こんにちは。
先日、東京観光をしていた祖母は、『新神戸を寝過ごして、気がついたらは博多に居たらどうしよう!?』と怯えながらも、無事自宅まで帰ることが出来たようです。めでたしめでたし。
さて、またぼけっとネットサーフィンをしていると『お年寄り』について気になる記事を見つけました。
ざっくりまとめると、
というような内容でした。ただ、記事を読んでいて『はてな』と思うことが何点か有ります。
- そもそも、所得を『家計』ベースで計算したら、独居率の高い高齢者は、所得が下がる可能性が高いのでは?
- 例え収入が少なくとも、住宅ローンの支払が終わっていることなど、家計に余裕はあるのでは?
などなど疑問が浮かんできました。というわけで、調べてみました(゚Д゚)
高齢者はその他の世代より所得が低いのか?
まずはこの疑問から。統計情報を元に、グラフにしてみました。
だいたい元記事のグラフとおなじになりましたね。元記事では、500万円以上が、100万円刻みになっているという違いがありますが、だいたい同じ感じですね。たしかにこれだけ見ると、高齢者は所得が低いようにも見えます。
ただこれは、『世帯』ベースです。いまや、兼業主婦どころか、ダブルインカムが一般的になりつつあるご時世ですので、世帯ベースだと構成人員の少ない高齢者は不利ですね。そこで、人数ベースに直したものがこちらです。
うーん。随分と見えてくる景色が変わってきました。これだけみると、『全体的には、高齢者は貧乏だが、そこまで言うほどでも無くね?』ということが言えるかもしれません。
高齢者は何にお金を使っているのか?
そもそも、高齢者が市場にとって『良い消費者』か『悪い消費者』かを判断するのに、『所得』で判断するのは不思議な話ですよね。そこで、消費者が何にお金をかけているのかについても調べて見ました。まずは、世帯ベースから。
で、併せて一人あたりベース。
うーん。これ、グラフより表の方がわかりやすそうですね(*ノω・*)
世帯一人あたりベースになおして、顕著な差が出ているのは『教育』の項目。全体では3000円くらいの支出がありますが、高齢者では100円程度。これは、子育てが終わっていることが大きく影響しているんでしょうね。あとは、『保健医療』の全体で4500円に対する、高齢者の6,500円とこちらは高齢者が大きくなっています。まあ、ここら予想の範囲内ですね。
ちょっと予想外だったのが、食料・光熱・水道・家具・家事用品については、その他の世帯を上回る結果となっています。一方で、『被覆及び履物』『交通・通信』については、その他の世帯を下回っています。
なんだか、『おしゃれして遊んで回りたいけれども、足腰が弱くて、身近な贅沢を楽しんでいる』というような姿が目に浮かぶようですね。
あと、『住居』の項目がやたら小さいように見えますが、これは『ローンの支払』が『支出』に含まれないからです。確かに、建物はとにかく、土地の取得代金も含むローンは、『支出』かといわれると違う気もしますね。あと、『自動車の購入』も含まれておりません。
ちなみに、この調査時点で、70歳以上の持ち家率は89.3%、全体では74.7%でした。
高齢者自身はどう考えているのか?
まず、高齢者の家計が全体としては『赤字』であることには違い有りません。
付きで、6万円くらいの赤字ですかね。
ただ、それでも『現在の暮らしに心配は感じていない』そうです。
この世代は、金融資産だけでなく不動産の価値も高いので、資産を取り崩しながらでも十分にやっていくことは出来る、ということでしょうか。あるいは、なんだかんだで健康保険・年金保険・介護保険の社会保障制度に対する安心感が強いのでしょうか?
ちなみに、金融資産等の状況はこんな感じですね。
300万円未満と1000万円以上で、二極化が進んでいるようにも見えますが、それでも家計への不安は少ないんですね。
最後に、今高齢者が何にお金をかけようとしているのかについてです。
まあ、割と予想どおりですね。関心度第一位はやはり健康、その次が旅行、そして孫。この3つが上位かつ、前回から大幅に拡大しています。
さらに、重要なポイントが『使いたくない』の比率が前回調査(平成18年)の17.5%から10%へと大幅減少しています。もしかすると、経済的には比較的余裕のある『団塊世代』が影響したのかもしれませんね。
というわけで、高齢者の財布の紐を緩めるためには、
『高野山を楽しみながらロコモ予防!お孫さんはお値段半額のご家族プラン』
なーんてプッシュすればいいんじゃないでしょうか?
謝辞
スターありがとうございました!