ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

インデックスの買い時とドルコスト平均法について

こんにちは、らくからちゃです。

年明けに「今年はつみたてNISA(+埋まらなかった分は高配当株ないしETF)に移行するぞー」と決めてから、制度開始以来久々に対象投資信託リストを真面目に眺めてみましたが、思った以上に選択肢が少ないもんですね。

NISAには、ハイイールド債だのSPXLだのグロ3だの胡散臭さ満点の銘柄を突っ込み、一喜一憂しながら楽しんでいましたが、もう少し教科書的なポートフォリオを目指して頑張ります。とりあえずeMaxisか、たわらでも買っておくかな。

さてさて株式相場と言えば、年初からダウ・S&P500・NASDAQの主要3指数揃って最高値を更新するなど随分と景気の良い状態が続いています。

www.nikkei.com

こういう状況になると擡げてくるのが「いま株式インデックスを買うのは適切なのかどうか?」という話題ですね。

言い換えれば、いま株式インデックスは買い時なのかって疑問でしょうね。

株式インデックスの買い時はいつか

何も株式インデックス=米国株ってわけではないのですが、世界全体の時価総額4割を占める米国市場を眺めるのが手っ取り早いかと思いますので、まずはここ5年ほどの主要3指数の動きを見てみましょうか。

  • S&P500 ・・・ 青
  • ダウ  ・・・ 赤
  • NASDAQ・・・ 緑

になります。

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(出典:S&P 500 (^GSPC) Charts, Data & News - Yahoo Finance

2018年の中盤に一時的な下落がありましたが、それ以降はまあみんなきれいに伸びております。特に2019年は、前年中盤から続いてきた下落の底となったため、年間リターンは+30%近いリターンとなりました。

高値が続くと「バブルか」という声が上がります。バブルとは株価と実態との乖離が起きる現象ですので、それを判断するには実際の業績と比較してみなければなりません。まあ一番シンプルな方法は、利益と比較する方法、つまりPERを見ることですね。

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(出典:S&P 500 PE Ratio

過去のS&P500のチャートを見ていると、近年スパイクしている箇所が2つあります。ひとつは2000年代前半のITバブルの頃ですね。この頃は、壮大な夢を語った銘柄に過大な評価が与えられた結果、PERは45近くまで跳ねました。

もう一つは、リーマン・ショックから半年ほどたった2009年の5月ですね。PERは驚きの123.7でございます。こちらは株価が高すぎたというより、リーマン・ショックで傷ついた財務諸表よりも先行して株価が戻した結果であり、利益が安すぎたためについた評価ですね。

2020年1月3日現在のPERは24.24です。この値は比較的高い数値にはなります。じゃあ今後株価は下がるのかと言われても、PERが株価÷利益である以上、PERが仮に高値圏であったとしても、株価の増減は今後の事業環境次第じゃね?としか言えませんね。

インデックスの買い時を考える意味はあるのか

そんな風に言われちゃったら、ますます買うべきかどうか分かんないよと思われるでしょうけどね。でもそもそもの話として、インデックスを買うときに、その割安性の判断ってするんですか?

例えばいま、S&P500には、アップル・マイクロソフト・アマゾン・フェイスブックの4強だけで14%くらいのウェイトで組み込まれています。(参考:S&P 500 Companies - S&P 500 Index Components by Market Cap)つまりS&P500を買うということは、その資金の14%くらいが、これらの企業の株式に投資されます。

それぞれのPERは、Bloombergさん曰く

  • アップル・・・25.09
  • マイクロソフト・・・31.75
  • アマゾン・・・83.04
  • フェイスブック・・・24.89

です。果たしてこの銘柄群を、その比率で投資するのが適切なのかどうか!?なーんてことは、インデックスでの運用を考えるときには敢えて考えないわけですね。

S&P500やNASDAQみたいな時価総額加重平均型の株価指数への投資というのは、下手な個人やファンドマネージャーが判断するよりも、市場の総意を受け入れたほうがよっぽどマシという判断の元、マーケットでの評価をそのまま受け入れて、市場の価格でガサっと買い入れる仕組みです。

うーん、でもいくらなんでもアマゾンのPERが83ってのはちょっと高すぎるから外したいよなあ。なんて思いがよぎったとしても、まあでもマーケットの評価が考えうる限り最良なんだから従うか、と受け入れる仕組みです。

インデックスに買い時があるのか、ないのかと聞かれたら、そりゃ値動きがある以上、安い時が買い時で、高い時が売り時ですよ。

でもインデックスを買うということは、その一瞬一瞬で、マーケットが考えうる全ての事象を組み入れて決定した価格を受け入れることで成り立つものなので、教義上「毎日が適正価格」です。暴落前の最高値でジャンピングキャッチしてしまう可能性もありますが、その日がそこから先の最安値となる可能性もあるわけです。

でもね、結局考えてもわからないんです。

汎用猫型決戦兵器が、机の中に引きずり込んでくれない我々には、未来がどうなるのかわからんのです。それを考えるコストを上回るリターンがあるかどうかを考えた結果、それは無いものとして受け入れたんだから、黙って諦めるのがインデックス投資というものでしょう。それが耐えられないひとには向いてないでしょうね。

現に、だから受け入れられないという人は一定数居ますし、それは信じる神様の違いです。インデックスを信仰するのであれば、タイミングだけ疑うのは知識ではなく信仰心の不足じゃねえんですかね。

ドルコスト平均法について

積立投資でドルコスト平均法を使って時間リスクを分散したほうが良いって聞いたぞという人も多いでしょう。ドルコスト平均法という投資手法については、識者の間でもその評価が大きく分かれます。

ドルコスト平均法とは、ざっくり言うと一定間隔で同額分だけ対象資産を買い付けていくことによって、高値づかみを避ける狙いがあります。しかしその一方で、一度に投資するよりも、タイミングを後ろにずらすことにより、その期間で得られるリターンが毀損されます。

例えば200X年の1月1日と、12月31日に同じ金額を投資して、2001X年の12月31日までにどちらが値上がりしている可能性が高いか考えてみましょう。実際の値動きがどうなるかは分かりませんが、運用期間が1年長い前者のほうが確率的には有利でしょうね。

単純に複利を考慮しない(1年間ですし)場合、毎月積立は一括購入と比べて、その年の買い付け分の年間リターンが半分になります。で、高値づかみの危険性はどうなるんです?半分になるの?

そうじゃないですよね。株価が下がっていく可能性もあれば、当然上がっていく可能性もある。それが仮に半々だったとしても、プラマイゼロじゃないですか。でもそもそもみんな、値上がりすると期待しているからインデックスを買うんじゃないの?じゃあなんでそんな変な買い方をする必要があるの?という話です。

わたしの胡散臭い話が信じられなくとも、山崎さんの話なら信じられる人も多いでしょうから、リンク貼っておきます(笑)。

media.rakuten-sec.net

敢えて付け加えると、「ドルコスト平均法」というのは、流動性の低い個別株みたいなマーケットがミスジャッジする可能性の高い資産を買い付ける際には有効なんですよね。そもそも流動性が高く、「買い時」を考えることを最初から放棄したインデックスを買うには、気休め以上の効果は無いでしょう。

また中には、リスク管理の点から有用性について分析しているレポートもあります。確かに比較的短期のスパンの中で、最大下落率を抑えるところに重点を置くのであれば、非常に有用な手法です。

でも途中売却はできるものの多くの人が20年間の保有を目指すつみたてNISAや、そもそも出金できないiDeCoなんかで運用するのであれば、下手に買い時なんて考えずに年初に買っておいたほうが長期的なリターンは改善されます。

(日本人全員がしこたま年初に買い込んでそれが価格形成に影響を与えるようになればまた別でしょうけど)

それでも投信積立が有用な理由

基本的にドルコスト平均法というのは、40万円分のファンドを買ってみませんか?と言われたらドン引きする人のために、毎月3万円ずつコツコツ資産を増やして行きませんか?というための証券会社のセールストークに過ぎません。

でも無意味かというと、そうでもないんですよね。

逆説的になりますが、資産を市場に少しでも長く置こうとするのであれば、入ってきた給料はすぐに買い付けに回したほうが良い。その金額を都度計算して、買い付けを行う手間を省くためには、定額買付が有効です。

「つみたてNISAが年40万円なのは12で割り切れなくて困る!」なんて声もちらほら耳にしますが、キレイに定期的に一定間隔で買い付けることに意味があるわけではないので、ボーナス支給月なんかは多めに買い付けるくらいでちょうど良いんです。

基本的に、インデックスを使った資産運用で考えるべきは、「市場の状況」よりも「貴方のお財布の状況」です。中長期的なキャッシュフロー計画を立てて、生じうる家計リスクを加味しながらリスク資産の比重を調整していく。そのへんをしっかり考えていかねばなーと思う次第であります。

ではでは、今日はこのへんで。