ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

無料の牛丼ごときに目くじらを立てるのに人生をムダに浪費し続ける『社畜』の知能問題

ソフトバンクがばら撒いた牛丼配給券で大変なことになっているようですね。

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今日は吉野家で食って帰ろうかなーと思っていた方や、巻き込まれた近隣住民の皆様には、心からお悔やみ申し上げます。でもなんかさー、

  • 牛丼が無料なくらいで何時間も並ぶなんてばっかじゃねーの
  • その牛丼のコストが通信料金に反映されてないのが分からないなんて憐れ

みたいな意見を言っているひとをみると、『なんか違くね?』と思うんですわ。

君の行動にムダはないのか

『吉野家の牛丼並盛りは一杯380円。それを無料でゲットするため1時間近くも並ぶのかよ。お前さんの時給は380円なのかよ。』みたいな話はよく聞くけど、そういう風に考えてよいのは、自分の好きなタイミングで働ける人だけだという話は以前にも書いた。

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1時間という時間の長さの持つ重みは人によって大きく違うと思う。ただ、1日は24時間で、30日は720時間で、365日は8760時間だということは誰にとっても平等だ。長いスパンから見れば、1時間牛丼のために並ぶことなんて誤差に過ぎない。

それよりもっと、ムダにしている時間って無いんだろうか?

例えば通勤時間。弊社はフレックスタイムで10時までに出社すれば良いのと、最寄り駅が始発駅であるため毎日のんびり座って通勤しているんだけども、諸々の都合でラッシュ時の電車というものに載るたびに、あまりの非人道的空間にびっくりしてしまう。まるで圧縮ファイルの中身にでもなったような気分だ。

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 仮に、毎日30分間1ヶ月を20営業日で換算すると、1ヶ月あたり10時間もこの苦行に耐えている計算になる。

牛丼のために1時間並ぶよりも、よっぽどムダではなかろうか?

他にも、つきあいでやったサービス残業。何となく言い出せずに余らせてしまった有給休暇。残業代のでない裁量労働者なら、何の評価にもつながらないのに、毎月惰性で続けている打ち合わせや、客先訪問なんかも自分にとってのプラスにはつながらない。

もう毎月のように何時間も誰のメリットにもならない作業をやり続けているひとと比べりゃ、たかだか1時間程度のムダなら、随分とかわいらしいもんじゃね?トラもハエも叩くつもりでやるんなら良いけど、パーキンソン凡俗の法則よろしく『原子炉の建設計画』より『駐輪場の屋根の色』とか『コーヒーの話題』で盛り上がっているなら、すんげえ残念な話じゃない?

まあどれもこれも簡単な話じゃないわな。

でも、なんとか通勤時間をずらせないのか。職場の近所に引っ越すか、それとも近場の職場に転職するか。その他の無意味にやっている価値のない作業を減らせないか。時間は限りがあるので、そういったところに使えませんかね?と思うんですね。

よその会社の原価を気にしてどうする

あとさ。こういう話が出ると、やたら『そんなムダなものにコストをかけずにもっと安くしろ!』って主張する原価マンが出てくるんだよね。他人の使ったクレジットカードの手数料まで負担したくない、とかさ。

そういう人って、『俺は徒歩で来た。駐車場の料金は負担してないので値下げしろ!!』とか『家で食べるから箸は要らん!!値下げしろ』とか言い始めるのかね。そのうち『アルバイトの時給が高い!!もっと安くしろ』とか言い出すんかね。

で、これも前に書いたけどさ。結局、考えるべきは『自分の支払った金額に対して受け取れるものの価値が妥当なのか』だけじゃない?

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別に利用している通信会社が、アホみたいなキャンペーンをしようと、社員がガッツリ給料を貰おうと、経営が継続できるかぎり直接関係のない話ですわ。その結果サービスレベルが落ちたなら乗り換えればいいわけだしね。

だいたい、一杯380円の牛丼配給券をどれくらいの人数が使うか知らんし、どんな契約かは分からんけど、1割が使ったと考えても一人あたり40円程度のコストでしょ。下手に、気づいてもらえない割引なんかをやるより、よっぽど宣伝効果はあると思うし、いちいちユーザーが気に留める話でもなと思うけどなあ。

向かい合うべきはその壁なのか

端から見たら知能が低そうな行動を取るのは、十分に選択肢を知らないから、あるいはそもそも問題自体に気がついていないからってことはあると思う。

牛丼の為に寒空の下に並んで待つのは、もっと価値のある時間の使い方を知らないから。高い料金の通信会社を使い続けるのは、格安SIMでも同じように使えるのを知らないから。

うーん、そうなんだろうか。

確かに知識はあっても、乗り越えられない壁みたいなものは誰しもあるんだと思う。人によってはそれが、わかっていてもできない通信会社の乗り換えかもしれないし、別のひとにとっては、もっと楽しく過ごせる時間を犠牲にしてでも、ダラダラ低賃金で下らない仕事を続けることなんだろう。

その壁の大きさは、取り組むべき課題の規模によっても違うんだろうけども、こんな小さな壁も乗り越えられないのか!と嗤うよりは、自分が乗り越えられていない壁を見つめた方が時間の効率は良いんでねえのかなあ。

格安SIMに乗り換えたところで、節約できるのはせいぜい年間数万円程度でしょう。もっと、でっかい課題は無いの?『いやそれはリスクが・・・』『いろんなしがらみが・・・』って言うかもしれんけど、通信会社の切り替えにだってその大小は違えど同じじゃねえのん?

そうして分かりやすくて乗り越えやすい駐輪場の屋根の色ばかりを『カイゼン』してきた結果が、いまの日本の体たらくなんでしょ?

まー、知能の劣るわたしにとっては、他所様の行動にケチをつけるのもまた愉快なエンタメの一つだけれども、あわせて自分の課題にも向き合って行きたいなあと思う次第でございます。