こんにちは、らくからちゃです。
早いものでもう2月です。そろそろ各社から3Qの決算報告が出始める時期になりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。株価は落ち込んだりもしたけど、私は元気です。(´;ω;`)
とまあ、ひとまず私のクソ株コレクションは置いておいて、ここ最近『ZOZOTOWN』を運営するスタートトゥデイの業績が好調の模様です。
同社のビジネスモデルは、自社サイト上で衣料品の委託販売を行い、売れた分から手数料を徴収するという仕組みです。よって利益の源泉となるトップラインは、売上の一段上の『取扱高』になりますが、前年同期比+38.3%とエゲツない成長ぶりです。
(出典:スタートトゥデイ社 2016 3Q決算説明資料)
この結果も背景に、営業利益も3Q累計ベースで+64%と躍進を続けています。
(出典:スタートトゥデイ社 2016 3Q決算説明資料)
これほど大きな成果をあげた要因となりうるここ最近のトピックスとして、『ツケ払い』サービスの開始があげられます。
これがどれくらいのインパクトがあったのかについて見てみたいと思います。
ツケ払いサービスの概要
そもそもこの『ツケ払い』なるサービスはどういったものなのか確認しましょう。いわゆる飲み屋さんなんかで行なうことの出来る『ツケ』をイメージした名称になっていますが、商品代金の後払いが出来て、その支払期限が2ヶ月後までというだけの話です。
ぶっちゃけ、ほぼ2ヶ月後に口座から引き落とされるクレジットカード一括払いと大差は有りません。なお同社の決済方法を比較すると下記の通りとなります。
支払手段 | 手数料 | 期限 |
---|---|---|
クレジットカード | 無料 | 一括で約2ヶ月 |
コンビニ決済 | 324円 | 事前 |
代金引換 | 324円 | その場 |
クロネコ代金後払い | 324円 | 14日 |
ツケ払い | 324円 | 2ヶ月 |
LINEPay | 無料 | 即時 |
ギフトカード | 無料 | 即時 |
クレジットカードを持っていない人にとっては、同じ手数料が掛かるなら、支払期限の長いツケ払いは悪くない選択肢です。LINE Payもコンビニでチャージ出来て無料なので、そっちを使ったほうが良くない・・・?とも思わなくもないのですが、予想以上に普及してないですしねぇ。。。
ツケ払いはどれだけ使われた?
さて気になるのがこの『ツケ払い』。どれくらい使われたのでしょうか。同社の決算短信を見ますと、売掛金が112億円から248億円へと100億円近く増加しています。
(出典:スタートトゥデイ社 2016 3Q決算説明短信)
『ツケ払い』サービスは、GMOペイメントゲートウェイ社の提供する『GMO後払い』の仕組みを利用しています。同社のGMO後払いに関する資産も、ちょうど100億円ほど増加しております。
(出典:GMOPG社 2016 3Q決算説明資料)
売掛金にはその他の決済方法のものも含まれるでしょうし、GMO後払いだってZOZOTOWN専用サービスではありませんが、ピタリと一致するのが興味深いところですね。この額は、まだ未回収の金額でしかなく『どれくらい使われたか』を予想出来る数値ではありませんが、数十億単位の額が『ツケ払い』で支払われたものと思われます。
勿論これが全てではないでしょうけど、ZOZOTOWNの好業績の背景に『支払手段の追加』という、ごくちょっとした物があったとするのであれば面白い結果ですね。
まだまだファイナンスに出来ることはある?
ただこれ、普段クレジットカードを頻繁に使っている人からすると、わざわざ手数料を払ってまで後払いにするのは何だか不思議な感じもするんじゃないでしょうか。ところが総務省の調査結果によると、代金引換やコンビニ支払いなどを利用している人も少なく有りません。
(出典:平成 26 年通信利用動向調査の結果)
いまや一人一枚が当たり前か?と思われるくらいに普及したクレジットカードですが、20台の若者世代での保有率は高くありません。特に同社を多く利用するであろう学生の比率はかなり低いのではないでしょうか。
(出典:【クレジットカードに関する総合調査】 2015年度版 調査結果レポート)
そんな彼らが選択したのが、コンビニ前払いでもLINE Payでもなく、『ツケ払い』というのがまた興味深いですね。
なおこのサービスが成立している要因として、最大与信限度額が約5万円というのも大きそうですね。額は小さいと言え、これもれっきとした『ファイナンス』ですし、随分泥臭い感じもしますが『フィンテック』です。
マイナス金利にしてもお金を使ってもらえず、もはや金融資本主義は死んだかのようなご時世ですが、ちゃんと購買意欲のあるところに信用創造をした結果、経済が回っていくのを見ると、まだまだファイナンスの力で経済を底上げすることも出来るのかもしれませんね。
ではでは、今日はこのへんで。