ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

長期投資の為の戦略分析 10年間株価上昇率ベスト50

こんにちは、らくからちゃです。

先週の株式相場は、VWのその後の行き先を市場が見守る中、日経平均は週間では-0.87%の下落となりましたが、週末に向けて反発するなど、明るい兆しも見えた一週間でした。

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ところで、安倍ちゃんがGDPを100兆円増やすぞー!なんて言っておりましたが、それでわたしのお給料は増えるのでしょうか?そこが大事なところなのですが、どなか詳しく教えて下さい。

紹介銘柄結果振り返り

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銘柄研究のために行っている『なんちゃってファンドマネージャーごっこ』ですが、文教堂が案の定下落。ただ、新規に組み入れた銘柄がまたいい感じに上昇してくれ、全体としては0.03%のプラスでした。この感じで伸びていってくれるといいなあ。

結局知りたいのは株価が上がる銘柄なんですよ

さて先日、ただひたすら現ナマをたくさん持っている銘柄のまとめを作成いたしましたところ、予想以上に多くの方に見ていただくことが出来ました。

以前の記事で、銘柄分析の手法を大きく以下の3つに分けてご紹介しました。

  • 長期投資・・・財務上のパフォーマンスを重視した投資
  • 中期投資・・・株価の割安性を重視した投資
  • 短期投資・・・株価の短期的な変動に注目した投資

この分類について、語弊は多いに感じているのですが、メインとして狙うのが長期的・中期的・短期的なものですので、とりあえずこんな感じで呼ばせて頂こうかなあなんて思っています。(順張りと逆張りはどちらが良い? - ゆとりずむ)

前回の割安銘柄シリーズは、PBRだの自己資本比率だの、当座比率だの、財務的な安定性を重視した分析でした。詳しい解説はこちらから〜。(割安優良株と駅前の空家は似ている - ゆとりずむ)

さて財務諸表は、大きく分けて

  • 貸借対照表(B/S)
  • 損益計算書(P/L)

の二種類で構成されます。(C/FとかS/Sとかもありますが)貸借対照表が、会社のもっている金額、損益計算書がそれが一定期間(1年間など)でどれだけ増加したのかを表しています。前回の分析は、貸借対照表を中心とした分析でしたので、いくらお金を持っているかの分析であって、どれだけ成長性があるかを分析したものでは有りません。

これはこれで、分析していて楽しかったのですが、やっぱり知りたいのって、『潰れない会社』じゃなくて『株価のどーんと上がる会社』ですよね?(笑)

株価が上がると言っても色んなパターンがあります。ここ数年で、株価の高騰がもっとも広く有名になった銘柄と言えば、『パズドラ』で有名な(わたしの中ではラグナロクオンラインなのですが・・・)ガンホーさん。一時期はTV番組でも取り上げられる程注目された銘柄でしたが、どどーんと急騰したあとは、ずどーんと下がり、そこから先はじわりじわりと下降線を辿っています。

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こういった銘柄は、変化の激しい業界では珍しく有りません。ああ、諸行無常。

安定して上昇する銘柄が知りたいのです

2ちゃんねるの市況板なんかを見ていると、こういうった銘柄の動きにしっかりくいついて、がっつり儲かっている人もいるようですが、タイミングを外すと大きく損失を発生させてしまうリスクも多く抱えています。

投資スタイルは人それぞれですが、個人的には『短期的な変動は無くとも、ゆっくりしっかり伸びる銘柄がいいなあ』なんて思ってしまうタイプです。一時的な話題性より、着実堅実に成長できる企業を狙って、美味しいものは無いかしら?と探す日々です。

そういった、長期的な投資スタンスを取っている投資家で一番有名な人といえば、やはりオマハの賢人ことウォーレン・バフェット氏ですね。

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術

  • 作者: メアリー・バフェット,デビッド・クラーク,井手正介,中熊靖和
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2002/05/20
  • メディア: 単行本
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バフェット氏は、長期的な成長が見込める企業を『永久保有』するなんてすげえこと行っていますが、それもこれも自分の目利き力に自信があるからこそ出来ることでしょう。

もちろん、わたしのようなこわっぱにはそんなこと真似のしようがありません。ただ、これから未来の話は分からなくとも、いままでの過去のデータは解析が出来ます。しっかり成長してきた企業から、共通点を探していくことは出来るはずです。温故知新だいじ。

というわけで、過去10年間で株価が最も上昇した銘柄のベスト50を作ってみました。

分析の対象としたものは、10年前から上場していた全企業。また、ある年だけ急に上昇した銘柄は避けたいと思いますので、年間騰落率がプラスが7回以上のものとしてみました。

行っくぞ〜( ・`д・´)

10位 日本ハウズイング(4781)

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始値:763 終値:3,710 騰落率: + 386% 年平均騰落率 +19.5%

東証二部上場のマンション管理会社さん。こちらの情報(ほとんど知られていない、マンション管理会社ランキング(決定版) - マンション・チラシの定点観測)によると、マンション管理会社のシェア第二位の隠れた名門企業。

売上高もさることながら、リーマン・ショックの落ち込みからの利益の上昇の仕方が美しい。ROEも14%となかなか高効率。セグメント別情報を見ていると、本業であるマンション管理事業もさることながら、営繕工事などの分野の伸び率が高い。

築年数の古いマンションの戸数は増えており、そういった修繕事業は大きな収益に繋がる可能性も高く、また震災以降高まる災害時の対策への取り組みにも重点をおいている。需要が急減することも考えづらく、今後の動きも楽しみだ。

9位 ニトリホールディングス(9843)

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始値:1945 終値:9650 騰落率: + 396% 年平均騰落率 +11.8%

お値段以上♪で有名な家具やさん。おそらく、10年前に購入した人は、相当お得な買い物が出来たであろう。売上高は2倍以上、営業利益は3.6倍にもなり、気づけば業界首位である。

シンプルで価格が安いニトリの家具は、デフレの波にも乗って大きく拡大。安さもさることながら、自社企画・開発の製品開発力が大きな強みである。その結果として、営業利益率は16.5%にも達しており、まさに『物売るってレベルじゃねーぞ』といえる。

主なライバルは、イケアや無印良品あたりだろうが、なんだかんだで市場の大きな低所得者層には訴求力が高く、これからも元気に店舗数を増やしていくようである。あとは、オンラインサイトさえちゃんと動けば文句なしである。

8位 ウェザーニューズ(9843)

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始値:733 終値:3995 騰落率: + 445% 年平均騰落率 +34.4%

きっと誰もが思ったはずだ。『そんなものが商売になるのか?』と。ウェザーニューズ社は、天気予報の情報を販売する企業である。もともと、アメリカにあった会社からMBOの形で独立し、その後分離元企業を買収したため、いまや世界最大の気象情報企業である。

主な収益源は、船舶などの交通分野へ、きめ細やかな情報提供をすることによる情報提供料である。その他にも、化粧品会社向けに紫外線情報を販売していたりと、意外と商売の幅広い。考えてみれば、正確な天気予報の情報というのは、業種によっては企業の収益を左右する最重要情報である場合もあり、その価値は大きい。

ビジネスモデルが確立するまでは、長く赤字が続いた会社でもあるため、この会社を信じ、支え続けた株主には賛辞を贈りたい。それだけに、労働問題についてもしっかりと考えていってもらいたい。

7位 ヤオコー(8279)

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始値:1115 終値:6330 騰落率: + 467% 年平均騰落率 +19.5%

もはや、GMSといえばイオン、イオンといえばGMSの岡田帝国全盛期において、未だ26期連続の増収増益を実現する埼玉の化け物スーパーである。

EDLPの名の下、多くのスーパーが、画一的で安定した科学的な経営手法を目指す中、『ヤオコーにいけば今日の晩ごはんが決まる』と言われるほどの個店の提案力で勝負する、時代の流れなんてクソ食らえな企業である。また、全店を休業にし、全従業員をさいたまスーパーアリーナを集めて『社内運動会』をやっちゃう全体的に古き良き香りのする企業である。

出店エリアが関東圏に限られていることもあり、まだまだ成長の余地は幾らでもある。果たしてこの泥臭い経営がどこまで続けることが出来るのか?今後の展開が楽しみな企業のひとつ。

6位 イオンディライト(9787)

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始値:632 終値:3850 騰落率: + 509% 年平均騰落率 +10.6%

岡田帝国の話を書いていたら、気がついたらその一個上にファミリー企業が出てきた。ざっくり言うと、イオンモールなどイオングループ店舗の警備や清掃、自販機の運営などを行う『岡田商店の守衛さん』である。売上高の7割をグループ内に依存する企業である。

親会社様は、買収したダイエーはやる気はない上、よせばいいのに頑張った小規模店では空振りし、ミニストップは業界の中で限りなく空気に近い。もはや『ただ図体がでかいだけ』のポジションに収まりつつあるが、『親会社の図体がでかくなればなるほど儲かる』のがこの会社である。

ただ人口減少社会の中、岡田商店永遠のライバル、イトーヨーカドーこと鈴木商店は40店舗閉鎖を打ち出している。拡大しすぎた事業を畳む動きは今後も広がっていくことは想像に難くない。ただ、得られたノウハウを活かせる分野はGMSだけでは無いはずであり、今後よりいっそうのチャレンジが求められる。

5位 科研製薬(4521)

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始値:808 終値:5730 騰落率: + 609% 年平均騰落率 +25%

とにかく利益の波が激しいことで知られている製薬業界の中で、年々着実に利益を積み上げてきたのが科研製薬だ。

科研製薬は、旧理研グループのDNAをひく、名門製薬メーカーである。この業界では『ブロックバスター』と呼ばれるデカいあたりを出せるかどうかが成功の鍵になる。科研製薬の得意分野は、整形外科・皮膚科・外科。特に、一番の主力商品である『アルツ(関節機能改善剤)」は、特許が切れてから長く立つにもかかわらず、多くの多額を上げている。今後、高齢化社会がより進んで行くことを考えれば、需要は大きい。

4位 コスモス薬品(3349)

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始値:1825 終値:1550 騰落率: + 752% 年平均騰落率 +21.5%

薬が名前に入る会社が二連続となったが、こちらは作る方ではなく売る方。コスモス薬品は、九州を地盤としたドラッグストア。最近、東進を進めており、三重にまで到達した模様。

ドラッグストア業界は、首位がマツモトキヨシ、二位がサンドラッグ、三位がツルハとなっているが、いずれもどちらかというと都市型店舗が中心の企業に思われる。第四位につけるコスモス薬品は、郊外型の店舗運営。そして、売上構成の53%が食品となっていることが特徴的である。

医薬品や化粧品は利益率が高いものの、ボリュームは取りづらいところがある。そこを、郊外型の立地とし、食品類と組み合わせたところが地方のニーズと大きく合致したことが成功の大きな要因だろう。

3位 フジ・コーポレーション(7605)

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始値:175 終値:2190 騰落率: + 1151% 年平均騰落率 +32.3%

なんだこれ。と思った方も多いだろう。社名からは全く想像が付かないが、『タイヤ屋さん』である。車は乗ったとしてもレンタカーなのでほとんど知らないが、タイヤ&ホイール館と言われれば、名前くらいは聞いたことがある。

こういったカー用品店と言えば、様々なカー用品を取り扱っているのが一般的であるが、売上を見るともうほぼ『タイヤ』しか見えない。カー用品の中でもタイヤは、消耗品でもあることから、比較的広い層に需要が大きく、また小物と違い、大きく重たいタイヤは、その管理にあたって技術力が求められる。

この分野に経営を集中させることは、なかなか優れた判断だと思う。まだまだ出店余地は大きく、これからも滑らない経営を目指して欲しい。

2位 パイロットコーポレーション(7846)

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始値:462 終値:5890 騰落率: + 1174% 年平均騰落率 +35.2%

ここ10年の中で、文房具業界最大の発明といえば『フリクション』だろう。消せるボーールペンという発想は何も珍しいものではない。わたしの知る限りでは、三菱鉛筆も同様の商品を開発していた気がするが、随分と筆記性が悪かったように思われる。

一方のフリクションは、書き味からして通常の水性ボールペンと比較しても遜色なく、その機能性から『フリクションはフリクションであってボールペンではない』と言っても過言ではない。また、国内だけでなく海外、とくに学校での『鉛筆文化』の無い欧州では非常に人気であるようである。

売上の半数以上を海外で稼ぐようになったパイロット。消えることのない記録を今後も積み重ねていってもらいたい。

1位 セリア(2782)

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始値:262 終値:5850 騰落率: + 2132% 年平均騰落率 +44.6%

安い商品の中からキラリと光る商品を探す。100円均一を愛好する人の中には、ただ安いだけでなく、その中に光る個性を見出すことにことに喜びを見出すひとも多いのでは無いだろうか。きっと、この会社を10年以上前から保有していた投資家もそんな人達ではなかったのだろうか?

薄利多売の印象の強い100円均一だが、セリアの粗利率は43.4%。営業利益率は8.9%に達する。財務の効率も高く、ROEは20%を超える超優良企業である。

セリアの特徴は、DIYをターゲットに見据えたおしゃれな小物と、それを演出する明るい店舗づくり。勿論、一般的な100円均一で扱うような商品も多数取り揃えるが、ただ安い商品を並べているというよりも、欲しいものを必要な量だけ小さく小分けに取り扱っている印象が強い。

10年で20倍以上となった株価だが、まだまだこれかも『お買い得商品』といえるかどうか、今後の動向が面白い会社である。

あなたの周りの高収益企業

まず、お断りしておきたいのが、ここに挙げた銘柄は『過去10年間』で株価が上昇したものであって、これからも伸び続けるものとは限らないということです。集計方法がちょっといい加減だったため、比較的後半戦に上昇のペースが上がった銘柄も多く、此処が天井になる可能性も否定できませんので、ご注意くださいね。

さーて、ずらっと並べてみましたが、いかがでしたでしょうか?何個ご存知の会社がありましたか?『え、そんなに儲かってたの!?』という会社も多かったのかもしれませんね。株価というのは、理論的には『割引現在価値』で決まるものとされています。

色々端折って説明すると、『将来発生するであろう利益の予想額』をベースに計算されますが、その予想の結果が人や状況によって異なるため、上がったり下がったりをしながら売買されるわけですね。最初に、さんざんけなしたガンホーさんの名誉のために貼り付けて置きますが、ガンホーは売上も利益も中々悪くは有りません。

http://valuationmatrix.com/api/chart?tickers=3765&w=500&h=500&y=%E5%A3%B2%E4%B8%8A%E9%AB%98%E5%90%88%E8%A8%88&yunit=%E7%99%BE%E4%B8%87%E5%86%86&ytype=bar&y2=%E5%96%B6%E6%A5%AD%E5%88%A9%E7%9B%8A&y2unit=%E7%99%BE%E4%B8%87%E5%86%86&term=10

でも、ここから先の成長が期待できない、と思っている人が多いため株価は残念な感じになってしまったんですね。なんと今ならPERは8.67倍です。

ですので、実際にこれから成長が見込まれる企業であってもそれが幅広い人に予想されている銘柄であれば、売上高は上がって当然であって、成長のペースが鈍化したとみられると下がっていってしまいます。

今回取り上げた銘柄は、『大企業』といわれるとちょっと違うかなあ?という感じの会社さんが多かったように思われます。前回の記事でも書きましたが、多くの資金を動かす機関投資家は、小型株にはあまり食指を伸ばさない傾向にあります。

企業規模が小さいと、一般に経営の振れ幅が大きく、流動性も低いためリスクが大きいからなんですね。だいたい、時価総額で300億円を下回ると機関投資家の投資対象から外れます(いわゆるマイクロキャップ銘柄)。その為、分析が十分に行われなかった結果、『思ったよりいいじゃん』というものが出てくるとすればそういった小型の銘柄になります。

財務諸表よりも分析すべきもの

ただ、財務諸表といくら睨めっこしたとしても、怪しげな会社をフィルタリングする効果はあるかもしれませんが、儲かるかどうかがわかるかというと実に怪しい世界です。

企業の長期的な将来的な成長性を分析したいのあれば、その企業の置かれた環境について長期的な視野で分析することが必要になります。よくPEST分析とか言ったりしますが、すなわち、

  • Politics(政治的要因)・・・例:派遣法の取り扱い、排ガス規制。
  • Economic(経済的要因)・・・例:労働者の賃金の推移、商圏人口の推移
  • Social(社会的要因)・・・例:少子高齢化、価値観の変化。
  • Tecnorogical(技術的要因)・・・例:スマホの普及、燃費の向上。

を巡る状況について、どのように推移すると思うのか?そういうところを見ていくと面白いかもしれませんね。あとはもう少し狭い範囲だと、いわゆるファイブフォース分析とかかな。今回、ピックアップした企業は、周囲の環境を上手に読み、成長をしていったように思われます。

αを捕まえろ

投資の世界では、日経平均やTOPIXのなどの市場全体の平均のリターンをβ、それを上回るリターンをαなんていう言い方をします。言い方を帰ると、みんなの平均点がβ、それを上回った努力部分がαって感じかな。

『どうせコストをかけたところでどうなるか分からんけど、ひとまず平均点でもそれなりのリターンにはなるから、下手こくよりきっちり低リスクにβを狙っていったほうが良くね?』という考え方が現在の大きな趨勢かなあと思います。

ウォール街のランダム・ウォーカーいわく、

  • 1年間でみると、プラスの「α(アルファ)」を出すファンドが約52%。
  • 3年間でみると、プラスの「α(アルファ)」を出すファンドが約32%。
  • 10年間でみると、プラスの「α(アルファ)」を出すファンドが約21%。
ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理

ウォール街のランダム・ウォーカー <原著第10版>―株式投資の不滅の真理

 

 とも言われているところから、やっぱりしっかりαを狙っていくのはかなり難しいように思えます。でもね、今回まとめを書いてて一番思ったことは、

ビジネスっておもしれえ

ってことなんですよね。資金運用の軸足を置くべきは、市場のリターンをしっかり享受出来るインデックスとかだと思うんですけどね。短期的な成果が求められない個人の強みとして、身の回りの、ちょっとだけ変わったビジネスをしている企業をポートフォリオに組み入れておけば、楽しめるかもしれませんよ♪

じゃあ、残りの会社も50位くらいまで貼っておきますね。

コード名称2005年8月始値2015年8月始値通期増加率増加率平均値上がり回数標準偏差財務株価
2782 セリア 262 5850 21.33 0.45 7 0.89 財務 株価
7846 パイロットコーポレーション 462 5890 11.75 0.35 7 0.61 財務 株価
7605 フジ・コーポレーション 175 2190 11.51 0.32 8 0.41 財務 株価
3349 コスモス薬品 1825 15550 7.52 0.22 7 0.43 財務 株価
4521 科研製薬 808 5730 6.09 0.25 8 0.41 財務 株価
9787 イオンディライト 632 3850 5.09 0.11 7 0.37 財務 株価
8279 ヤオコー 1115 6330 4.68 0.20 7 0.42 財務 株価
4825 ウェザーニューズ 733 3995 4.45 0.34 7 0.69 財務 株価
9843 ニトリホールディングス 1945 9650 3.96 0.12 8 0.23 財務 株価
4781 日本ハウズイング 763 3710 3.86 0.20 9 0.19 財務 株価
7309 シマノ 3570 16330 3.57 0.20 8 0.22 財務 株価
2751 テンポスバスターズ 530 2136 3.03 0.30 7 0.59 財務 株価
2221 岩塚製菓 1520 6060 2.99 0.13 8 0.22 財務 株価
4536 参天製薬 516 1895 2.67 0.13 7 0.21 財務 株価
1949 住友電設 461 1674 2.63 0.24 7 0.44 財務 株価
6755 富士通ゼネラル 415 1502 2.62 0.24 8 0.25 財務 株価
4996 クミアイ化学工業 266 962 2.62 0.17 7 0.31 財務 株価
4298 プロトコーポレーション 500 1779 2.56 0.06 7 0.23 財務 株価
4699 ウチダエスコ 332 1170 2.52 0.13 7 0.33 財務 株価
5947 リンナイ 2715 9090 2.35 0.10 7 0.14 財務 株価
7649 スギホールディングス 1780 5860 2.29 0.10 7 0.25 財務 株価
1719 安藤・間 248 795 2.21 0.34 7 0.91 財務 株価
2923 サトウ食品工業 1120 3400 2.04 0.09 7 0.15 財務 株価
1950 日本電設工業 740 2238 2.02 0.14 8 0.28 財務 株価
6837 京写 229 689 2.01 0.19 7 0.39 財務 株価
9441 ベルパーク 915 2716 1.97 0.25 7 0.55 財務 株価
4628 エスケー化研 4190 12000 1.86 0.19 7 0.32 財務 株価
1883 前田道路 764 2168 1.84 0.12 7 0.26 財務 株価
9776 札幌臨床検査センター 459 1291 1.81 0.14 7 0.25 財務 株価
4318 クイック 340 930 1.74 0.25 7 0.61 財務 株価
1827 ナカノフドー建設 289 773 1.67 0.21 8 0.47 財務 株価
7917 藤森工業 1271 3360 1.64 0.08 7 0.35 財務 株価
2875 東洋水産 1800 4550 1.53 0.12 7 0.24 財務 株価
2925 ピックルスコーポレーション 446 1105 1.48 0.13 7 0.28 財務 株価
4674 クレスコ 715 1758 1.46 0.17 7 0.30 財務 株価
3353 メディカル一光 1885 4500 1.39 0.11 8 0.18 財務 株価
5015 ビーピー・カストロール 560 1311 1.34 0.21 7 0.44 財務 株価
8096 兼松エレクトロニクス 791 1831 1.31 0.09 7 0.17 財務 株価
5949 ユニプレス 983 2272 1.31 0.12 7 0.18 財務 株価
6770 アルプス電気 1676 3805 1.27 0.28 7 0.64 財務 株価
6463 TPR 1295 2933 1.26 0.16 7 0.40 財務 株価
5280 ヨシコン 540 1201 1.22 0.19 7 0.60 財務 株価
4544 みらかホールディングス 2380 5210 1.19 0.05 7 0.13 財務 株価
4668 明光ネットワークジャパン 587 1273 1.17 0.10 9 0.20 財務 株価
9375 近鉄エクスプレス 2110 4545 1.15 0.06 7 0.30 財務 株価
1968 太平電業 617 1284 1.08 0.06 7 0.32 財務 株価
3950 ザ・パック 1341 2763 1.06 0.02 7 0.27 財務 株価
2400 メッセージ 2140 4375 1.04 0.17 7 0.22 財務 株価
9069 センコー 419 855 1.04 0.13 8 0.27 財務 株価
2786 サッポロドラッグストアー 900 1808 1.01 0.15 7 0.31 財務 株価

あ、あとわざわざ言うほどでも有りませんが、『投資は自己責任』でおねがいしますね。

ではでは、今日はこの辺で