ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

普通の人の貯金はどれくらいあるのか

こんにちは、らくからちゃです

『誰か間違えて100万円くらい振り込んでくれてねえかなー』と思いながら預金口座を眺めていますが、一向にその気配はありません。がっかりです。

日々、減ったり減ったりしていく銀行残高を眺めていると、みんなだいたいどれくらい持ってんのよこれ、と思いまして、色々と調べてみましたのでまとめておきます。

平均的な貯蓄高について

まずはざっくり、世帯別の貯蓄高についてみておきましょう。

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(出典:家計調査報告(貯蓄・負債編)平成28(2016)

同調査結果上の貯蓄高には、株や生命保険の残高なども含まれます。貯蓄高を平均計算をすると、超富裕層が計算結果を引き上げてしまうため、中央値などを用いたほうが、『普通の結果』になりやすい傾向にあります。

また家計に関する調査は、個人単位で行うものと世帯単位で行うものがあります、今回のデータについては、世帯単位のデータであり、夫婦共働きであれば二人分の合算額のデータとなります。

さてその前提でまとめたデータを見るとこんな感じ

  • 平均額 1,820万円
  • 中央値 1,064万円(貯蓄ゼロ含まない)
  • 中央値 996万円(貯蓄ゼロ含む)

貯蓄ゼロ世帯を含むか含まないかで分けているのは、『貯蓄額の調査なのに、そもそも貯蓄がない人も含むの?』ってところから来ているのかなあと思うのですが、それほど大きな差はありませんね。

データを眺めていると貯蓄高100万円未満の世帯が10.5%ほどである一方、4000万円以上が12.6%となっているのも興味深いですね。

年齢別の貯蓄高について

でもこういうのって、高齢者世帯とかの影響が大きいんじゃないの?と個人的なツッコミが聞こえて来たので、年齢別かつ勤労世帯だけで抽出してみました。まずは、それぞれの年齢別・世帯別の貯蓄高についてです。

  上位80-100% 上位60-80% 上位40-60% 上位20-40% 上位20%
20代(20-29) 14万円 80万円 166万円 279万円 975万円
30代(30-39) 39万円 192万円 391万円 686万円 1,757万円
40代(40-49) 77万円 335万円 668万円 1,182万円 2,938万円
50代(50-59) 110万円 486万円 1,042万円 1,931万円 4,913万円
60代(60-69) 118万円 624万円 1,355万円 2,527万円 5,969万円

(出典:家計調査 第8-13表 貯蓄・純貯蓄現在高五分位階級,世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高 より)

それぞれの年代で、順位を上位から20%ずつに分け、その中でとった平均額がこんな感じ。上位40-60%の値が、ちょっと違いますが中央値に近いイメージですかねー。

  • 20代で100万円
  • 30代で400万円
  • 40台で700万円
  • 50台で1000万円
  • 60台で1300万円

ちょうど300万円ずつ、年間で30万円ずつ貯金を増やしていくのが日本の標準的な世帯像なのかな?上位20-40%のアッパーミドル層の動きも面白いですね。

  • 20台で300万円
  • 30代で700万円
  • 40台で1,100万円
  • 50台で1,900万円
  • 60台で2,500万円

50台で一気にジャンプして増える感じですな。このあたりの年代は、所得格差も一番大きな年齢層だからかな?

年齢別の純資産高について

あと、いくら貯蓄が多くとも、借金もたくさんあればそれってどうなのよ?って感じがしますよね。というわけで次は、負債分を差し引いた純資産額で整理してみました。

  上位80-100% 上位60-80% 上位40-60% 上位20-40% 上位20%
20代(20-29) -2,024万円 -49万円 82万円 212万円 822万円
30代(30-39) -2,891万円 -1,571万円 -264万円 257万円 1,369万円
40代(40-49) -2,297万円 -861万円 41万円 605万円 2,499万円
50代(50-59) -1,427万円 71万円 689万円 1,669万円 4,604万円
60代(60-69) -335万円 421万円 1,216万円 2,444万円 5,892万円

(出典:家計調査 第8-13表 貯蓄・純貯蓄現在高五分位階級,世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高 より)

これを見ると

  • 20台で頭金を貯めて
  • 30代でローンを組んで
  • 40代でローンを(実質的に)払い終えて
  • 50代で貯金を増やして
  • 60台で老後に備える

みたいな感じなんですかね??このへんの値は、持ち家か賃貸かで変わってくると思いますが、標準的なシナリオとしてはそんな感じでしょうか。

資産運用方法について

最後に面白いデータがありました。

貯蓄の残高・構成比の推移を分析したデータですが、圧倒的に大きいのは定期貯金。貯蓄から投資へと喧伝されて随分と立ちますが、未だに有価証券の保有高は、定期預金の半分。それどころか普通預金にすら負けています。

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(出典:家計調査報告(貯蓄・負債編)平成28(2016)

さらに面白かったのが、実質的に有価証券は、ほとんど貯蓄高上位20%の層しか持っていないといっても良いくらいの状況です。

  上位80-100% 上位60-80% 上位40-60% 上位20-40% 上位20%
普通預金 38万円 129万円 240万円 377万円 910万円
定期預金 14万円 89万円 214万円 462万円 1416万円
生命保険等 12万円 81万円 185万円 395万円 898万円
有価証券 1万円 9万円 34万円 86万円 613万円
合計 65万円 308万円 673万円 1320万円 3837万円

(出典:家計調査 第8-13表 貯蓄・純貯蓄現在高五分位階級,世帯主の年齢階級別貯蓄及び負債の1世帯当たり現在高 より)

ある程度は予想していましたが、まさかここまで・・・特に普通預金を下回る結果になったのは個人的にも驚きです。人それぞれの人生ですので、みんながみんな投資に興味を持つべき!なんてふうには思いませんが、NISAやiDeCoなどの話を日々目にしていると、ここまで温度差があるものなのか、というのはちょっと驚きです。

まずは、資産運用の方法に悩むくらいの蓄えが欲しいもんですな('A`)

ではでは、今日はこのへんで。

続編 

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