こんにちは、らくからちゃです。
先日から、2000万円という金額が独り歩きしていると聞きましたが、一体いまどこにいるのでしょうか?我が家にお越しいただけるのでしたら、熱烈歓迎いたしますので是非!
とまあつまらない小ネタはさておき、世間ではその2000万円を巡って俄に資産運用熱が加熱しているそうです。(やったね金融庁!)
ネットで話題になった記事を眺めてみても「このビッグウェーブに乗るしか無い!」とばかりに、様々な書き手から色んな記事が上がってくるようになりました。ざっとここ最近で話題になったもので、思い出した範囲を拾ってみてもこの通り。
- 「年金デモ」やるよりも、「積み立てNISA」やった方が合理的だ。 - sakigake news
- 「老後2000万円必要」とリスクを煽る新聞社がセットで紹介しない、私がお勧めできるネット証券会社と投資商品 - 斗比主閲子の姑日記
- お金の話について|ヨッピー|note
ここにあげたものがってわけじゃないんですけど、色んな記事を眺めていてもネタ本でも有るんかいなってくらい同じように
銀行預金で溜め込んでいても実質価値は目減りしていくよ!😨
でも証券会社になんか行ったらダメ🙅
アイツらは君のお金から手数料を抜き取ろうとしている悪党だ!💢
いまはインデックス投資っていう、たいして役に立たないファンドマネージャーにお金を渡さなくても、全世界のプロの運用結果を滅茶苦茶低コストで運用出来る手法があるんだ!😁
無駄な人件費のかかっていないネット証券なら手数料も掛からないし、NISA口座も作れば税金も取られない!💰
これで老後も安心だね👍
(意訳)
みたいなことが書いてあるわけじゃないですか。まあ書き手が善意で書いているのか、お小遣い目的で書いているのかは分かりませんが、書いている内容はだいたい嘘は無いでしょう。「勉強熱心なんですね。すっごく参考になりました!私も挑戦してみよっと!」とか言ってあげるといいんじゃないかな。
でもね。どうしようかなあ、俺も資産運用とか考えたほうが良いのかなあと言っている人に話すテーマとしては、自動車学校の入校初日にS字クランクのコツを語るくらい早い気がしません?
資産運用とか何も分からん!という人に向けて語りかけるには、もう少し手前からにしたほうが良いような気がするんですよね。
ファイナンシャル・プランナーが最初に学ぶこと
先日、試験の結果発表が行われましたが「ファイナンシャル・プランニング技能検定」という"お金のプロ"としての能力が有る人を認定する検定試験がございます。
良く勘違いされますが、簿記検定の勉強なんてしても、個人レベルのお金の知識は殆ど身につきません。税金や資産運用などに興味があるのであれば、チャレンジすべきはこちらです。別にFPを仕事にするつもりが無くとも、内容自体は誰にとっても身近な「お金の話」ですので、参考書をパラパラめくるだけでも、中々勉強になります。
みんなが欲しかった! FPの教科書 3級 2019-2020年 (みんなが欲しかった! シリーズ)
- 作者: 滝澤ななみ
- 出版社/メーカー: TAC出版
- 発売日: 2019/05/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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参考書の構成は、試験の科目に合わせて作られていることが多いんですけどね、だいたいがこんな感じです。
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
ね、中々面白そうな内容でしょ?この中で資産運用の話は3.の金融資産運用になりますが、FPを目指す人が真っ先に勉強するのは「ライフプランニングと資金計画」なんですね。更に、その内訳を見ると、こういう感じです。
- ファイナンシャル・プランニングと倫理
- ファイナンシャル・プランニングと関連法規
- ライフプランニングの考え方・手法
- 社会保険
- 公的年金
- 企業年金・個人年金等
- 年金と税金
- ライフプラン策定上の資金計画
- ローンとカード
- ライフプランニングと資金計画の最新の動向
ライフプランニングというものの基礎的な考え方や、FPがそれにどう接するのかを学んだ後、社会保険などの知識も加えて、具体的な資金計画の立て方を学んで行こう!って感じかなあ。
こうした組み立て方になのは、ライフプランニングこそ、ファイナンシャル・プランナーの仕事の最も基本となるものであり、資産運用に関する知識も、ここの前提を抑えておかないと意味を為さないからなんだと思いますね。
ライフプランニングって何?
ライフプランニングとやらが重要なのはわかった。ところでそれは何なの?って人も多いかもですよね。
ざっくり言うと、「教育資金」「住宅資金」「老後資金」などのライフイベントにどれらくらい、いつまでに必要なのかを整理しながら、人生全体の収支活動を立てていく作業。って感じですかね。
ソニー生命さんのこのページの説明が分かりやすいですね。
まずは、主なイベントとして、
- 住宅の取得
- 子供の出産
- 教育の出費
- 車の購入
- 家族での旅行
みたいなものが、いつ頃発生するのかなーってことを整理する。
で、それに合わせて年間の収支がどうなっていくのかなー、資産残高はどうなるのかなー、みたいな計画を立てていくわけですね。
ちなみに、わざわざFPさんに頼むのは敷居が高いのでしたら、全国銀行協会がシンプルで中々よく出来たツールを作ってくれています。
マンガの解説も、基本を抑えた良い出来栄えだと思いますので、よろしければ是非!
ライフプランニングというのは、考え方自体は、特に難しいものじゃないですよね。でもこれを実際にやるのは、かなりハードです。
なぜ資産運用にライフプランニングが必要なのか
会計モジュール担当という仕事をしているからか、カネに意地汚いのがバレているのか分かりませんが、社内で後輩から「おすすめの運用方法を教えてくださいよー」なんて言われることが良くあります。その都度、
- 今の仕事をいつまで続けるのか
- 結婚はいつするのか
- 子供は何人産むのか
- 家は買うのかずっと賃貸か
- 何歳まで働き続けたいのか
みたいなのを整理してみてよ!というと、だいたいみんな面倒臭そうな顔をします。
ライフプランニングとは、つまり自分の人生をどう生きたいのかを考えることです。正解は本人の中にしか無く、本人しか決められません。決めるためには、色んな人の生き方を見ながら、自分はどうしたいのかを決めて行かなきゃならない。そして、何にお金を掛けて行きたいのかも、じっくり自分と向き合う必要があります。
煙に巻かずに、おすすめの裏技みたいなのがあるんだろ?勿体ぶらずに教えてくれよ、なんて言われたところで、その人がどうした種別の資金を出せるのかによって随分変わってくるもんです。人それぞれ生き方が違う以上、これが鉄板!といえるものは無いんですよね。
じゃあ、ライフイベントが整理できたら、どういう風に運用を考えていくのか。
まずは資金を分かりやすく整理してみましょうか。
- 短期資金:日常決済や緊急時にすぐ動かせるお金として準備するお金
- 中期資金:特定のライフイベントに向けて準備するお金
- 長期資金:使途が決まっておらず育てていくお金
の3種類に分けて、それぞれの金額を弾いていきます。
短期資金は、急に会社が倒産した場合の生活防衛資金分も含め、手取月収の3ヶ月分以上は欲しいところです。ダブルインカムでリスクが分散出来る場合はもう少し削れますし、次の仕事が中々見つからない可能性のある職種であれば多めに用意しておいたほうが良いでしょうね。また失業手当が無い働き方の場合は、その分も加味する必要はあるでしょう。必要なときにすぐ引き出せるのが重要ですので、基本的には普通預金で寝かせることになります。なので、必要最小限の金額に抑え、かつ手数料などの無駄が掛からないようにするのがポイントです。
中期資金は、将来に向けて準備していくお金です。必要なときに、必要なだけ存在することが重要なので、あまり値動きの大きな手段での運用は向きません。でも額が大きいだけにほったらかしにしておくのも勿体無いので、振れ幅の少ない債券やバランスファンドなんかで運用するのも良いかもですね。
長期資金は、基本的に「あっても無くても困らない」お金です。よって値動きの幅が大きかろうがなんだろうが気にせず、将来最も値上がりする可能性のある資産、つまり株式での運用に適したお金です。冒頭にあげた「株式インデックス投資」は、こういった対象に使います。
ざっくりこういう整理が必要なわけです。それを十分にせずに、短期資金や中期資金を株式で運用するとどうなるのか。
リーマン・ショックのとき、株価は最高値から半分になり、最高値で買った人は5年間ほど含み損を抱える状態になりました。
こうした事象は、リーマン・ショックほどの規模のものは中々お目にかかれませんが、定期的に起こります。
よく株式での運用をオススメするひとは「株は売らずにずーっと保有し続ければ絶対に値上がりするよ!」といいます。少なくともこれまでの結果を見る限り、その言葉に嘘はないでしょう。
でも大恐慌がやってきて、残業代やボーナスがカットされ、場合によっては解雇されるかもしれないリスクがある時、十分な短期資金が確保されていない限りその意思を貫くのは簡単ではありません。
また楽しみにしていた家族旅行のためのお金が、株価下落で半分になっちゃったので延期します!なんてのもどうなんでしょうね。まあそれくらいなら仕方ないかあってなるかもしれないけど「ごめん、大学入学するの延期して」とは言えないですよね。
そういう人をなんというか。「お金に振り回されている」って言うんですよね。
生き方と向き合え
お金について学ぶ、考えるとは何からすべきか。私は、お金の使い方から真剣に考えていくべきだと思うんですよね。世の中には、さらっと「欲しいものが無いんだよね」という人もいますが、"欲しいもの"を見つけるのって、結構努力が必要な行為だと思うんですよ。
自分がどういう風に生きていきたいのか考えるのは、かなり苦しい作業です。
もちろん完璧に将来を予測することなんて誰にもできません。あくまで、ひとつのシミュレーションのための方向性を掴む程度で良いのですが『いつ結婚して、どんな新婚生活をするつもりかなんて、そんなの相手も居ないのに考えられるわけないじゃないか』というのもご尤もでしょう。それを考えるにはどうするのか。
普段話したことのない人話してみる。降りたことのない駅で降りてみる。本屋さんの入ったことのないコーナーの本を見てみる。普段は見ないようなTV番組を見てみる。そうやって、少し殻を破らないと、見えてこないことが沢山あります。
そうして色んな生き方に触れながら、やりたいことを本気で探していかないと、将来の計画と言われても「多分いまと同じ」としか答えようがなくなります。後になって自分が本当にやりたかったことに気がついて、損をしないように生きていきたいなあと思う次第です。
ではでは、今日はこのへんで。