こんにちは、らくからちゃです。
今日はいよいよ第48回衆議院選挙の投票日ですね!台風の接近に伴い、かなりお天気の悪い地方もあるみたいですが、皆様ぜひ気をつけていってらっしゃいませ。
さて職場で選挙の話をしていますと、私と同年代のチームメンバーに『選挙って一度も行ったこと無いんですよね』という方がいました。そんな彼に『小選挙区と比例代表っていうのがあってね』と一通り説明をしたわけですが、最後に
『選挙ってやっぱり行ったほうが良いんですかね〜?政治のことなんてそんなにわからないし、特に何かに困ってるわけじゃないですし・・・』
と聞かれまして。うん、そうですね。
選挙、行きましょう。
何故か?個人的に思っていることを書いてみたいと思います。
シルバーデモクラシーという違和感
よく『選挙に行かない若者』なんて言われますが、確かに若い世代への投票率は高くありません。
(出典:18歳選挙権とは - 18歳から選挙権?)
18歳から選挙権が与えるようになるというのに、なんってこったい!この状況を憂いて『こんなのシルバー民主主義だ!』なんていう人もよく耳にします。
年寄りの話を聞く政治家ばかりになるぞ。
若者の生活は放っておかれるぞ。
若者の意見を政治に反映させよう。
選挙に行く権利を行使しない以上、文句は言えないぞ。
選挙に行くのは生活を守るための義務だ。
そんなおどろおどろしい話もよく聞きます。まあそうかもしれません。実際に、近年の政策や提言をみると、高齢者の権利だけを守り、若者へ負担を押し付けるようなものも、わたしが気づく範囲でも何個かありました。
でもね、この現象にシルバーデモクラシーとよぶことに、違和感を覚えます。
なんでかなあ、と考えたのですが、選挙に行く人たちがみんな『自分たちの生活を守るために』一票を投じることを前提と考えているからです。
デモクラシー、つまり民主主義って、そんなものだったのでしょうか。
民主主義と多数決の原則の違い
確かに選挙は多数決の原則にもとづいて行われます。数が多い方が勝ち、少ない法が負ける。みんなの意見を決めるには、分かりやすい方法です。
でもそれは『民主主義』のプロセスの中における手段のひとつであって、それ以上のものではありません。全てが多数決で決まるなら、51人が49人に対して、何をしてもよいことになってしまう。
本来、民主的な意思決定のプロセスって、論点の設定
- 参加者の招集
- 参加者発言
- 情報の整理
- 意見の集約
- 全員で可決
というプロセスを踏まえながら、10人で提案した意見から、30人の賛同者を得て、少しづつ意見を調整し、70人くらいまで賛成出来る案にして、最後に残った5人の人にも十分に配慮しながら『可能な限り全員が納得できる方法』を考え出すものだと思うんですね。
最後まで意見がまとまらないときや、どうしても急ぐ場合などは、便宜的に多数決で押し切る必要もあります。しかし、多数決とは抜けば必ず誰かを傷つけることになる伝家の宝刀です。
阪神大震災を経て、市民のボランティア運動への機運が高まるなか、受け皿となる組織を法的に作らなければならないという議論が盛り上がりました。震災から3年後の平成10年3月19日、特定非営利活動促進法(NPO法)が全会一致で可決されました。
この『全会一致』には大きな意味があります。
多数決のルールでは、51%も100%には違いはありません。でも僅差で決まった話なのか、大半の人が納得して決まった話なのか。議論の結果への正当性としては、きっと埋めがたい溝がある。
NPO法自体の是非はとにかくとして、関係のあるひともない人も、みんなが参加して出した結論は、一部の人だけで決めたことよりもきっと正しい。より多くの人が参加して決めた結論のほうが、従う価値がある。
だからこそ、高齢者も若者ことについて真剣に考えなければならないし、若者も高齢者についてしっかり考えなきゃならない。そして、一票を通して、その決定の中に参加することが大事なんじゃないのかな、なんて思うんですね。
選挙に行くのは"優しさ"だと思う
ぶっちゃけ言うと、選挙に行くのってすげぇコスパ悪い。
あなたが選挙に行ったところで、当落に影響の結果が変わることなんて殆どないでしょう。もし結果が変わったところで、あなたにとってメリットがあることとは限らない。でもね、そもそも選挙って『自分のため』に行くものじゃないと思うんです。
政治って『奪い取る』ものじゃなくて『分け与える』ものだと思うんです。
もしあなたが、政治について何も知らず、特にいま困っていることがないのであれば、まずは数分でもよいから『いまどんな困っている人がいるのか。彼らに対して、政治は何が出来るのか。』を考えて欲しい。
民主主義は、みんなが少しづつ知恵を出し合って、よりよい社会を作り上げる政治体制です。
あなたが目にしたもの、耳にしたものと、そして考えたことを、是非一票に込めて欲しい。間違えるかもしれないし、裏切られるかもしれない。それでもいいじゃない。まずは、『あなた』にぜひ一緒に考えて欲しい。
お隣の国ではありますが、こんなことを言った政治家がいました。
Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.
- John F. Kennedy (ジョン・F・ケネディ) -
国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい。
もしも選挙に行こうかどうか迷っているひとがいれば、お年寄りや障害者、子供に座席を譲るくらいの優しい気持ちで、 投票所にいきましょう。
その一票で政治が変わらなくとも、あなたの中の何か変わるかもしれません。
ではでは、今日はこのへんで。