ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

ダウ平均に長期投資するならETFよりCFDが良いかもしれない

こんにちは、らくからちゃです。

引き続き、資産運用の見直し中です。以前、長期投資にもレバレッジETFを使ってみるのも案外おもしろいかも?なんて面白いかなあなんて考えてみました。

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ただやっぱり、0.95%の経費率はちょっと高えなあと思うのと、1日分先物を使ってレバレッジを掛けているのならば、先物やオプションなどのデリバティブ取引を上手に使えば、コストを抑えられていいのかな?なんて思い、色々と調べてみました。自分なりに整理した内容をまとめてみたいと思います。

米国株インデックスをどう買うか?

まずはアメリカの代表的な株価指数と日経平均の過去30年のパフォーマンスを比較してみます。

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バブル崩壊やリーマンショック。様々な歴史的なイベントのあったここ30年を振り返ってみても、せいぜい60%しか上がらなかった日経平均と比べ、

  1. S&P 500 ・・・ 1219.63%
  2. ダウ平均 ・・・ 1523.96%
  3. NASDAQ ・・・ 2053.85%

と彼我の差の大きさに、ただただため息をつくばかりです。ハイテク企業中心で構成されたNASDAQは、ここ最近では一番パフォーマンスが良いのですが、ITバブルのときなどを中心に振れ幅が結構大きいですね。

組入銘柄500社のS&P500のほうが、30社のダウ平均より安定しているのかな? と思いましたが、だいたい同じくらいです。考えてみれば、時価総額のとりわけ大きな会社は共通して入ってますし、より市場からの目が厳しい厳選30社なので、その分パフォーマンスも良いのかもしれません。

ダウ平均に投資する方法としては、前回と同じく『投資信託』『国内ETF』『海外ETF』あたりが選択肢として考えられますが、ここでひとつ『CFD』を長期投資として利用するという方法について考えてみたいと思います。

CFD(contract for difference:差金決済取引)とは

100万円の株を買うためには、100万円のお金が必要です。何を当たり前な・・・とお思いかもしれませんが、その常識を破るのが、CFD(contract for difference:差金決済取引)です。http://www.jsda.or.jp/sonaeru/risk/cfd/image/alerts03-04.jpg

(出典:証券CFD(差金決済)取引の特徴やリスクとは? | 日本証券業協会)

ものすごく大雑把に説明すると、株、先物取引、商品、株価指数などに対して行なうことが出来るFXです。というか、FX(外国為替証拠金取引)は、為替に対して行なうCFD(差金決済取引=証拠金取引)の一種です。

CFD取引は、SBI証券やマネックス証券などの総合的な証券会社がサービスメニューの一部として行っている場合もありますし、IG証券のような割りと特殊な商品を取り扱っている会社が行っている場合もあります。

まず幾らかの『証拠金』を証券会社に預けます。証券会社は、自分たちが調達できそうな価格を提示し、顧客はそれをもとに注文します。証券会社は注文を受け次第、原資産のカバー取引を行いますが、発注額全てを証拠金として証券会社に預ける必要はありません。最低証拠金+保有建玉の損益が一定以上あればOKです。そして反対取引を行えば損益が確定します。

これは、証券会社にお金を立て替えて貰い、より大きな資金が必要な投資を行って貰っています。その為、少ない資金で大きな利益を見込めますし、逆に投入した資金以上の損をする可能性もあります。ざっと絵にするとこんな感じかな?

f:id:lacucaracha:20170514020057p:plain例えば10万円の証拠金を預け、100万円の株を買ったとしましょう。10万円、つまり10%値上がりすれば、預けている証拠金は10万円なので、100%の利益になります。逆に10万円以上値下がりしてしまうと、手許の保証金を超えた損失が発生する可能性があります。

基本的な取引のルール

CFDには、各証券会社が独自に行っている店頭取引と、金融証券取引所が主催している『くりっく株365』というダサい名前の市場取引を利用する2通りの方法がありますが、普段利用しているSBI証券は後者ですので、そちらで説明します。

1.取引単位

クリック株365では、ダウ平均については指標*100円が最低取引単位(1枚)です。最近のダウ平均は20,000ドルくらいですので、200万円くらいの売買を行なうことになります。

2.最低保証金とロスカット

保証金の必要最低額は、値動きの激しさなどを元に、金融証券取引所が毎週決定しています。現在は、概ね2万円程度です。2万円で200万円を動かせるということは、レバレッジとしては100倍近くになります。なおロスカットに関して、SBI証券では最低保証金の70%となっております。

3.手数料

SBI証券では、CFDの手数料は1枚153円となります。またそれとは別に、売値と買値で差(スプレッド)がありますが、現在8単位(800円)相当分です。これらを合わせると、往復で概ね1000円くらいのコストになります。同額をSBI証券で買おうとすると、国内株ETFで500円くらい。海外株ETFで2000円くらいですので、外国株ETF買うのよりはお得な感じです。

CFDの特長

なんだかおっかない感じのするCFDですが、ダウ平均に長期投資に使うのに案外相性が良いかもしれないと思うんですね。どうしても短期取引のイメージが強いデリバティブですが、上手に使えば案外悪くない気がします。

1.現時点で保有コストゼロ 

『これって信用取引と何が違うの?』と思った人はするどい。信用取引は証券会社からお金を借りて市場で取引するもので、CFDは証券会社との直接の相対取引であるという点が違いますが、基本的には似たような仕組みです。

レバレッジが掛けられる以上、金利コストが発生することも同じです。信用取引では、概ね2-3%の金利がかかります。くりっく株365では、『無担保コール翌日物金利』を採用します。そう、現在『マイナス金利』のアイツです。f:id:lacucaracha:20170514022148p:plain

マイナスだからといって受け取れるわけではありませんが、ここしばらくは、ずーっと金利コストは発生していません。ETFのように、保有しているだけで発生する費用はありません。

2.期限・限月なし

また信用取引(制度信用)にあるような6ヶ月経ったら一度決済しなければならないというルールもありませんし、先物取引にあるような清算期限にあわせたロールオーバーみたいなものも有りません。買ってしまえば、何年でも保有できます。

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短期間での取引だけでなく、配当金や長期の値上がりを狙った長期の取引も行いやすい仕組みです。

3.配当相当額は受け取れる

また信用取引と同様に、配当相当額を受け取ることも可能です。ダウ平均に関しては、スタートしてから1年経っていませんが、この感じなら年間2%くらいの配当は貰えそうです。

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4.為替コスト&リスクが無い

外国株ETFを買うのであれば、手数料以上に為替コストが係るケースがあります。くりっく株365では、為替コストは、リスクごと証券会社が引き受けてくれていますので、その心配はありません。

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(出典:くりっく株365NYダウ新登場!|注目コンテンツ|くりっく株365公式ホームページ)

基本的に、ダウが上がるか下がるかだけを考えれば良く、長期で保有する場合も『ダウは安定して上がってるけど為替のタイミングが悪くて損失が出た』ということは起こりません。

5. 時間を問わず売買可能

これは長期投資云々関係のない話ではありますが、時間を問わず売買することが可能です。

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ですので、『しばらくは使わないけど、いざと行ったときにはなるべく早く現金化したい』といった性質の資金を扱うのであれば、株や投資信託よりも機動性高く扱うことが出来ます。

 

細かなメリットは他にもあると思うのですが、長期投資をETFではなくCFDで行なう最大のメリットは、レバレッジ投資を行なうことが出来るという点です。 

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(各画像出典:くりっく株365NYダウ新登場!|注目コンテンツ|くりっく株365公式ホームページ)

レバレッジ取引を安全に行うには?

レバレッジ取引は、持っている資金以上の取引ができてしまうので、場合によってその資金を超えるロスが出る可能性があります。ただ安定して値上がりしている資産であれば、投資額を適切にコントロールできれば、少ない資金で何倍もの利益を安定的に目指すことが出来ます。

過去50年のデータから、『ダウ平均1単位に投資して保有し続けた場合、n日後にどうなったのか?』をまとめると下記の通りとなりました。

  5日後増減率 30日後増減率 90日後増減率 300日後増減率
100%        
25% 0 0 72 2519
20% 0 3 181 1221
15% 1 66 630 1733
10% 19 378 1509 1715
5% 261 2214 2852 1858
0% 8053 6411 3833 1653
-5% 6470 4345 3139 1260
-10% 257 1287 1577 1052
-15% 18 259 722 835
-20% 5 85 252 568
-25% 1 22 160 276
-100% 2 17 160 349
平均 0.17% 0.84% 1.69% 9.07%
最小値 -29.95% -32.12% -36.37% -51.33%
25%値 -1.16% -1.93% -3.35% -2.01%
中央値 0.28% 1.21% 2.01% 9.13%
75%値 1.54% 3.96% 7.19% 19.92%
最大値 17.69% 23.29% 39.20% 68.85%
標準偏差 2.37% 5.12% 8.93% 17.19%

 保有期間が長くなればなるほど、リターンの平均値・中央値が上がっています。短期的には、売買のタイミングによって得られる投機的な利益でしかありませんが、長期的には会社の利益そのものが反映るためです。

とは言え、300日間保有した場合の最大下落幅は-51.33%となっています。最大で、どの程度まで下落するものなのでしょうか?そこを整理すると下記の通りとなりました。

  最大下落率 5日最大下落率 30日最大下落率 300日最大下落率
0%以上 100.00% 100.00% 100.00% 100.00%
5%以上 81.71% 8.60% 34.04% 62.01%
10%以上 66.68% 0.74% 8.24% 42.22%
15%以上 54.26% 0.15% 2.80% 26.75%
20%以上 44.71% 0.07% 0.88% 16.94%
25%以上 37.79% 0.05% 0.37% 10.65%
30%以上 30.50% 0.03% 0.27% 5.55%
35%以上 23.56% 0.01% 0.17% 2.90%
40%以上 10.43% 0.00% 0.00% 2.18%
45%以上 3.03% 0.00% 0.00% 1.19%
50%以上 1.27% 0.00% 0.00% 0.14%
平均 -20.18% -2.71% -4.79% -10.15%
中央値 -16.97% -2.24% -3.71% -7.76%
最小値 -54.43% -36.08% -39.29% -52.25%

 ある日、何も考えずにダウ平均に投資して、それがその日の最高値だったとします。そのまま、ずーっと塩漬けにしておけば、最大どこまで下がるのか?を見ると、-54.43%でした。逆に言えば、どんなに高値づかみをしてしまっても半分までしか値下がりしたことは有りません

また『ダウ平均を長期保有するリスク』とは何でしょうか?

個別株のように倒産することはありませんし、冒頭に挙げたチャートのような長期的な成長が見込めるのであれば、いつかは買ったときの金額を上回るはずです。それが、いつになるかが分からないということがリスクでしょう。

  0% 1% 3% 5% 10%
900日以上 100.00% 100.00% 100.00% 100.00% 100.00%
900日以内 99.94% 99.06% 96.42% 93.15% 85.50%
600日以内 99.91% 98.57% 94.80% 89.93% 76.07%
300日以内 99.81% 96.89% 89.49% 81.26% 57.84%
90日以内 99.45% 93.17% 75.37% 54.86% 19.20%
60日以内 99.28% 90.89% 67.51% 43.62% 10.51%
30日以内 98.81% 86.21% 50.94% 23.73% 3.12%
20日以内 98.55% 81.42% 39.32% 14.67% 1.32%
10日以内 97.75% 71.40% 22.09% 5.60% 0.42%
5日以内 96.45% 57.24% 9.23% 1.60% 0.10%
4日以内 95.84% 51.82% 6.95% 1.19% 0.09%
3日以内 93.75% 44.78% 4.89% 0.76% 0.07%
2日以内 76.18% 35.77% 3.08% 0.45% 0.04%
翌日 74.65% 26.76% 1.10% 0.17% 0.03%
平均 4.04 39.24 133.56 246.15 528.41
中央値 1 4 29 76 246
最大値 1917 3583 3653 3683 6210

 上表は、投資したダウ平均がn%の値上がりを達成するのに掛かった日数をまとめたものです。例えば、収支トントンになるまで値を戻すまでの日数については、最大で1519日(5.5年)ほど掛かっています。

ただ逆に言えば、(手数料は考慮していませんが)最大5.5年間我慢することが出来れば損をすることは無いと言えます。

この54.43%かつ5.5年間マイナスは、いつ起こったのかというと、その起点となったのは2007年10月12日のことです。その後起こったのがリーマンショックですね。

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世界的な危機ではありましたが、5年半で元値を取り戻したのは、長期低迷している日本経済の現状を考えると、大変羨ましい限りです。

勿論、過去の実績は未来の結果を予測するものではありませんが、今後もこのトレンドが続くのであれば、最大2倍のレバレッジであればリーマンショック級の大暴落があったとしても、長期的なリターンを狙うことが可能といえるのではないでしょうか。

レバレッジは上手に使えばリスクを減らせる

ダウ平均が長期的に成長しているとはいえ、高レバレッジを設定してロスカットされてしまえば元も子もなくなりますので、長期投資にCFDを使うのであれば、ロスカットをいかに避けるのか?がポイントになるでしょう。

前の表を見ていただいても分かる通り、5日間で20%以上の下落をすることも極めて稀ですし、5倍ほどのレバレッジを設定しておき万が一のときは他の資金を投入して凌ぐという選択肢もありかもしれません。

レバレッジを高くするというのは、勿論、資産をまるっと失うロスカットの危険を高めることは事実です。しかし投資額を増やせるのであれば、購入のタイミングを分散することが出来るので、大暴落前の最高値を掴む可能性を分散することも可能です。

また長期保有するためのコストは、投資信託やETFと比べても低水準・・・というか、低金利下の現在においてはかかりません。

  投資信託 国内ETF 海外ETF CFD
想定商品 iFree
NYダウ・
インデックス
NEXT FUNDS
ダウ・ジョーンズ
工業株30種
SPDR
ダウ工業株
平均ETF
NYダウ
売買手数料 必要 必要 必要
為替手数料 必要
信託報酬 0.225% 0.45% 0.17%

(参考:NYダウ平均に連動する投資信託やETFを比較!配当がもらえるCFDは?)

現物への投資は、急にお金が必要になったときに、資産を売却する必要があります。CFDであれば、レバレッジが高まるリスクはありますが、一時的に証拠金を取り崩すという選択肢も取り得ます。いざといったときの生活の予備資金の運用なんかに向いているかもしれません。

投資にはリスクはつきものです。今後もダウ平均が伸びていくことも、低金利が続くことも、誰も保証することは出来ません。また証券会社の破産リスクなど、挙げれば色んなリスクは出てきます。ただ多少のレバレッジを取った運用を行うというのも、選択肢としては頭のなかに入れてみても良いのかもしれません。最終的には、皆様の自己判断にてお願いします。

お役に立てば幸いです。

ではでは、今日はこのへんで。