こんにちは、らくからちゃです。
先日、インターネットの海をぶらぶらしていたら、こんな記事を見つけました。
日本経済の今後を左右する大事な政策である『マイナス金利』について、良くわからないひと向けに、『5分で読める』記事を書いてくれました!よっしゃー、これで経済オンチの俺も大丈夫だなっ!と思って読んでみたのですが、
字ばっかでよく分かりません(´;ω;`)
読むのに5分もかからさなそうですが、内容はさっぱりです┐(´д`)┌ヤレヤレ。
というわけで、書いてある内容をもう少しわかりやすくするために、イラスト付きの図説にしてみました!( ・∀・)
誰かのお役に経てば幸いでーす\(^o^)/
じゃあ、いっくぞー( ・`д・´)
マイナス金利ってな~に??
皆さん、銀行の口座はどこを使っていますか??日本で有名な銀行といえば、多分こんなところでしょうか。
ところで皆さん、銀行にお金を預けておくと、お金がちょっと貰えるって知っていますか?普段、お給料を受け取ったり、クレジットカードのお金を引き落としたりするためだけに使っているのであれば、あんまり気が付かないかもしれませんね(^_^;)
お金を預かってもらっているのに、ご褒美が貰えて凄いですね!これが『利息』というものです。いくら貰えるのかは、預けているお金の金額に応じて変わります。預けているお金の◯◯%って感じですね。この%が『金利』です。
いま、ニュースになっている『マイナス金利』とは、このお金を預けている時に貰える『ご褒美』の貰える割合がマイナスになってしまうことなのです!_| ̄|○ il||l
ということは、銀行にお金を預けているとお金が減ってしまうってこと!?だとしたら、今すぐお金を下ろしに行かないといけませんよね!
でも大丈夫、今回『マイナス』になるのは、『日本銀行』にあずけているお金の分だけなのです。
ところで皆さんは、日本銀行にどれくらいお金を預けていますか??え、100万円くらい預けてるって?うっそだー(笑)。だって、日本銀行にお金を預けることが出来るのは、『銀行』だけですからね。日本銀行というのは、銀行のお金を預かる『銀行の銀行』なのです!
今までは、銀行が日本銀行にお金を預けると、利息を受取ることが出来ました。これからは、銀行が日本銀行にお金を預けると、逆に利息を支払わなければならない(厳密にいうとそのうち政策残高)ようになります。
これが、『マイナス金利』なのです。
ですので、皆さんが銀行に預けているお金が、勝手に減っていくなんていうことは有りません!
マイナス金利の何が嬉しいの?
でも、これだと銀行が払うお金が増えて、大変じゃない?銀行が日本銀行に払うお金が増えるなら、やっぱりわたし達が貰える金額は減るんじゃない?そう思ったあなた、
鋭いです( ̄ー ̄)ニヤリ
マイナス金利になったあと、有名な銀行では、預けた時に貰える金利がなんと0.02%から0.001%に下がってしまいました。今までの20分の1ですΣ( ̄□ ̄|||) ガビーン!
仮に、銀行に100万円預けていたとして、貰える金額はこうなります。
こうみると、なんだかすっごく損した気分ですよね(´・ω・`)
でも、もともと預けていた金額と並べてみてみるとどうでしょうか?
ほとんど変わりませんね!大事なのは全体で見ること( ・`ω・´)。
数字に騙されてはいけません。わたしたちの生活への影響はほとんど有りません。
えー、でもこれって元から貰える利息が少なすぎちゃったって話じゃないの?と思われるのかもしれません。でも、もう15年くらい、ずーっとこんな感じなのです。
本当は、もう少し利息が貰える世の中のほうがいいと思うのですが、そうならないのは全てデフレが悪いのです。デフレが諸悪の根源なのです!
デフレは何が悪いの?
デフレって言葉もよく聞きますが、そんな難しいこといきなり言われても分からないのが普通なので、安心して下さい。
デフレとは、簡単に言うと、『みんなが貯金をしすぎて景気がどんどん悪くなっていく現象』のことです。
みなさん、貯金はしていますか?遊びにお金を使いすぎず、将来のことをしっかり考えてお金を貯めていくことは素晴らしいこと。そういう風に、皆さんも学校やお家で習ったかと思います。
そのこと自体は間違いでは有りません。でも、みんながみんなお金を余り使わないようになっていったらどうなってしまうのでしょうか・・・。
まず、みんながお金を使わないと、お金が世の中で見る機会が減っていく・・・つまり、『レアキャラ』になります。そうすると、お金の価値が上がりますよね。レアキャラになったのですから、使ってしまうよりも残しておいたほうが価値が有ります。
そうすると、商売が余り儲からなくなってしまいます。儲からないと、今度は銀行からお金を借りる(専門用語でいうと信用創造)動きがなくなって、ますますお金のレア度が上がっていきます。
お金の価値が上がるということは、1円で買えるものの量が増えるということを意味します。そう聞くと、いいことのように思えますよね?
でもその分、みんなが払ってくれるお金が減る分、あなたが受け取るお給料も上がらなくなってしまうのです。。。
どうすべきか、その答えがマイナス金利です!
確かに、利息が多いほうが、お金をつかう人も増えるかもしれません。でも、お給料のほうがもっと大事ですよね。
皆さん、お給料が少なくて困っていませんか??マイナス金利とは、みんながもっとお金をつかうようにして、物価をあげる。そして、みなさんのお給料が上がっていく。そういうことを目指してやっているのです!
その為に、しばらく皆さんには利息は少ない状況に我慢してもらわなければなりません。でも、何も悪いことだけじゃないんですよ。
確かに、金利を下げると銀行にあずけているお金から貰える利息は減ってしまいます。ですが逆に言うと、お金を借りたい人にとっては払わなきゃいけないお金が減って有り難いんですね。
これは、家のローンを組む時によく使われる『フラット35』でお金を借りた場合の金利の推移です。
(出典:金利1%で総支払額は900万円も変わる!?超低金利時代のマンション購入)
5年で、1%くらい下がっていますね。1%と聞くと、大したことのない数字に見えますが、4000万円のマンションを35年ローンで買うとすると、この1%で生まれる利息の差はなんと・・・
900万円以上!(@_@)
これだけ安くなるんだったら、お家を買ってもいいかな、なんていう風に思うひとも増えますよねヽ(=´▽`=)ノ
ここがちょっと難しいのですが、支払う金額が減るのは、利息として払う部分。利息を払わずに済むなら、家そのものにかけるお金は増やそうと思う人も多いですよね。実際に、住宅の価格はここしばらく上昇に転じています。
(出典:2015年住宅市場を占う~都心マンション市場を中心に予測する | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト)
何だか、『マイナス』って聞くとイメージが良くないですよね・・・。でもこれは、『デフレという悪者』を倒すには必要不可欠な手段なのです。マイナスイオンみたいなものです。プラズマクラスターです。そして、日本の将来が明るくなるために、必要不可欠なことなのです。
実際に、日本の企業の収益は過去最高を達成することが出来そうです。
(出典:東証1部企業、過去最高益の見通し 中間決算集計:朝日新聞デジタル)
中には、もう十分物価は上がったのでは?なんていう人もいるかもしれません。でもこれは、やっと10年前の水準に戻ったということでしかないのです・・・。
まずは、もう少しマイナス金利にして、みんながお金をつかうようにする。そして、景気を良くする。そうすれば、利息もまた増えます。
まだまだ日本には景気の回復が足りません。さあ、皆さんもご一緒に
マイナスパワーでプラスのチカラを生み出そう!!
・・・とまあ、悪ふざけはこの辺にしておきますか。
おまけ
先日掲載された日銀の『5分で読める』は中々ファンタスティックな感じでしたね(笑)。世の中には本当に『マイナスと聞くとそれどけで不安を感じる』層が居るのは事実なので、こういったアピールをしていくことは重要だと思います。
でもそういった層は、スクロール無しに目に入る範囲に画像がひとつも無いと、見るのを放棄してしまう傾向もあるので、とりあえずやっつけで色々と画像を貼り付けて見ました。
うーん、書き終わって改めて見て思ったのですが、
って感じしかしませんな(笑)
ひとまず、本論の主要な目的はのひとつは、銀行への不安・不信を止めることだと思います。マイナス金利と聞くと何だか大変なことのように思われますが、実際には日銀への預金残高の全てに対して課されるのではなく、うち政策残高と呼ばれる一定の枠組みを超えた部分に対し課せられます。
(出典:日銀マイナス金利政策の評価(みずほ総研))
全体のウェイトから見れば大したことは有りません。むしろ、イールドカーブのさらなる下落のほうがアイタタタ感はありますが、それでもちゃっかり預金金利の引き下げまでしているので収益への影響は限られるんじゃないのかなーと思うところです。
本論のもう一つの目的は、マイナス金利政策の意義を説くものかと思います。わたしの頭がくるくるぱーだったのか、それとも元の文章がアレゲだったのかは皆様の判断にお任せいたしますが、いかんせんマイナス金利による経済浮揚効果というのは、庶民の感覚としてはピンとこないところが多いような気がします。
かねてより、本件についてのわたしの主張は、『明確な賃金上昇期待を抱かせる政策とセットでないと意味が無いのでは?』です。(物価の前に賃金をあげようぜ )
マイナス金利政策は、国民の中の物価上昇期待を醸成し、デフレ脱却と経済成長を目指すものでありますが、『金利下げるから消費増やそうね』と説いたところで、どれくらいの人が消費を増やすのでしょうか。
実際に、物価の推移とあわせて見てみましょう。下図は、日銀発表の物価の推移に関する資料からの抜粋になります。
(出典:消費者物価の基調的な変動)
見てみると、健闘のあとは見られますが、日銀が目標とする2%の物価目標には届いていません。
お金を借りると、利息がかかります。企業がお金を借りるのは、いまお金を借りて投資したほうが将来的に見て儲かるという見込があるときです。今まで以上に商品が売れそうであるとか、人件費が削減できそうとか、利息以上の効果が生まれそうな時に、初めて借金を行おうとします。
金融政策とは、基本的に需要の前倒しです。日銀が、市中銀行の預金金利をマイナスにしたところで、そもそも将来的な経済成長が見込めない中では、その効果は限定的なものになります。
もうひとつ、需給ギャップの状況についても見てみましょう。
(出典:需給ギャップと潜在成長率)
リーマン・ショック後の金余り・人余りの状態から、改善の傾向にはありますが、まだまだ供給不足とはいえない状況です。
また需給ギャップ推定の基礎となる潜在成長率については、だだ下がり状態から変化は有りません。そもそものところ、就業者数が減少する中で、何とかせぇというのも難しいところであります。
さて、日銀がやたらと推している物価上昇ですが、確かに物価上昇があれば、それに伴って企業業績にはプラスの影響を与えます。ただ、いくら『物価』が上がったところで『支出総額』が増えない限り、収益は改善されないんじゃないのでしょうか。
(出典:統計局ホームページ/家計調査(家計収支編) 時系列データ(二人以上の世帯))
上図は、家計調査の結果より、勤労世帯の消費支出額について、所得各階層ごとの推移をまとめたものです。
2000年には、総合で34万1,896円あった消費支出は、現在31万5,379円まで順調に下落し続けています。下落幅は、高額所得階層のほうが大きくなっています。ここから読み取れることは、
- 高所得者は消費をしなくなった
- 低所得者は物価上がるなか支出回数を抑えようとしている
というような状況でしょうか。確かに、全体を俯瞰するには、物価上昇率で判断することも必要なのでしょうが、家計の消費そのものが上向かなきゃ意味ないんじゃないの?と思うんですよね。
更に、可処分所得と貯蓄額の推移を並べていってみても中々興味深い傾向が見られます。
ここ十年で、家計の可処分所得は大きく減少しました。その一方で貯蓄額は下がるどころか増えています。勤労者世帯の貯蓄率で見てみると、かなり顕著にその比率は上がっています。(もっとも、全世帯ベースでは貯金を取り崩して生活する高齢者の比率が上がっているので、全体では下がっていますが)
上がる物価に上がらない賃金。しかも、年金や各種公的負担は削減の傾向に有る。高所得者であっても、いつまでもその立場にいられるとは限らない。おまけに物価まであがると。そりゃあ、『保育園に入れなかった時』に備えて貯金もしますよ。
こんな環境の中、いくら『物価上昇率をあげるよ』なんて言われても、総額での市場規模が縮小するなか、企業が投資額を増やしていくのは難しいのではないでしょうか。
金融政策や財政政策によって得られる効果も大きいとは思いますが、
- 持続的な名目可処分所得の増加が期待させる政策
- 生活リスクを社会全体が受け皿となる政策
- 過重労働を排除して自分自身のために時間やお金を使えるようにする政策
といったことにも取り組んでいって、初めて効果が出るような気がします。
結局、一部大企業の人にしかお金が回らないのであれば、みんなで高知に行ってトマトでも育てる生活に移行するほうが、よっぽど幸せになれるかもしれませんね。
ではでは、今日はこの辺で。
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