こんにちは。らくからちゃです。
昨日は、土用の丑の日をだったそうですね。朝から昨日の売れ残りのうなぎを食べていました。スーパーのお惣菜コーナーで買った安うなぎですが、一日過ぎたところで味が落ちるわけでもなし、3割も安くなるのは、大変お得な感じが致します。
さて、『売れ残り』と辞書をひくと、このような記載があります。
1 商品が売れないで残ること。また、その品。「バーゲンセールの―」
2 婚期を過ぎて女性が独身でいること。
ただ単に、『物が売れなかった』ことだけでなく、その隠喩表現である『独身女性』についても、辞書に掲載されているんですね。『ゆとりずむ』でも何度か取り上げましたが、いまや女性の1割が『死ぬまで結婚しない(生涯未婚)』時代です。忙しい生活の上、交際期間も長期化し、一度男性との接点をなくしてしまうと、結婚までこぎつけるのは大変難しいようです。
そんな中、フジテレビにて『彼氏なんていらない!私がひとりでいる理由ーこれも人生の楽しみ方ー』という特集が、「みんなのニュース」(フジテレビ系)2015年7月22日の18時15分頃に放映されました。
この件について、実際にフジテレビに取材を受けた方のツイートについてまとめた記事が、ネット上ではそれなりの盛り上がりを見せましたので、ご覧になられた方も多いと思います。
ただ、改めて内容を追ってみると『はてな』と思うところが何点か出てきました。もし、お時間があれば一緒に考えて頂ければ幸いです。
このまとめはどうして作られたの?
最初に、今回の経緯について超ざっくりですが、確認してみましょう。
- 某テーマパークに、一人で遊びに来ていた22歳女性にフジテレビが取材を申し込む。
- 取材目的として、22歳女性は『一人でも楽しい女子の特集』と言われたと主張。*1
- (暗に)22歳女性は取材を拒否するも強行し、その結果を許可無くテレビ放映
- 取材中、22歳女性は、『彼氏いらないわけじゃなく、彼氏が出来ない』と発言。
- その部分は一切カットされ『彼氏要らない(ドヤ)』として放映される。
という感じでしょうか。本当は、元々の記事にリンク飛ばせば『22歳女性』のツイートが掲載されているので、そうしたほうが正確だと思いますが、わたしはそれをしたく有りません。
なぜなら、当該記事には、放映された時の『本人の顔写真』『名前』『年齢』が全て画像の形で掲載されているからです。えーっと、日本のインターネットは、『一度テレビで放映されたものであれば、一般人の個人情報を自由にネットにあげても問題ない』んでしたっけ?
芸能人や政治家ならとにかく、一般の人ですよ?『この写真がなければどうしてもこの状況を表現出来ない』というのであればわかりますが、さすがにモザイクくらいかけるでしょう。有名な『私は特にどこでもいいです』の件でもそうですが、ほうっておくと二次被害にもつながりかねません。
こちらの方は、たくましく頑張られているみたいなのと、芸能活動もされているようなので、リンクを貼っておきます。
まとめ記事で膨らむ悪意
さて、当該記事ですが、冒頭にこんな書き出しがあります。
フジテレビで彼氏いらない女子特集!→ネットで誹謗中傷→取材を受けた本人「一人でも楽しい女子特集って聞いたのに…」
ふーむ。ありがちな流れではありますが、これだけ読めば『超解釈をして、本人の意図しない形で放映したフジテレビ』にも非はありそうですが、誹謗中傷をした人にも直接的な責任はあるはずです。でも、無いんですよね、そういった『ネットで誹謗中傷』の部分が。
いつもの例であれば、『こんな感じで叩かれました』みたいな、『誹謗中傷をした人たち』も吊るしあげられているのですが、もとの記事を見ても、強いて言えば、一枚目のキャプチャーくらいしかそういったものが有りません。『ネット』というのが何を指しているのか分かりませんが、ひとまずtwitterとかなのでしょうか。
というわけで、『Yahoo!リアルタイム検索』で、こんな素敵な女性に誹謗中傷した輩をとっちめて懲らしめてやるぞぉ♪と意気込み調べてみました。
あれれー、みんな思ったより冷静だ〜
どちらかというと、『記事』が作られた後のほうがひどいよなあ。
本人あてのリプライも訳わからんくらい飛んでいるし、中身見てても『なんやこれ』ってものも多いし、こりゃわたしでもこの状況になったらツイ垢に鍵かけるわ。
『シェア』という暴力
最後に、今回の一連の流れを見たわたしの感想ですけど
- フジによって不本意な取材結果を流される
- その件についてぼやいたところ、なんか知らないうちにまとめられる
- 顔写真・名前・年齢の3点セットつきで、楽しい休日を全世界にシェアされる
としか見えないんですけど、どうでしょう?ここには、『そんな軽率なことをする方』はいらっしゃらないとは思いますし、本人が居ない中でこんなこと言っても仕方ないんですけど、皆さん逆の立場ならどうです?
ブログに記事を書くのは、ちょっと骨が折れるし、タイプしている間でも『これ書いちゃっていいのかな』と軽く考えながら書けます。でもtwitterのリツイートやシェアは軽いですよね。弓持って戦っていたところに、ブローニングM2が支給されちゃった感じ?あなたが、リツイートボタンを押しても、『リツイートされた数』がぴょこっと一個増えるだけ。その軽さが、判断を誤らせることもあるんじゃないのかなあ。
外から眺めている分には、『マスゴミ』よりも酷くね?って感じを受けましたけどね。
そこに愛はあるか
フジテレビについては、『BPOに持ち込め!』というような話を見ましたが、BPOといえば、皆さんこんな報告書を読んだことはありますか?(リンク先はPDFです)
ざっくりまとめると、テレビ東京の作成した『ありえへん∞世界』という番組の中で、『南大東島』の村民が、いろんな風評被害を受けた件についてBPOがまとめあげた資料です。
個人的には、放送界のひとだけでなく、ネットに触れるひとにはみんなひと目通してほしいなあと思う文章です。基本、わたしなんて切り貼りで記事を作っていますので、あらためて身につまされる思いで読んでしまいました。
目の前に広がる現実は、無数の事実から成り立っている。もちろん番組は、そのすべてを写し取ることはできない。制作者は描こうとするテーマに基づいて、そこからいくつかの事実を切り取り、構成し、演出することによって番組を作り上げていく。
この、事実の切り取り、構成、演出が、真実の発見や追求のプロセスになることもあれば、現実の曲解や捏造につながることもある。番組制作はいつもこの危ういバランスの上で行われている。では、この真実の発見・追求と現実の曲解・捏造を分ける 境界線はどこに、どのように存在するのだろうか。 そして、この区別に失敗したとき、いったい何が起きるだろうか。
サンプルを2つ示しておきたい。
放送界の人が作った報告書だけに、中々『読ませる』文章ではありますが、今回のフジテレビ・twitterでの動きと重なる部分も凄く多いんですね。
しかし、取材者は無色透明な媒介ではない。現場に出て取材する者は、番組内容全体の責任を最前線で背負っている、ということを忘れないでほしい。多大なプレッシャーのなかでロケ・ディレクターをつとめたこの若い制作者には、今回の失敗を「取材者の責任とは何か」「放送における愛とは何か」ということについて考える契機にしてほしい、と私たちは切に願っている。
(中略)
普通に生きている人たちの人生はゲームではない。たんなる演技でもない。取材さ れた人たちにとってはエラーではすまされない現実の人生が、放送のあともずっとそ の町で、その村で、その場所でつづいていくのだから――。
勿論これは、『メディア』の人に向けて書いたメッセージであります。しっかり、取材を受けた人がその後どういう人生を過ごすことになるのか、少しでもいいので愛を持って考えて欲しいというメッセージです。何だか活かされてないなあと、悲しい気持ちになりましたが、フジテレビさんにはもう一度『取材を受ける人』が『受けてよかった』と思えるかどうかを考えて欲しいですね。
さて、メディアとは新聞・テレビ・ラジオ・雑誌だけでは有りません。まとめ記事やtwitter、はてブだって一部の人達にとっては重要なメディアです。しかも、読者とより密接に結びついているため、あなた自身もメディアと言ってもいいかもしれません。
もう、こんな画像が作られてから10年近く立つのですから、わたしも含めみんな学んでいかないとダメな気がしますねえ。
You (Time Person of the Year) - Wikipedia, the free encyclopedia
最後になりましたが、この記事が『三次被害』にならないことは十分注意したつもりではありますが、至らぬ点があればそっと教えて頂ければ幸いです。
ではでは、今日はこのへんで。
個人メモ 記事作成所要時間:1時間45分
*1:本人への敵意は全くないが、あくまで両方の立場を考えたいので、こういった表現となることをご容赦頂きたい