ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

何故iPhoneの価格は高くなったのだろう?

こんにちは、らくからちゃです。

さて今週末のネット界隈は、どこもかしこもiPhoneの話題で持ちきりでしたね!わたしは、今のXperia Z3を気に入っているので、暫く買い換える予定は無いのですが、予約が出来たかどうかなどで、色々な悲喜こもごもがあった様子。

ちょっとその中で気になったのが、新iPhoneのお値段です。一昔前では信じられませんが、いまやiPhoneは全キャリアで発売され、かつSIMフリー版まで発売されるようです。各キャリアで本体代金を購入した際の金額は下記のようになります。

 16GB64GB128GB
ドコモ 99,792 99,792 99,792
au 97,080 109,920 122,760
ソフトバンク 93,600 106,560 119,520
SIMフリー 98,800 110,800 122,800

(出典:iPhone 6s/6s Plusのドコモ・au・ソフトバンク・SIMフリー価格の完全表! : ギズモード・ジャパン)

うーん、どうでしょう。『相場』が分からないとなんとも言えませんが、安い金額では有りませんね。ちなみに、携帯電話の端末は、各社契約期間中が割引が発生します。それも含めた金額で、前回モデルと比較するとこうなります。

全体的に2万円ずつ値上がりしているのでしょうか。そういや、わたしのブログ仲間のヒトデ野郎も、最近の記事でこんなことを書いていました。

いくら分割払いとはいえ流石に高くないかと。だってこれ本体代金のみでしょ? 通信料別でしょ? いつからお前パソコンになった?

 確かに。ここ暫く、急にスマートフォンの値段が上がったように思います。

iPhoneってこんなに高かったっけ?

 わたしがiPhoneを使っていたのは、かれこれ5年近く前の入社してすぐの頃。確かその時に利用していたのはiPhone3GSだったような気がします。そういや、その頃っていくらぐらいだっっけな?と思っていたところ、こんなツイートが流れてきました。

( ゚д゚)ぽかーん 。。。

ここ5年でお値段が2倍以上になってしまったようです。数字だとちょっと分かりにくいので、グラフにしてみると、こんな感じですね。

f:id:lacucaracha:20150914011059p:plain

い、いやまあ色々と機能も向上しているし、仕方ないよね・・・?なんて思っていると、続けてこんなツイートが。

ええっと、ワケガワカラナイヨ。要するに、アメリカでの価格はほとんど変わっていないのに、日本での値段がこんなに高くなってしまったということ?

円安による家計への打撃

さて、どうしてこうなった!?と思っていたところ、先ほどの方が、こんなツイートをしていました。

確かに、この期間ドル円相場は大きく変動しました。ここで、為替相場の変動を日本での発売日に合わせてプロットしてみると、こんな感じになりました。(9月25日はまだ来ていないので直近で評価してみました)

f:id:lacucaracha:20150914012438p:plain

なるほど。ドル円の推移がiPhoneの価格に影響したんでしょうかね。確かに、アベノミクスの目指した3本の矢の1本目である大胆な金融政策の結果、日銀は大量の資金を市中に流出させます。その結果、円の価値は大幅に下落し、製造業などを中心とした輸出産業に大きな追い風を吹かせる結果となりました。

改めて、『どうして円安になると製造業が儲かるのか?』についておさらいすると、外貨建てで見た日本の生産コスト、つまりお賃金が安く評価されるために製造業にとっては競争力につながります。一方で、会社から支給されるお賃金が変わらない場合、労働者が買うことの出来る外国製品の量は減ってしまいます。

もちろん、消費税増税の影響がかなり大きかったのですが、ここ最近物価が大きく増加している反面、お賃金のほうはそれに追いついておらず、労働者の実質賃金は下がり続けています。少し鮮度の落ちた資料では有りますが、ニッセイの発表した結果によると、2014年10月の段階で実質賃金は16ヶ月のマイナスとなってしまいました。

https://www.nissay.co.jp/enjoy/keizai/images/pict_59_03.gif

 

実質賃金は16カ月連続マイナス

 厚生労働省が発表している毎月勤労統計をみると、名目賃金上昇率つまり給与明細の数字は14年3月から14年10月(※4)まで8カ月連続でプラスが続いています。しかし実質賃金上昇率は、物価上昇率が賃金上昇率を上回っているため、2014年10月では前年比-2.8%(※4)、2013年7月から16カ月連続のマイナスとなっています。

 (出典:第59回 給与明細の数字はプラス!なのに実質賃金はマイナス2.8%??(2014年10月) | 日本生命保険相互会社)

その後、やっとプラスに転じたのは2015年7月、2年3ヶ月ぶりのことでした。値上げラッシュの4月以降に値上げされた商品だけでもこんなにあります。

気がつかないところで、どんどん日用品の値段が上がっていっている気がします・・・。アベノミクスの目指すインフレでの経済成長というものは、国内での需要が増加し、労働需給が改善し、『国内の物価』が増加することによるインフレだったような気がするのですが、これってどうなんでしょうね?

犯人は円安だけ?

しかし、ここで一つ疑問点があります。果たして、円安だけが犯人なのでしょうか?米国での販売価格である649ドルを日本円に換算し、並べてみました。

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当初、iPhoneの価格は当時のドル円で換算したところ、米国で買うよりも安い金額が設定されていました。それが、新機種が発売する度に格差は拡大し、今では1.2倍も割高となってしまいました。物の値段は、需要と供給で決まります。またまた古い情報にはなりますが、日本は世界中でも相当iOSのシェアの高い国です。

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(参考:【2015】iPhone iOSとAndroidスマホのシェアを日本国内と国別で比較! | Apple Geek LABO)

なので、『ちょっと高くしても日本人なら買うだろう』と甘く見られているのでしょうか?『そうであればいいんだけどな』というのが正直な感想です。日本人が、iPhoneの価値を正当に評価し、その結果が価格差に反映されているのであれば、それは何も問題じゃありません。

日本の携帯電話の売り方が価格差に影響を与えているのでは無いのか?ということを個人的には懸念しています。

皆様御存知の通り、我が国において携帯電話は割賦販売+契約期間中の割引発生が基本的な販売方法です。その結果、『一括ゼロ円』など、実質的な価格が覆い隠されるような契約形態が広く普及しました。しかし、前掲の記事でヒトデ君がぼやいているように、こういった『割引』は機種変更など、キャリアへの新規流入が伴わない時には行われない場合が多くあります。その結果として起こることは、

  • 見えづらい基本端末価格が高く、故障時の費用が非常に高くつく
  • キャンペーン適用の対象とならない既存契約者の機種変更が高くつく

状況であることは皆様もご存知の通りです。また、多くのケースで、割賦販売の期間=割引発生の期間が2年おきであることから、『2年おきの機種変更』が有利なように料金体系が設計されており、そのコストを長期間利用するユーザが負担するようになっています。ですので、多少端末の値段が高くとも、その他のユーザが負担してくれるので、あまり気にする必要がない、という状況に見えます。

勿論、みんなきちんと2年おきに別キャリアに移動すればこういった問題はおきないのですが、お年寄りや普段の仕事が忙しくて情報収集の時間がない(好きな言い方では有りませんが)情報弱者が一定数存在するからこそ、できている方法でしょう。

いわゆる、レ点商法もそうですが、どう考えても、『健全』とは思えない状況です。

スマートフォンは、その多くが輸入品です。この仕組が『海外の企業にいいように使われている』のであれば、国民全体にとってもマイナスの事態です。

最後に、わたしはiPhoneを利用はしていませんが、素晴らしいプロダクトだと思います。日本の携帯電話通信網も、世界的に見ても高い水準であると思います。だからこそ、こんな不健全な商売をしなくとも、適正な商売ができるんでねえの?と思ってやみません。

安部総理も、『安くせえや』というだけでなく、こういったビジネスの仕方に対して、行政指導や法制化で対応していくべきじゃないのでしょうか。

 

ではでは、今日はこのへんで。