こんばんは。
いわゆる、『都構想戦』から一週間も立ってくると、色んなコメントが出てきて見ていて楽しいですね。
例えば、こんなものが出てきました。
凄いですね。そんなに皆さん土日まで働かれて居るのでしょうか?それとも、平日疲れ果てて投票所へ行くまでの元気が持たなかったのかしら?(´・ω・`) 何だか、転職活動なんて出来ないくらい使い倒せば離職率は下がる とか言っていた社長さんを思い出しますね。
ただこの結果については、以前読んだ下記の本で有りましたが、『人間は、例え匿名のアンケートであっても、自分の行動を正当化する選択肢を取る』という心理を持っているようで、それに伴い一番『美しい』選択肢が選ばれたというだけのような気がします。
消えた70万票の行方
さて、wikipediaさんで『そもそも都構想ってなんだっけなー』と思い、見ていたところ中々面白いグラフが見つかりました。
今回の選挙は、ちょうど『賛成』『反対』『棄権』の三つ巴の戦いになっていたようですね。まあ、今の日本においては、投票率66%と言えば『すげえ!』って数字になるのですが、私個人の感想としては、『もう少し高いかなあ・・・』と思っていたのが正直なところです。
結局、賛成にしろ反対にしろ、有権者の皆様に、もう少し分かりやすく説明できなかったことが、『僅差での勝利・敗北』『有権者の過半数取得できず』というところに悔いの残る結果でした。
都構想の目指したところ
そもそも、今回の選挙は、正式には『大阪市特別区設置住民投票』と呼びます。この選挙、そもそも何に『賛成』『反対』をするのかというと、『大阪市市政 特別区設置協定書』に賛成か反対かを述べよ、という内容になります。因みに、695ページ有ります。
はっしーの作ったまとめ(大阪市市政 特別区設置協定書・住民説明会について)ですら、39ページもあります。皆さん、よく理解出来ましたね?
まあ、細かい話は抜きにすると、
- 大阪市を5つの区に分割しまっせ
- 広うやっとる話は、府におねがいしーます
ということでしょうか。
過去の自治体分割の事例
『都構想』と銘打っては居ますが、まだこの選挙の段階では賛成多数でも『大阪都』は出来ません。あくまで、大阪市を5つの区に分割するだけです。ところで、市町村の『合併』については、平成の大合併の時にでも、色んな例を耳にしましたが、その逆の『分割』については、とんと聞いた記憶が御座いません。そこで、過去の事例を調べて見ました。
結果としては、ちゃんとした資料は見当たりませんでしたが、下記ページよりだいたい90くらいの事例があることが分かりました。
戦後すぐの時期、戦争前に無理やりくっつけられた自治体同士が分割された例がほとんどですね。最も最近の例でも、宮田村の事例くらいでしょうか?
しかし、合併については、そんなに合併するのがいいのなら、全部まとめて『日本市』にすれば良いのにと思うくらい合併しまくってた平成の大合併ころの情報がゴロゴロ出てくる一方で、分割については、ほとんど情報が無いのが現状です。
ところで、自治体の分割ですが、市内全域の住民投票が必要なわけではなく、『分離独立を主張するエリア』の投票だけでも成立した例はあるようです。
都構想選挙も、投票結果から考えれば、それぞれ5つの特別区の独立選挙にすれば、新北区・新中央区くらいは成立していたのかもしれませんね。
住民の声の聞こえない住民自治
今回の選挙は、肥大化しすぎた『大阪市』を、5つの特別区に再編し、『より住民の声を届きやすくする』ということが大きなテーマでした。私個人としては、これには大賛成です。
最初の話に戻りますが、どうして投票率は下がるのでしょうか?それは、『あまりにも訳の分からない選択肢だらけ』だからでは無いでしょうか。
下記は、世田谷区の選挙ポスターですが、どえりゃあことになっております。
そもそも、この中からひとり選べと言われても、全員の名前と顔を覚えるだけでも日がくれそうですね。
ただひたすら、合併ばかりを勧め、住民の声が届く適切な規模ということを考えてこなかったことが、今日の低投票率のひとつの大きな原因では無いのでしょうか?そういった意味でも、住民の声を拾いやすくするという意味で、今回の提案には大きな意義を感じていました。
ただ、残念だったのが、今回の選挙戦において、『住民の声』を聞くことが殆どなかったような気がします。過去の『自治体分割』の例を見ると、独立側の非常に強い意欲によって、成立しています。
今回の選挙においては、区割りにしろ、進め方にしろ、ある程度は市が音頭を取るのは仕方ないにせよ、住民の声がまったく聞こえてこなかったような気がします。『結局、わてらどないなるん?』というのが、住民の声なき声だったのかなあ、と思う次第です。