ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

小学校の国語の教科書から特に思い出に残っている話をピックアップする

こんにちは、らくからちゃです。

ちょこっとヘマをしてしまい、今日も元気に休日出勤です(´Д⊂グスン 連休なのに、どこにも行かずに電車に揺られるだけなのも悔しいので、通勤電車で読書の秋を満喫中です。最近は、城山三郎大先生の小説を読むのにハマっておりまして、いつかどこかでまとめが書ければなあと思っている次第です。

濃ゆーい話を読むのも楽しいのですが、ふとたまに、子供の頃に読んだ本を読み返したくなる時もが有ります。まあ不思議なもので、小学校の時に読んだ話って、結構覚えているもんですね。

今日はちょっとだけ童心に帰って、小学校の国語の教科書から、特に思い出に残っている話を振り返っていってみたいと思います。

ふきのとう

くどうなおこ詩集○

くどうなおこ詩集○

 

よが あけました。
あさの ひかりを あびて、
竹やぶの 竹の はっぱが、
「さむかったね。」
「うん、さむかったね。」
と ささやいて います。
雪が まだ すこし のこって、
あたりは しんと して います。

 確か、小学校の2年生に上がりたてのころにやったかな。今でも、『詩』ってあまり好きではないんだけれど、この話は雪の中から一生懸命顔を出している『ふきのとう』の写真が、大好きで、何度も読んだ記憶があります。

スイミー 

スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし

 

スイミーは おしえた。 けっして はなればなれに ならない こと。
みんな もちばを まもる こと。

みんなが 一ぴきの おおきな さかなみたいに およげるように なった とき、スイミーはいった。 「ぼくが、めに なろう。」

大きな魚の真似をして、敵と戦うお話。みんなで協力することの大切についての話。ってことになると思うんだけど、それ以上に、知恵を絞り、率先してみんなを束ねて行動する。リーダーシップの基本についてもしっかり取り上げた名作だと思います。

スイミーですが、教科書での文章と、本での文章とは若干差があるようです。教科書のほうが、ちょっとお上品に手直しがされちゃっているんですね。絵本では、谷川俊太郎さんの味わい深い言葉遣いにも触れることが出来るようですので、見比べてみても面白いかもしれません。

スーホの白い馬

スーホの白い馬―モンゴル民話 (日本傑作絵本シリーズ)

スーホの白い馬―モンゴル民話 (日本傑作絵本シリーズ)

 

モンゴルの草原に、悲しげな楽器の音色が響くようになりました。
スーホの弾くその楽器には、白い馬の皮が張られていました。
美しくも悲しげなその楽器は馬頭琴と呼ばれ、モンゴル中に広まりました。 

モンゴルの大草原って、どんなところなんだろう。馬に乗って走り回ったらどんな気分なんだろう。馬頭琴という楽器は、どんな音色がするんだろう。そんな想像力を非常に掻き立てられた作品だったように思います。

これはいつか、ちゃんと絵本を見てみたい作品ですね。

えいっ

「えいっ」

「えいっ」

 

「とうさん、まだ 渡れないよ。」
「よし、よし。」
とうさんが、いいました。
「いま、青にしてあげるから、待っていなさい。」
それから、ころあいを みはからって
「えいっ。」
と言いました。

お父さんが、信号を不思議なパワーで青に変えてしまうお話。いやー、この魔法、ある程度歳を取ると使えるようになるんですが、呪文を掛けるタイミングを失敗して、アクセルを踏んでしまうと色々危ないので皆さんご注意を(笑)。

テストで、『おとうさんが、「えいっ」といったことで変わったのでしょうか?』といった内容の設問があって、不思議なパワーがあるわけじゃないけど、事実としてはそのタイミングで変わったわけだし、うーむ、と回答に困った記憶があります(笑)。

ちいちゃんのかげおくり

ちいちゃんのかげおくり (あかね創作えほん 11)

ちいちゃんのかげおくり (あかね創作えほん 11)

 

「かげおくりって、なあに。」
と、ちいちゃんもたずねました。
「十、数える間、かげぼうしをじっと見つめるのさ。十、と言ったら、空を見上げる。すると、かげぼうしがそっくり空にうつって見える。」
と、お父さんが説明しました。 

この作品ね。ずるいなあって思うのが、小学生の頃は『かげおくり』をすることに夢中になって、内容の方はほとんど入ってこないんですよね。でも、心のなかに棘のようにささった記憶をたどり、後で読み返してみれば、もう胸が痛くて痛くて。『ああ、平和な時代に生まれてよかったなあ』と心の底から思わせる作品ですね。

放課後、みんなで遊んで帰った思い出とともに、いまも世界の至るところにいる『ちいちゃん』のことを心の片隅に入れておきながら生きねばと思う作品です。

モチモチの木

モチモチの木 (創作絵本6)

モチモチの木 (創作絵本6)

 

「おまえは ひとりで よみちを いしゃさまよびに いけるほど ゆうきのある こどもだったんだからな。じぶんで じぶんを よわむしだなんて おもうな。
 にんげん、やさしささえあれば、
 やらなきゃならねえことは、
 きっと やるもんだ」

小学生のころは、『モチモチの木ってやつの実物が見てみたいなあ』ということだけを考えていましたが、今あらためて見ると、じさまの言葉は深い。

優しさとは、誰かのために、自分の怖いものとも本気で向き合える強さ。一歩前に踏み出た豆太もそうですが、そこに至るまで、しっかり孫を見守り続けたじさまの優しさも凄いんだなということが、おっさんになればよく分かる。

白い帽子 

白いぼうし―車のいろは空のいろ (ポプラポケット文庫)

白いぼうし―車のいろは空のいろ (ポプラポケット文庫)

 

「これは、レモンのにおいですか?」
 ほりばたでのせたお客のしんしが、はなしかけました。
「いいえ、夏みかんですよ。」
 しんごうが赤なので、ブレーキをかけてから、うんてんしゅの松井さんは、にこにこしてこたえました。

タイトルはさっぱり覚えていないけれど、あの『夏みかんの美味しそうな作品があったなあ』ということは、しっかり覚えている一作。松井さんの温かさ・優しさと、女の子や蝶、夏みかんの爽やかさがびみょーにマッチした感じが、読み返したくなる作品ですね。

ごんぎつね 

ごんぎつね (日本の童話名作選)

ごんぎつね (日本の童話名作選)

 

「ごん、お前だったのか。いつもくりをくれたのは。」
 ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、うなづきました。
 兵十は、火なわじゅうをばたりと取り落としました。青いけむりが、まだつつ口から細く出ていました。

日本人なら誰でも知っている、一番有名な『悲劇』。誤解とそこから生まれてくるすれ違い。日本人のメンタリティーの根底にある『空気』とか、そういったところにもつながってくるお話だと思います。

教科書のお話としては、最後にごんが撃たれるところで終わっていますが、おとなになると『その先』を考えてしまう。母親に加え、ごんまで失ってしまった兵十。そして、そのことを後悔しながら生き続けなければならないこと。こういった悲劇を起こさないためには、何をするべきなのか?おとなになった今だからこそ、考え直したいテーマです。

大陸は動く

大陸はうごいている―地球の話 (自然科学シリーズ 24)

大陸はうごいている―地球の話 (自然科学シリーズ 24)

 

 

これは、あまりに常識をこえた、とっぴな考えであった。けれども、研究をすすめるにつれて、ウェゲナーは、この考えの正しさにしだいに確信を深めていった。

大陸移動説について、その考え方がどうして産まれたのか?そしてそれをどう証明したのか?についてのお話。

大陸移動説自体は、図鑑か何かで知っていたのですが、どういった観点から科学的な探求を行っていくのか?そしてそれを、どのように取り組むべきか?そういった部分を考えさせられる名作です。結局、科学者にはなりませんでしたが、こういった『考え方の基本』を学ぶには非常に良いお話だったと思います。

大造じいさんとガン

大造じいさんとガン (偕成社文庫3062)

大造じいさんとガン (偕成社文庫3062)

 

「おうい、ガンの英雄よ。おまえみたいなえらぶつを、おれは、ひきょうなやり方でやっつけたかあないぞ。な、おい。今年の冬も、仲間を連れてぬま地にやって来いよ。そうして、おれたちは、また堂々と戦おうじゃあないか。」

どうしても『残雪』に勝ちたかったはずの大造じいさん。その為にはあの手この手を使ったはずの爺さん。でもそこに、思わぬ事態がおきて・・・。

執念深く戦う爺さんと、あまりに鮮やかな残雪。大造じいさんの気持ちがどういう風に変わっていったのか?そして、敬意さえ払いたくなるような『ライバル』と『堂々と戦う』という意味について。やっぱり、良い人生には良いライバルが必要だなあと思わせる一作。

「わたし」とはだれか

「わたし」とはだれか・ほか (光村ライブラリー 17)

「わたし」とはだれか・ほか (光村ライブラリー 17)

 

 わたしが、今、ここにいつというのは、当たり前のことのようだが、よく考えてみると、わたしが、「わたし」として
ここにいるのは、ずいぶん不思議なようにも思われてくる。いったい、「わたし」とはだれだろう。わたしがほかの
だれでもなくて、「わたし」なのだというのは、どういうことなのだろう。 

小学校6年生には、こんな話を考えさせるのは早いのかな?と思いつつ、逆に6年生のだからこそ、そろそろ『自分とは何者なのか』ということについて考えてみてもいいのかなあなんて思う一作。

わたし・・・、わたしって何なんだろうなあ。きっと、教える側にとっては、大変難解極まりない話だと思うし、教えられる側としても、問だけ与えられて答えはずっと与えられない。でも、『答えなんて無い。』それが答えだったのかな。

いっぽんの鉛筆のむこうに

いっぽんの鉛筆のむこうに (たくさんのふしぎ傑作集)

いっぽんの鉛筆のむこうに (たくさんのふしぎ傑作集)

 

スリランカ、ボガラ鉱山 ポデマハッタヤさんが、黒鉛のかたまりを掘っている

小学校の国語の教科書の話の中で、一番好きなお話です。鉛筆という、身近な材料をもとに、それが出来上がるまで、どれだけ多くの人が関わってきているのかについて説明したお話。

『ああ、社会って色んな人が居て成り立っているんだなあ』 ということもそうですが、身近な題材ひとつとってみても、掘り下げていけばいろんなストーリーが見えてくる。この作品が、『世の中』について、いろんな興味を持てるようになった『原点』にあるような気がします。

まとめ

こうやって振り返ってみると、中々懐かしい気持ちになれますね。ところで、小学校の国語の教科書といえば、光村図書の『国語』のシェアが圧倒的に大きいようで、会社のホームページを見てみると、各年代別の収録図書の一覧が公開されています。

見ると、昭和46年の最も古い版から現在に至るまで利用されているのは、

  • くじらぐも
  • たんぽんぽのちえ
  • スーホの白い馬
  • ごんぎつね
  • 白いぼうし
  • やまなし

の6作品のようですね。経済畑の人間としては、こういった教科書に採用されるような話って、特定の著者や出版社に利益をもたらさないよう、定期的に入れ替えていったほうがいいような気も致します。ただ、何年たっても日本人の記憶として語り継がれるお話がある、というのも素敵ですね。

ごんぎつね、子供が出来たときもまだやっていたら、しっかり『音読』を聞いてあげたいなあと思います。

そうそう、教科書に採用されていた本のセット、みたいなものも販売されているようです。(ちょっとお高いですけどねw)

光村ライブラリー全18巻セット

光村ライブラリー全18巻セット

 

ではでは、今日はこの辺で。