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ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

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東京都の最低賃金をご存知ですか?

経済・社会


こんばんは。

GWも明け、そろそろ皆様も新生活に慣れてきた頃でしょうか?少し前の話ですが、津田沼駅から茅場町駅へと通勤している途中、面白いものを見かけました。

津田沼駅(千葉県)

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大手町駅(東京都)

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えらい違いますね!

津田沼から大手町まで、電車で30分もかからない距離ですが、金額で90円、比率いうと10%以上違います。私が、神戸でアルバイトしてきていた頃を思い出すと、『何だかなあ』と思う金額ですね。

ちなみに、最も低いのは沖縄県等の677円。財産だけでなく、家族も会社も失った人も多い、被災地福島は689円でした。(地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省)

東京は物価が高い?

最低賃金が、地域によってここまで違うのは何故でしょうか?その根拠となるのは、最低賃金法の下記の項目です。

第9条
(第1項)賃金の低廉な労働者について、賃金の最低額を保障するため、地域別最低賃金(一定の地域ごとの最低賃金をいう。以下同じ。)は、あまねく全国各地域について決定されなければならない。
(第2項)地域別最低賃金は、地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考慮して定められなければならない。
(第3項)前項の労働者の生計費を考慮するに当たつては、労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。

 なるほど。地域別の生活費に併せて最低賃金を調整せよということでしょうか。じゃあ、どれくらいの違いがあるのでしょうか?総務省発表の消費者物価地域差指数の概況(http://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/chiiki/pdf/chiiki.pdf)で調べてみました。

 

そこまで変わんねーじゃん!

だいたい、6%差でしょうか。10%もの違いは無いですね。そもそもAmazonで買えばどこでも同じ値段ですし、コンビニの商品も商品そのものは地域差は有りませんね(商品構成に違いはあるかもしれませんが)。何より、今や生活費の中で大きなウェイトを占める『通信費』が全国同じようなものなので、結局どこに住んでも生活費に大きな違いは無いんじゃないでしょうか。

意外なのは、『確実に高い』と思っていた家賃についても、そこまで大きな差はないんですね。

だいたいにおいて、奥多摩から小笠原まで、同じものとして考えるのは無理があるんじゃないかなあと思うところです。

最低賃金は誰が決める?

じゃあここまでくれば気になるのは『誰が、どういうふうに決めてるんだ?』というところですね。

pc.saiteichingin.info

最低賃金は、最低賃金審議会(公益代表、労働者代表、使用者代表の各同数の委員で構成)において、賃金の実態調査結果など各種統計資料を十分に参考にしながら審議を行い決定しています

 うーん。学者さん・労組代表・社長さんたちで決めるようですね。その結果については、国の官僚が承認してルールとして決まるようです。これを見る限り、各都道府県の議員さんや知事さんの関知する余地は無さそうですね・・・。

日本は中間層に甘い国?

そもそも、『地域差』自体、中々意味が分からない制度ですね。よく言う、『主婦の103万円の壁』(扶養控除から外れる範囲)などの諸制度は、全国共通なわけですので、『東京都の主婦は、地方の主婦より働く必要はない』あるいは『物価の地域差は扶養控除に反映されない』などという『びみょーな状態』になってしまいます。でしたら、気持よく『全国共通』で、議論もしやすくするのが良いのではないでしょうか。

そもそも、最低賃金にせよ生活保護にせよ、日本は低所得者層のケアに注がれる政治的パワーが弱いような気がします。今まで行われてきた政策を上げてみましょう。

いずれも、支出が出来るだけのお金を持っている、中間層にはメリットのある制度でしたが、最低賃金すれすれで働いている人にとっては、ほとんどメリットのない制度でした。(高校無償化子ども手当ぐらいでしょうか。)

『貰えるかどうか怪しい』と喧伝されている年金ですら、厚生年金を払える人は国費から大量の支援を得ることが出来、国民年金しか払えない人それなり・・・、非常に大きな格差を持った制度です。

最低賃金で差をつけるよりは、例えば会社の負担する雇用保険の保険料を

個人的には、最低賃金くらいは、全国一律で分かりやすく見える化するか、と都道府県知事に決定権を与え、選挙の時に議論してもらうくらいはあってもいいのかも、と思う次第です。(別々にすることで、労働者側の議論を分散させるような狙いを持っているような気さえしますが・・・。)

最低賃金ターゲットを設定しよう

原油の価格が値下がりしたため達成できなかったと、黒田さんが随分悔しそうな顔をしていましたが、そもそも『インフレ率』を政策目標にする理由がよくわかりません。少なくとも、学術的にそれが正しかったとしても、なぜ政治的にそれが目標になるのでしょう。

確かに、物の値段が上がり、企業が積極的に投資を始めれば、景気は上向くかもしれません。でも、それで賃金が上がるなんて誰が保証出来るのでしょうか?また、総理がお願いして回るのでしょうか?

だったら、『段階的に最低賃金上げていきます』と宣言したほうが、消費性向の高い低所得者層の購買意欲をかきたてて良いのではないでしょうか?

勿論、『最低賃金あげたら雇えない』『海外に雇用が流出する』なんて話が出てくるのは違いないでしょう。でも、そういったハードルを乗り換える方策もセットで考えていけば良いのではないでしょうか。そもそも、国民全体の生産性を上げていくためには、生産性が低く、海外に移転可能な仕事は、どんどん移していくべきでしょう。

本来、政策的に給与水準にアクセスしたいのであれば、最低賃金を利用するのが筋です。総理の『お願い』は、結局もまた、『都市部』『大企業』『正社員』の3点セットにしか効かなかったのではないでしょうか?

金は天下の回りものといいますが、より円滑に回していくために、日本全体での最低賃金水準のより一層の向上を願いたいものです。