Hi, Im LaCucaracha.
以前の記事で、海外のサイトに上がっている情報を輸入しただけで褒めて貰えたので、図に乗って『おもしれえものないかなあ』と海外サイトをさまよい歩いていたらくからちゃです。
さて、今ニューヨークの株式市場ではある会社の決算の結果が注目されています。その会社の名前は・・・
言わずと知れた、IT業界で最も神に近い存在ですね。株価は、なんと一日で12%近くも上昇しました。
いやあ、景気が良くていいですね。ここまで株価が急騰した理由はといいますと、どうも決算がいい感じだったようです。
さて、一般の皆様がGoogleさんとお付き合いをすることと言えば、検索をしたり、Gmailでメールを書いたり、Youtubeでヒカキンさんやはじめしゃちょーを見たりするときがメインになると思います。
しかし、このブログをよんでいる皆さんの中には『Google Adsense』でGoogle神から広告報酬を頂いている方も少なくはないのではないかと思います。そこで今回は、『Google Adsense』の視点から、Googleの決算を読んでみたいと思います。
Googleの経営成績
まずは全体の売上像から見てみましょう。
ざっくり説明すると、
- Google Sites ・・・ AdWordsなど、Googleドメイン内での売上
- Network ・・・ Adsenseなど、Googleドメイン外での売上
- Other ・・・ GoogleDriveとかその他の有料サービスの売上
となっているようです。こうやってみてみると、まずはGoogle Sitseの売上の比率の大きさに驚かされますね。7割方はGoogleの検索結果の右側やてっぺんに出たり、Gmailの画面の端のほうに出る広告で稼いでいるようです。
売上高については、概ね市場の予想通りだったようですが、利益が市場予想を上回る結果であったため、株価が飛び上がった、ということのようですね。
営業利益率27%は羨ましい限りですね。
Adsenseの収入への影響は?
さて、これだけみると『儲かっとるんやったら、わてのAdsenseもウハウハやで』となりそうな気もするのですが、どうなんでっしゃろ?
それが、決算を見る限りでは、あまり明るい展望が見えてこないのです。まずは、クリック数を見てみましょう。前年同期比の伸び率で、好調な『Google Sites』を尻目に、『Network』はここ暫くマイナスを続けています。
今回の決算の報告において、偉い人はこんなことを言っていました。
Strong performance of core search business, particularly mobile, complemented by growth in YouTube and Programmatic Advertising
意訳すると
一番中核事業である検索のとこがめっちゃ良かってん。特に、モバイル。あと、ついでにyoutubeとプログラム広告もええ感じやで
ってところでしょうか(投げやり)。ちなみにクリック数ばかり見ていても仕方有りませんので、クリック単価も見てみましょう。こちらは、直近四半期で比較したものを並べてみると・・・。
うーん。厳しいなあ。全体的なマイナス傾向は否めませんね。そこを、Google Sitesのクリック数で補ったという感じでしょうか。この背景にあるのは、間違いなく『モバイルシフト』でしょうね。ちょうどついこの間、Googleさんは、『モバイルでの検索がPC/タブレットを上回る』なんて発表をしていました。
世は大モバイル時代。しかし、これはブログ書きにとっては、頭の痛い問題でもあります。
スマートフォンは儲からない
この『ゆとりずむ』についてご説明致しますと、直近30日間で
- デスクトップ ・・・ 約145,000回(40%)
- スマートフォン ・・・ 約194,000回(53%)
- タブレット ・・・ 約22,000回(7%)
広告付きアクセスが表示されています。こうやってみると、スマートフォンからのアクセス数は主要な流入元とも言えます。 一方、1PVあたりの単価は
- デスクトップ ・・・ 約0.23円
- スマートフォン ・・・ 約0.13円
と2倍近い差が開いています。その為、スマートフォンのアクセスばっかり伸びるのはなあ、というのが収益だけを見た場合の感想です。もっとも『お金稼ぎ』の為にやっているのではないので、そこまで気になりませんが、そこを重要視する人にとっては重要な問題でしょう。
さて、どうしてスマートフォンは『儲からない』んでしょう。色々な理由は考えられますが、ひとつは『画面の小ささ』ですね。広告を目にとめようにも、本文以外を表示するスペースがスマートフォンでは小さいのは紛れもない事実でしょう。
次に、『回線速度』。なんやかんやで、モバイルの通信回線は固定回線には劣ります。その為、動画や画像を駆使する広告ではなく、テキストベースの広告になってしまうんですね。そうすると、クリックする意欲も減退してしまいます。
最後に、『ユーザの行動』。PCだと、ちょっと次の作業が終わるまで広告でも見てみようか、という気分にでもなるのかもしれませんが、スマートフォンだと『特に興味ないや』となるとしまって他の作業に移ってしまいます。このへんも、広告のクリック率を下げる要素でしょうね。
さて、このことは随分前から言われていました。
Google、検索とYouTube広告が好調で2桁台の増収増益 - ITmedia ニュース によると
業績発表後の電話会見でポラットCFOは、CPCの減少はYouTubeのTrueView広告の好調を反映したものだと、第1四半期業績発表でのパトリック・ピシェット前CFOと同じ説明をし、さらに、モバイルでのCPCは増加しており、モバイルとデスクトップとのギャップは狭まってきているとも語った。
との発言もありましたが、正直どれくらい本当かなあってかんじですね。
Google本体は、比較的端末の影響を受けにくい『検索結果の中にぴょろっと表示する広告』で生きながらえることが出来ますが、ブロガーの飯の種であるAdsenseには中々辛い状況です。
広告の危機
以前、こんな記事がブロガーを震撼させました。
確かに、Appleからしてみれば、広告なんてブロックしてしまっても、自社の事業モデルとしては痛くも痒くも有りません。個人的には、『どうやって広告とそうでないものを見分けるんだろう・・・』というところは興味がありますが、Adblockが標準装備となるといったイメージでしょうか。
恐らくここでターゲットになるのは、AdsenseやA8.net、ValueCommerceあたりの配信している画像ベースの広告になるのでしょう。Googleとしては、『痛くも痒くも』とはいえませんが、正直全体の売上から見れば、そこまで大きなウエイトを占めるものでは有りません。
とはいえ、Googleにとって最も避けたい状態は、『ひとびとがGoogleで検索しなくなる』状態です。『何馬鹿なこと言っているんだ?』と思うかもしれませんが、
- ブロガーが記事を書かない
- 大手ニュースサイト等が幅を利かす
- そのサイト内検索で十分やんけ
というシナリオは、Googleにとって避けたい状態でしょう。だからといって、Googleが『ブロガーちゃん達が悲しむので、広告禁止とかやめてあげてもらえまちゅか?』とAppleに抗議してくれることないでしょう。ちなみに、そういった意味で、Googleの検索結果に出てこないfacebookはGoogleとしてはかなりの脅威です。
個人的には、Googleとしては、いずれこの道は通る道として既に予見した上で、大金を出してAndroidへの投資を行ったんじゃないかなあと思います。
Googleの戦略
さて、注目は今後Googleがどんな戦略を取るのか、です。まずは、スマートフォンの利用者増加は食い止めることが出来ませんので、『少しでも画面の大きなAndoroid』を積極的に拡販していくのがまずは手っ取り早い戦略のように見えます。もしかして、近年の『無駄に画面のデカいスマートフォン』の答えがこの辺りにあったり・・・したら面白いですね(笑)。
また、今後インフラへの投資もより一層進めていくでしょう。
こんなこともしていましたが、そろそろ自前の回線網を持って、通信業界に殴りこみをかけに来るところではないでしょうか。Android端末でグリッド通信網を組んで、P2P方のアンテナ不要の通信事業なんてやれたら楽しそうですね。
そこまで超未来の話でなくとも、国内でWifiスポットを一気に買収とか、『Youtube見放題』のMVNOサービスを企画していても不思議はありませんね。
また、こんなサービスも始めています。
Chromeを使えば、通信量が削減できます。Chrome上からのアクセスの半分くらいは圧縮ができます。勿論、Googleの広告は表示されます(笑)。これも『Googleさんがサービスとして始めた』というよりも『俺の広告を表示するのに邪魔な通信は圧縮して帯域空けさせる』ためにやっているといったほうが良いのかもしれません。
また、ユーザの行動ということでは、こんなことも始めるようです。
攻めてますねえ。Googleの検索結果からダイレクトにショッピングへ飛べます。もう、Adsenseなんて要らんわとでも言ってくれそうな内容ですね。
さてさて、いずれにせよこれから『Adsense』でお小遣いを稼いでいくにはいろいろと厳しい時代に入りそうです。ただこれはあくまで『全体のパイ』の話。その中で、あなたのブログがアクセス数を伸ばすことが出来れば、ちゃーんと収益を生むことが出来るはずです。ふきのとうのように、雪から芽を出す人もいるはずですよ。
さて、これから皆さん何を書きますか?
ではでは、今日はこのへんで。
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