こんにちは、らくからちゃです。
最近、あぶく銭が手に入ったので、資産運用の見直し中です。実際に動かせる資産が手許にあると、学生時代にファイナンス論の授業ももう少しマジメに聞いてりゃ良かったなあとシミジミ思いますね・・・。
ファイナンスの授業で、まず真っ先に学ぶ言葉は『リスク』と『リターン』。これは、お硬い企業金融やマクロ経済を解き明かすためだけでなく、日常生活においても非常に有用な概念です。
例えば、『ハイリスクハイリターン』という言葉は、よく使いますよね。今日は個人的な復習もかねて、『リスク』と『リターン』についてざっくり整理しておきたいと思います。
どちらの方がお得?
例で考えてみましょう。
あなたは転職活動中のサラリーマンです。仕事内容や給料などが全く同じ4社から、オファーを受けました。4社の中で異なる条件は『ボーナスの金額』だけとします。
各社より提示されたボーナスの最低額と最高額は下記の通り。
- A社:最低20万円・最高60万円・平均40万円
- B社:最低20万円・最高80万円・平均50万円
- C社:最低45万円・最高55万円・平均50万円
- D社:最低30万円・最高80万円・平均55万円
各社とも、この範囲内で偏り無く均等に貰えるみたいです。さて、あなたならどの会社を選びますか?文字だと分かり辛いので、絵にしてみましょうか。
まずA社とB社を比較しましょう。最低額は20万円と同額、最高額はB社が80万円と20万円も高い。この時点でA社は確実に却下です。
じゃあ次にB社とC社を比較してみましょう。受け取れるボーナスの最低額はC社のほうが25万円高い45万円だけど、最高額はC社のほうが25万円安い55万円・・・。この範囲内で均等に受け取れるという前提ですので、平均値が受け取ることの出来る金額の予想額となります。いわゆる期待収益ですな。それぞれの額は、
- B社・・・50万円
- C社・・・50万円
と違いはありません。
『平均値が同じならどちらでも良くない?』
と思う人もいるかもしれません。でも、ちょっと考えてみましょう。会社に行くのに『必ず30分で到着する電車と、25分~35分で到着する電車』があった場合、どちらを選びますか?確実に30分で到着する電車のほうが、予定が立てやすくて良いですよね。
他にも
- 必ず30人分出席する予定の宴会と25人~35人が出席する予定の宴会
- 絶対1000円で売っているお店と、800円~1200円で売っているお店
- 常に100グラム入っている商品と、90グラム~110グラム入っている商品
の場合において、どちらを選びます?
出席者が増えるケースに備えて、座席を余計に取っておかなきゃいけない。お金が余計に係るかもしれないから、余分に準備しなきゃいけない。入っている量が足らないかもしれないなら、念のため多く買っておかなきゃいけない。
このどうなるか分からない不確実なことがリスクです。
不確実性が存在する場合、なんらかのデメリットが生じます。そう考えると、B社とC社を比べたならば、振れ幅の小さいC社のほうが魅力的ですね。
ハイリスク・ハイリターンとリスク・プレミアム
次にC社とD社を比較してみましょう。
期待収益だけで比較すると、C社50万円、D社は55万円です。しかし最低と最高の振れ幅はC社が10万円、D社が50万円もあります。C社はD社にくらべて平均でボーナスが5万円も大きいのは魅力ですが、C社なら最低でも45万円受け取れるのに、D社は30万円の場合もある。
- C社の方が確実性が高い。
- D社の方が期待収益は大きい。
こうなってくると、話は簡単には済まない(笑)。
これくらいなら私ならD社かなーと思うのですが、確実にボーナスが入ってこないと困る人なら、C社を選ぶのかもしれません。もっと極端に120万円か0万円か?だったらどうします?期待収益は60万円ですけど、ボーナスを前提とした買い物は出来ませんね。
この状況を、D社はC社よりも『ハイリスク・ハイリターン』であるといいます。
不確実性(リスク)が高い選択肢は期待収益(リターン)が大きくなければ選ばれる事はありませんので、リターンが大きくなります。このリスクが大きいことによるリターンの差が『リスク・プレミアム』ですね。
リスクとリターンは分けて考えよう
下の図は、A,B,C3つの資産の値動きを示した図です。皆さんなら、どれに投資しますか?
値動きの変動は激しいけどリターンが良いAか、堅実に成長しているBか。選ぶとしたら、この2つのどちらかですよね?ずーっと下がりっぱなしのCを選ぶ人はまずいないと思いますがこの3つの中で、もっともリスクが小さいものは、Cなんですよね。
日常用語はさておき、投資や証券取引の世界では、リスクとは『予測不可能な度合い』の大小です。投資信託であれば、通常、過去の値動きの標準偏差を使って評価します。
もちろん、この3つの中で、最も投資すべきではないのはCです。ただそれは、リスクが大きいからではない。むしろ損をすることが確実だから、リスクは小さい。ここで問題視されているのは、リターンの大小です。
株や宝くじといったギャンブルは、胴元の取り分があるため、通常、期待リターンは支出額を下回ります。一方で株式への投資は、企業が成長している限り、期待リターンは支出額を上回ります。
期待リターンを基準に考えると、ギャンブルは投資よりも『ハイリスク・ローリターン』といえるでしょうね。
じゃあ、リターンだけ見て投資をすればよいのか?と言われればそうではない。必要になる日にちが決まっている資金や、急に引き出す必要が生じる資金は、例えリターンが小さくとも、リスクも小さい運用方法を選ぶ方が良いでしょう。
逆に、不確実性(リスク)を受け入れれば期待収益(リターン)は大きくすることが出来ますので、自分がどこまでリスクを受け入れられるのかをしっかりと踏まえた上で、最大限リターンを高めることが資産運用の基本中の基本ですね。
まあそれがまた難しいわけですが。研究の日々ですね。
ではでは、今日はこのへんで。