こんにちは、らくからちゃです。
先日、我が家に親友(自称)のヒトデくんがやって来ました。
なんか大規模なオフ会に参加するとのことで、その後一宿一飯が欲しいとのこと。つもる話も色々としつつ、なかなか楽しい時間を過ごすことが出来ました。
彼とは主に、Twitterで連絡を取っていました。オフ会当日、名前が『メディアクリエイター』になっていて、『こいつ、どんだけ持ち上げられて天狗になってきてん(笑)』と思わず微笑ましい気持ちになりましたが、なんだか流行っているのでしょうか?
オフ会の様子は、色んな所で書かれていますが、何やらと面白おかしい会だったようですね。わたしは人見知りするほうなので、規模の大きなオフ会はぼっちになることが多くてあんまり好きじゃありません(笑)。でも逆に、少人数でも話をつなぐのに気づかれしちゃいますし、やっぱりオフ会の最適規模は6人くらいじゃないのかなーと思う今日このごろです。
と、それはさておき、前回こんな記事を書かせて頂きました。
読者登録数を片っ端から調べるプログラムを書いて、結果を掲載するというただの力技なのですが、色んなひとに見て頂いたようで、ありがとうございます。記事を作成する途中で、ブロガー間のフォロー/被フォローの関係が取れましたので、おまけにちょろっとネットワーク図を書いてみましたが、なにやらこちらも結構好評頂けたようで恐縮です。
ただまあ、『ブロガー間の相関図を作ろう!』と思っても、読者登録なんて一回こっきりですので、登録したことすら忘れているときも多々有ります。ですので、あまりこれといって有意義な結果を得られたような気がしません。さて今回は、メディアクリエイター(?)の活動が話題になっているみたいなので、はてなブログのブックマークの関係から、メディアクリエイター間のネットワークについて分析してみたいと思います。
はてなブロガーのネットワーク解析
今回解析を行うデータは下記のとおりです。
- 集計は、2016年1月19日時点。
- 読者登録数が100件以上のブログの、直近100記事を取得。
- 前記100記事に、前記ブログのユーザーつけたブックマークを抽出。
- 取得したデータをGephiにて解析
- Mutual Degree Rangeが3以上、Degree Rangeが10以上
- その他適当に見栄えを整える。
そんで出来た結果がこんな感じ。
ド―――(゚д゚)―――ン!
なお、集計の結果
- ノード数 120
- エッジ数 1,409
- 平均パス長 2.43
- モジュラリティ 0.28
- コミュニティ検出 7
となりました。図の見方ですが、円の大きさが被ブックマーク数を意味します。円の配置は、それぞれの関係を分析した結果により自動配置されています。あと、色はそれぞれ関係性の深いひとたちで構成されたコミュニティ別となっています。
でもこれ、スマホの方、かなり見難いですよね?(笑)。せっかくコミュニティも抽出できたみたいなので、コミュニティごとに詳しくみていきたいと思います。なお、表示上のユーザIDの後ろの数字が、コミュニティ番号になります。
0:日記系コミュニティ(25.83%)
代表ブログ:ミステリーをちゃんと読もう(ページランク:0.014)
日記系のほんわかした日常系な感じのブログがメインのコミュニティ。特にどこかが強いというわけではないが、抽出対象の中では最大勢力。全体的に、ゆるく・ひろく・しっかりつながっている感じですね。
1:ウェーイ系(23.33%)
代表ブログ:今日はヒトデ祭りだぞ!(ページランク:0.016)
わたしも所属しているエリアw 全体的に規模が大きく、バズ常連者多し。オフ会等の参加率も高く、以前から『ウェーイ系』と呼ばれていた面々が中心核。各グログごとのテーマ性は異なるが、コミュニティ内の連携も強い。
6:なかよし系(14.17%)
代表ブログ:非アクティビズム。(ページランク:0.047)
ポジ熊氏、ワロリンスさん等所属。ふんわりゆるっと&マネタイズ大好き系クラスタ。一時期『互助会』として指をさされていた人が多い?コミュニティ内のつながりは強いが、中心エリアからはやや外れている。ツチヤダイスケさんのパワーが非常に大きい。
3:真面目系クラスター(12.5%)
代表ブログ:ビジョンミッション成長ブログ 12.5%)
マネーやらテクノロジーやらに強いブログ群。全体的に真面目なブログ多し。おそらく、直接の交流は少ないが、幅広いテーマを扱っており、各コミュニティ間の接点としての位置づけも強い。
4:ミニマリスト界隈
代表ブログ:ミニマリストは世界を変える!(ページランク 0.05)
いわゆる『ミニマリスト界隈』。全体的に、被ブックマークの規模は小さく、中心エリアからも離れている。構成メンバーは少ないが、閉じたコミュニティとして成立している感がある。
2:分類不明(7.5%)
代表ブログ:日なたと木陰(ページランク:0.005)
わたしが不勉強なのか、あまり良くわからなかったクラスター。こんなところにも深い交流があったりするのだろうか・・・。
ほっこり系(6.67%)
代表ブログ:じゃじゃ嫁日記(ページランク:0.021)
イラストや料理など、ほっこりした話題を扱っている。おそらく相互に直接の接点は少ないのだが、読者層が共通しているためか、クラスターとして認識されたものと思われる。
ブロガーコミュニティについて思うこと
さて、こうやって分類をかけてみると、結構面白い結果が見えてきました。思った以上に、それぞれのクラスターごとに綺麗に分離できたような気がします。この図は、相互のネットワークの状況から判断して作られるので、直接的に接点がなくとも、読者層が共通するなど、間接的につながっている可能性があります。
今回のネットワーク解析は、ブロガー同士のブックマークの関連性をもとに行いました。はてなブロガーとブックマークの関係性については、よく『互助会問題』が話題に上がります。明確な定義があるわけではないと思うのですが、皆様の共通認識を上げるとこんな感じでしょうか?
- お小遣い稼ぎ大好き
- たいして中身の無い薄っぺらい記事を書く
- その記事に薄っぺらい相互にブクマをつける
- その結果たいした内容でもないのにホッテントリに上がる
- アクセス数が増えて、お小遣いも増える
- その喜びの声が再びホッテントリに上がる
- 超うざい
返報性の原理という幻想
今回の分析でも、比較的コミュニティ化の高いエリアがいくつか見られましたが、こういった『互助会』は、明示的に『ブックマークつけあおうぜ!』と同盟を組んでいる例よりも、自然発生的に発生しているケースのほうが多いのかな?というのが個人的な感想です。
互助会の自然発生を説明する中で、よく『返報性の原理』という言葉が利用されます。簡単に言うと、『ブックマークを貰ったからブックマークをつけかえそうという動作で発生するのではないか?』という説明ですね。
あるレベルまでは返報性の原理というもので説明がつくのですが、実際にそれでホットエントリーが作れるのか?というと中々難しい問題が有ります。
はてなブックマークでは、ブックマークを3つ集めると、新着エントリーに掲載され、その後一定数以上ブックマークが集まると人気エントリーに掲載され、その後更に人気のある物がホットエントリーとして掲載されます。その辺の仕組みはこの辺りにまとめておきましたので、よろしければ是非!
実際に、ブックマークをつけてもらう為に、ブックマークをしたとしても、無言ブックマークなど、印象に残らない方法だと、そこから『ブックマーク返し』につなげて貰うのは難しい。特に、ある程度ブックマーク数のある運営者だとなおさらです。
また、なんとかブックマーク返しをして貰えたとしましょう。でも、ホットエントリー等に上がるためには、記事投稿時のタイミングに合わせてブックマークしてもらう必要があるため、かなりの母数が必要になります。
互助会の闇は浅い
また、運良く人気エントリーやホットエントリーに掲載されたとしても、ある程度はアクセス数のある運営者からみたら、たいしたPVにはならないんですね。最近だと、ホットエントリーに掲載されたとしても、順位が下の方であれば、いいとこ3000PVくらいでしょうか。
はてなブックマークで『バズ』というだけのレベルのPVを稼ぐためには、ホッテントリのてっぺん、ブックマーク数では、最低でも300位は欲しいところですが、それだけの数を稼ごうとすると、互助会だけで稼ぐのは困難です。互助会は、入り口を通過するまでの『入場証』を発行してくれますが、『はてなブックマーク』というシステムの中で評価されるかどうかは、書き手の才能にかかってくる側面が多くなります。
また、人気エントリーやホットエントリーの下の方は、よっぽど熱心にはてなをチェックしている人でなければ、ほとんどスルーされるレベルなのに、そこのノイズを気にするのは、なんというかはてな中毒同士の同じ穴のムジナ感がします。
利用するにせよ、批判するにせよ、『互助会』なるものは、その記事の内容の浅さと同じくらい、その闇も浅いものです。むしろ、はてブ欲しさにくだらない炎上芸に磨きをかけるほうが、よっぽど闇は深いんじゃないかなあと思うところですね。。。
ブックマークはどう使うべきか問題
本来、ブックマークはただの『しおり』にしか過ぎません。自分用のメモを残すなり、次に見に来る人の為の補足情報を付け加えておくなり、著者の方への感謝の気持ちを伝えるなり。そこに何を書き残しておくのかは、各種法令に反しない限りは自由であるはずです。ぺたぺた張り合うのも、星連打するのも、手斧投げてみるのも勝手にしやがれこんちくしょうです。
ただそれを、一律に数だけで評価し、ランキングを作成する現在のホットエントリーの仕組みがいろいろとややこしい話を生み出している気がするんですね。
以前私が書いた記事から抜粋させていただくと、いわゆる『はてなのユーザー』は、大雑把に3つのタイプに分けて考えることができると思います。
まず、やたらはてなに熱いはてな村民。彼らは、ブックマークをコメントによるSNSのように使っている節があります。また、コメントにスターが貰えると何だか嬉しいようです。またユーザーのお気に入り登録数も多いため、彼らがブックマークしたことを起点にやってくる人もいるかもしれません。
次に、ブックマーカー。純粋にはてなブックマークを『ブックマーク』として使っている層ですね。あくまで自分用なので、コメント欄は空白か文中の一部引用が多いみたいですね。あと、丁寧にタグを付けてくださることも多いです。
最後に、はてなブロガー。同じはてなブログを使っている人同士で、ブックマークを感想欄のように扱う層です。別名互助会。読者登録などを通して、一番最初に反応する層ですが、案外『自分に興味のないもの』への反応は薄く、言うべきことがなければ星だけつけていくというケースも多く見られます。
はてな村民は、面白いコメントのつけないブックマーカーやはてなブロガーをあまり良い風に思っていませんが、同様にブックマーカーやはてなブロガーも『身内ネタ』や『増田』で盛り上がるはてな村民を『なんやこれ?』と思っている節も感じられます。まあなんにせよ、様々なタイプの利用者がいることを念頭にいれるべきです。
結局、ホットエントリーという仕組みは『あなたが見たい記事を見せるための仕組みではなくて、みんなが見たい記事を見せる仕組み』でしかないんですね。そしてその『みんな』を構成するメンバーが変われば、自ずとその内容も変わってきます。
ホットエントリーの今後
はてなが営利企業であるかぎり、ユーザー数の拡大を目指すのは自然なことです。結果として、ユーザーが求めるものは常に変化します。ただし、成長のためには、はてなの『求心力』となるユーザコミュニティの品質が維持する必要もあります。
はてなブックマークの場合、その求心力の源泉が『ホットエントリー』でした。ごく少数の記事にトラフィックとコメントを集中させ、コミュニティの賑わいを作り出す。そしてその賑わいをもとに、新規のユーザーを獲得する。そうして着実に、ユーザーとデータの蓄積を生み出してきました。
いままで『はてな』は、SmartNewsのようにTVCMを行うこともなく、NewsPickerのように著名人を招聘することもありませんでしたが、衰退する各種ウェブサービスを尻目に、なんだかんだでここまでやってくることができました。ながーいお付き合いを大事にする京都商法がうまくいったからでしょうか。
ただ今後、より一層の成長を目指すには、多様なユーザを受け入れる土台を整える必要があるのではないのか?という風に感じています。はっきり言って、いまのはてなにはホットエントリーというお城は小さすぎるんです。
はてなには、各ユーザーのブックマークのデータという非常に価値のある資産を持っています。ホットエントリーは、いまの日次ランキングあたりの位置づけにおいて、トップには最近ブックマークをつけた記事の特性からおすすめの記事を紹介する仕組みなど、「ひとりひとりのはてな」を強化していく必要があるんじゃないかなあと思います。
マイホットエントリーでもいいのですが、せっかくなのでブックマークデータも解析して、ユーザやタグの関係から『まだ話題になっていないけれど、きっとあなたにぴったりの情報を提供する仕組み』はもっと作れるんじゃないかなあと思うんですね。例えば、おすすめの商品を出して見てもいいでしょうし、アンケート事業を立ち上げて調査の属性などとして活用してみても面白そうですね。これだけ豊富なデータがあるのであれば、もっと積極的に活用していけばいいのに・・・と思ってしまいます。
さて今回は、ユーザ間のブックマークからソーシャルネットワークを解析してみました。こういったソーシャルネットワークの分析は、学生時代にちょろっとかじらせて頂いていたのですが、参考になりそうな書籍を下記のページにの一番下の方にまとめさせて頂きました。
一番読みやすいのはこれかな!
- 作者: アルバート・ラズロ・バラバシ,青木薫
- 出版社/メーカー: NHK出版
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ではでは、今日はこの辺で。