ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

標準原価計算の誤解についてのまとめ

SIerで原価コンサル見習いを初めて早3年。今まで、色んな方のお話や書籍、ネットの記事に触れてきて、どうも『標準原価計算』について誤った認識を持っている人が多いなあと感じました。ここで、僕なりの知識や考えを整理して見たいと思います。(※あくまで見習いの下っ端が書いている記事なので、正式な見解については偉い先生に聞いてくださいw)

『標準原価(原価標準)の計算』と『標準原価計算』の違いについて

まずは、ここからですね。「え、なにそれ。なんか違うの!?」と思って貰っても結構です。この段階から違いが分かっていない人は結構多いみたいですから。

標準原価(原価標準)
  • 品目(製品・中間品等)1単位を作るために必要なコスト
  • 材料費・労務費・経費について、標準消費量*標準単価を掛けて求める。
  • 実際原価計算を採用している場合でも、価格設定・能率分析の為に計算することもある。
標準原価計算
  • 財務諸表上の、売上原価・製品・仕掛品の総額のコストを求める計算手法
  • 標準原価*売上または在庫数*進捗率で求める。
  • 対立する概念は、実際原価計算

ということになります。ここで重要な点は、標準原価計算は財務諸表を作成する一手法であり、原価標準は標準原価計算を行う際の重要な資料であるが、標準原価計算以外の目的としても利用できるということです。

『標準原価計算』と『実際原価計算』の違いについて

次に、この2つの違いについて考えてみましょう。両者の本質的な違いは、受入・払出時の原価について

  • 標準原価計算:予め計算した標準原価を利用する。
  • 実際原価計算:事後に計算した実際原価を利用する。


点にあります。ここで注意すべき点は、実際原価は、

  • 実際単価*実際数量
  • 予定単価*実際数量


のいずれでも良いことになっています。

『標準原価計算』と『実際原価計算』はどちらがいいの?

これを見て、『なーんだ、実際っていいつつも予定じゃん』と思われる方もいらっしゃるかと思います。

追記しました(2015年4月2日)
lacucaracha.hatenablog.com