってどんな感じだったのかな?と思ってGoogle先生に質問してみると、過去の色んな成人式の写真が出てきました。

古いものから順番に見ていきましょうか。

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(出典:GO! GO! 嵐山 3 : 古い写真 成人式記念写真 1956年)

まずは一枚目。1956年のものですので、随分『成人式初期』の写真ですね。目を凝らしてみてもあまり判別が付きませんが、女性の参加者は少なかったのかな?

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(出典:昭和29年から38年 - 名張市役所)

二枚目がこちら。ほぼ同じ時期の1955年の写真ですね。まだこちらのほうが女子率も高そうですけど、みんな割りと地味な感じ。

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(出典:滝沢市 「滝沢の歩み」(通史・普及版)の作成について)

三枚目がこちら。1964年のものになりますが、なんだかトンデモなく地味な感じです。それもそのはずで、この時期は国を挙げて冠婚葬祭の簡素化をしていこう!という新生活運動が盛んだった時期で、それにあわせて成人式も華美になりすぎないようにしていたのだとか。

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(出典:GO! GO! 嵐山 3 : 古い写真 嵐山町成人式 1970年1月)

四枚目がこちら。1970年のものになりますが、随分と華やかな感じになりました。だいぶ今の成人式に近づいてきた感じですね〜。

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(出典:その19 『成人式を振り返ります-後編(1)』)

五枚目がこちら。1977年のものにりますが、随分とヘアスタイルにも気合が入ってきた・・・というか舞妓さんみたいですね(;´Д`) 

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(出典:平成29年 成人式開催のお知らせ|イベント|羽咋市)

最後がこちら。直近2016年ものですね。真ん中の方に活きの良い若者が何名かいらっしゃいますが、割りと見覚えのある感じの成人式(笑)。女性の和服も艶やかですね。

 何が成人式の正しい服装か?

もともと、それほど歴史の深いものではありませんので、年々その様式が確立されてきたというか、段々とゴージャスになってきた成人式ですが、だいたい衣装にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

男性については、大学生ならば入学式用に用意したスーツで問題ないですし、なかったとしても今後のために一着くらい用意しておいても使う機会は少なくないでしょう。

一方、問題は女性。写真を見ても分かる通り最近の成人式は、振袖が標準装備です。買うとなると、どんなに安いものでも30万円くらいしちゃいますし、現代人のライフスタイルの中では、結婚式くらいでしか縁のない代物です。更に諸々の小物類も必要になりますしね。

じゃあレンタルなら安くつくのか?といえば、需要がほぼ1年間のうち1日だけに集中してしまうこともあり、メイクや写真撮影なども含めて20万円くらいは普通にかかるのだとか。

いやー、高くね?

ここ最近、子育て世帯の収入はきれいに下落し、ピーク時より100万円近く減少しています。

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(出典:国民生活状況の基礎調査)

その結果、当たり前っちゃあ当たり前なのですが、全子育て世帯の67.4%が生活状況を苦しいと答える状況。更に、ひとり親は厳しく、年々所得は減少し、直近では手取り所得で246.6万円しかないんですよね。

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(出典:子育て世帯全国調査結果速報)

はっきりいってこの状況で、年収の1割近くを出さなきゃいけないのは相当苦しい。ところが、この『成人式』に対する位置づけって、どんどん高まってきているような気もします。

全国のデータがなかったため、岩手県のデータとなりますが、成人式の参加率は8割を超えているんだとか。

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(出典:まなびネットいわて)

始まってすぐの頃は、特にこれといったカタチがなかったため、準備できる範囲で一番の晴れ着で参加していたものが、段々と過去に積み重ねてきたものが儀礼化・形式化してきた。それとともに、役場がやってるお祝い会から人生の一大イベントへの移り変わってきた結果、今に至る。って感じでしょうか。

こうなってしまうと、若い娘のいる親たちも失敗しないように、大枚をはたいて娘を晴れ着で送り出さざるを得ない。

でも本当にこれでいいのだろうか?とも思います。

子育て世帯の中には、爪に火を灯すような生活をしているところも多く、いくらハレの日であったとしても、その一日のためだけに多額の費用を掛けられない家庭も多いでしょう。

また準備にも非常に時間がかかる。良い物をレンタルしたければ1年前からでも遅すぎる、なんて声もあるみたいだし、美容院の予約だって混み合っちゃうので早め早めに動かないと行けない。こういった準備について、ちゃんと情報を得られる環境であればいいけれど、そうでないと更に費用がかかるケースもあるよね。

"保育園の第一志望受かったけどやっぱり日本死ね"って記事を思い出す。

大声で騒いだり、暴力は良くないけど、服装なんて何だっていいじゃない。それこそ、スーパーに行くような服装だって十分じゃないんだろうか。過去には、周囲の服装が華美すぎて参加できない若者が出ることを防ぐためにも、簡素化運動が行われていたという話もあります。写真だけは別の日に撮影して、当日は動きやすい服装で、くらいでいいのかもしれない。(参考:成人式の歴史)

是非マスコミ各社には、派手で絵になる『まともでない服装』の若者よりも、社会の木鐸であると思うのならば、その場に来ることのできなかった若者にこそ目を向けて欲しいんですね。

大人になるということ

この流れ、就職活動におけるリクルートスーツの変遷にも似ているような気がするんですね。

いまでこそ黒以外は殆ど目にしなくなった『リクルートスーツ』ですが、かつては実に色とりどりでカラフルなものでした。それが次第に、まるで最初から決まっていたかのように同じような黒一色になってしまったのはここ最近のことだそうな。

世の中には、様々な目には見えないルールがあります。

勿論、そうしたほうがいいからそうなっているものも有りますが、中には誰が考えても不合理なものも少なくありません。また法律で決まったルールがあっても、実態は異なる状態がルール化しているものも多くあります。

例えば、昨年話題になった『待機児童の問題』や『長時間労働の問題』なんてまさにそうです。しかし長らく変わることがないと思われてきたこれらの問題も、近年解決に向けての動きがあります。

それは、声を上げ始めるひとが出てきたからです。

今日多くの式典で、大人になることの責任とか自覚とかそんな話が行われると思います。話を聞くと、何もかも自分の力で解決しなきゃいけないのだろうか?と思われてしまうかもしれません。んなこたーない。これは文字を大にして主張したいのですが、

大人になるということは、助けを求められること

だと思います。困った時、苦しい時に、誰かが気がついてくれることを期待したり、自分ひとりで解決しようとするのは子供のすることです。

例えば、目の前で急に苦しそうにして倒れた人がいるとしましょう。

その時にあなたがまず真っ先にすべきことは『おい、誰か手伝ってくれ!』と大声で叫ぶことです。その後、みんなで安全な場所に倒れた人を移し、119番に連絡をし、AEDを探しに行けばいい。

それが自分のことであれ、他人のことであれ、一人じゃどうしようもない事態になったときに、見て見ぬふりをして先送りせず、率先して声をあげていくのが大人の責任です。勿論、"やり方"は大事ですが、この国には沢山の人が居ます。問題を見つけるところまでが、あなたの仕事。問題を解決するのは、みんなですればいい。

新成人の皆さんは、これからの人生、山あり谷あり、辛いことも苦しいこともあるかと思いますが、ぜひ人を頼ることも覚えて、希望に満ちた門出となることを祈念し、オッサンからの祝いの言葉とさせて頂きます。

 

らくからちゃ