ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

オムツ代の地域格差問題

こんにちは、らくからちゃです。

赤ちゃんを愛でるのに忙しくって、全くブログを書く筆が進みません笑。読者登録していただいている皆様には、有り難いやら申し訳ないやらですが、日々思ったことをまた書いていきたいと思いますので、お暇なときにでも眺めていただければ幸いです。

以前、tayoriniというメディアに、こんな記事を寄稿しました。

kaigo.homes.co.jp

頂いたブックマークコメントを眺めていると、有り難いことにこんなものを頂いておりました。

89歳のおばあちゃんのお金を管理して分かった、老後の生活でお金よりも必要なもの|tayorini by LIFULL介護

これからもまだ様々な経験をすると思う。それらも発信してくれると嬉しい。

2021/06/18 12:55

b.hatena.ne.jp

というわけで、以下の記事を厚かましく(?)も後日談としてコチラから売り込んで寄稿させていただきました。

kaigo.homes.co.jp

特にコミュニケーションルートの確保は、かなり悩み抜いた部分になります。みなさまもぜひ、「自分ごと」としてご一読いただけますと、ブロガー冥利に尽きます。

さてこのtayoriniというメディアには、はてな社さんからご紹介いただき寄稿するに至ったワケですが、いくらでも書き散らすことのできる自分名義のブログではなく、複数の関係者が関わってくるサイトですので、敢えて書かなかったこともいくつかあります。

そのひとつが「オムツに関する公的助成」に関する話です。

ひとによっては医療費より深刻なオムツ代問題

オムツというと、小さな子どもだけでなく、足腰の弱くなった高齢者の生活にも必要不可欠なものです。ところで皆さん、このオムツって1枚あたりどれくらい掛かるかご存知ですか?

我が家の長男が絶賛使用中のパンツタイプ特大サイズのオムツは、Amazon定期オトク便で1枚あたり32円になります。

高齢者用の介護パンツにも、普段は自力で歩いてトイレに行ける人向けのものから、完全寝たきりの人向けまでいろんなタイプがありますが、例えば比較的元気なひと向けのタイプで1枚あたり65円になります。

そりゃあまあサイズ感も違いますし、高齢者向けのほうがお値段が張るのは当然ですね。1日に何回も取り替える必要のある赤ちゃん用と異なり、お手洗いが間に合えば回数は減らせますが、それでも一日使ったものは翌日は使いたくはないですわな。

すると仮に1日1枚で済んだとしても、一月2000円は行っちゃいます。さて高齢者のオムツ代って、平均するとどんなもんなの?と思って調べてみるとこんな情報が出てきました。

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(出典:みんなの介護

在宅介護をしている人に向けて行ったアンケートによると、5000円刻みでの最多レンジは1万円から1万5000円で39.6%になり、1万円以上の割合は、50%を超えます。

ぱっと高齢者の医療費自己負担額の平均や分布の情報が出てこなかったのですが、毎月の医療費よりも掛かっているご家庭も多いと思うんですよね。諸々条件はありますが、一般での医療費自己負担限度額の上限は18,000円ですしね。

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(出典:高額療養費|東京都後期高齢者医療広域連合公式ウェブサイト

老人ホームでのオムツの費用について

で、ちょっと話は変わりまして、老人ホームに入ると、オムツ代ってどうなるんでしょうか。

下記のような介護保険3施設ですと、利用料にコミコミとなりますが、

  • 特別養護老人ホーム
  • 老人保健施設
  • 介護療養型医療施設

下記のような「老人ホーム」では、別料金になっていることが一般的だそうです。

  • 有料老人ホーム
  • グループホーム
  • ケアハウス
  • サービス付き高齢者向け住宅

そうするとですよ。それなりに金額のするものですし、安い日を狙ってドラッグストアでまとめ買いして持っていこうと思いたくなるものですが、それが出来ない施設も結構あるんですよね。

有料老人ホームでは、介護用オムツを使用する必要がある場合は「処分費用」も込みで、施設が決めた価格を支払うことになるところもあります。価格は公的に定められているわけでは無いので、事前にシッカリ確認しておくことをオススメします。

結構トラブルになってる例も多そうです。

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(出典:全国有料老人ホーム協会

公的支援の格差問題

さてさて、ご家庭によっては結構な負担になるこのオムツ問題ですが、市町村による助成もあります。それがですね、結構自治体によって対応が違うんですよ。

城東から千葉県北部でざっと見てみるとこんな感じ。

千葉市のケース

  • 要介護1〜3の場合は、月額4000円分まで自己負担1割。
  • 要介護4・5の場合は、月額8000円まで自己負担1割。

船橋市のケース

  • カタログから月額6600円分まで選択。

江戸川区のケース

  • 支給品を使う場合、月額9000円まで自己負担1割。
  • 施設入所中の場合、月額8100円を限度に現金助成。

江東区のケース

  • 支給品を使う場合、月額60点(6000円相当)まで無料。
  • 施設入所中の場合、月額7500円を限度に現金助成。

千代田区のケース

  • 要介護1以上が条件。
  • 支給品を使う場合、月額8,400円まで1割負担。
  • 施設入所中の場合、月額10500円を限度に現金助成。

これだけ近いエリアの自治体でも、結構違うんですよね。金額の問題もありますが、それ以上に厄介なのが「現金助成の仕組みがあるかどうか」。

多くの自治体で取り入れているスタイルは、市が発行したカタログの中から使用するものを選んで無料で届けるもの。お値段はドラッグストアのセール価格と比べると高めですが、送料無料になるケースも多く、結構かさ張るものなのでその辺りは有り難い。

ただこの方式だと「オムツ持ち込みは認めない」介護施設は利用出来ないんですよね。

一方、都内だと「施設入所中等で区のオムツが使えないケースだと、相当額を現金助成」を取り入れているケースもあるんですよね。ぶっちゃけこうした助成があるかないかで、年間で数万円単位の差に繋がることになります。

子供の医療費助成に関して、自治体間の格差は大きいことは、比較的広く伝えられているところだと思うのですが、高齢者の介護費助成も結構無視出来ないレベルでの差があります。

「終の棲家」を選ぶにあたっては、ひとつ念頭に入れておくべき事項なんじゃないかなあと思うと同時に、コレでホンマにええんやろか?ということは考えていくべき政治課題の一つなのかなあとも思う次第です。

ではでは、今日はこのへんで。