本記事は、『消費税が増税されるらしいけど、業務システムにどんな対応をしなきゃいけないの?』という問い合わせについて、新米SEが生半可な知識で調べて行ったことを記載しております。正確な情報については、政府の公式な発表をご参照いただくか、税務のプロフェッショナルたる税理士の方にお問い合わせください。
参考にした原典は、思い出し次第追記していきます。
0.目的
いわゆる基幹業務システムで録を食んでいるSEが、クライアントから『消費税増税対応の状況について教えてよ。いや、俺も何を調べればいいか分かんないけど、上司から言われちゃってさ』。などと言われた時、どのような点を調査し、どんな機能が必要かについて、暗中模索してきた結果について記載致します。何らかのおやくに立てば幸いです。
1.税率取得のタイミング
消費税は、原則として発生主義の原則で計上します。・・・というと分かりにくいのですが、要するに通常の仕入・売上を計上するタイミングの税率となる。ということです。
つまり、
- 契約した時点は5%だったが、納品し仕入/買掛計上時には8%だった場合は8%
- 納品し仕入/買掛計上時は5%だったが、実際の支払時には8%だった場合は5%
ということになります。これは、商品取引だけでなく役務の提供でも同様で、実際に仕入や売上の仕訳が立つタイミングの税率となります。(もっとも、額が大きくなければ実際に代金を支払ったタイミングで仕訳を起こしている例も多いでしょうけれど)
但し例外もあります。
- 電車や映画のチケットは、利用する日にちではなく発売時(5%)の税率でOK
- 電気料金など、複数税率期間を跨るものについては、切り替え前(5%)の税率でOK
- 工事・いつ行われるか事前に分からないサービス(トラブルサポートなど)について、切替日より半年より前に契約されたものについては、引渡し・サービス提供の日に関わらず契約時(5%)の税率でOK
- 但し、切替日の半年前以降に、追加受注した部分や、契約金額が変更になり、引渡し・サービスの提供が切替日以降の場合は新税率(8%)
また、値引き・返品をした場合は、元々の仕入・売上に対応する税率となります。
3.スケジュール感
現時点での条件と増税時のスケジュール感は、システムの規模やお客様の体質にもよるとは思うけれど・・・
- ~2012年12月 改修作業が必要な場合の規模感・見積の提示
- ~2013年02月 お客様での13年度予算の計上
- ~2013年07月 修正作業完了
- ~2013年09月 検証作業終了
- 2013年10月 経過措置期間(切り替え半年前)突入
- 2014年04月 新税率切り替え
といったところなんでしょーか?
4.各種注意点
購買発注系の注意点
- 税率は、原則として入荷予定日で計算されるのか?
- 経過措置期間の特例の対象になる工事・いつ行われるか事前に分からないサービス系についての税率計算はどのように行われるのか?
入荷支払系の注意点
- 税率は、入荷時点での税率となるのか?
- 発注時とズレる場合、問題なく処理出来るのか?
販売請求系の注意点
- 税率は、売上計上と同タイミングに出来るのか?
- 見積時と計上時で税率が違う場合、正しい税率で請求出来るのか?
債権債務系の注意点
- 返品・値引時に、対応する仕入・売上時点での税率を採用することは出来るのか?
会計系の注意点
- 5%時点、8%時点で別の勘定科目(または細目)で仕訳計上出来るのか?(必要無いかもしれませんが、返品や値引、特例税率が入ってきた場合、やは科目は別々であるべきかと思います)
5.まとめ・補足
以上が、ざっと私が考えて調査・確認したポイントです。突っ込みどころや、「こんなのもいるよ!」という点があれば、是非ご指摘いただければ幸いです。