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ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

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ファッションなんて興味ない



こんにちは、らくからちゃです。

先日、大親友のヒトデ君が遊びに来た後、都心に出かける用事もあったので、次のオフ会の待ち合わせ場所である渋谷まで送っていきました。ちょっと時間もあったので、ファッションの記事が書きたい とかいっていましたので、一緒に渋谷109メンズ館に行ってみました。

うん、なんていうか異世界ですね。

そもそもわたし、あんまり服とか靴とか興味無いんですよね。学生時代は、ユニクロを高級服、MUJIをハイブランドと呼んで過ごしておりました。妻と同棲生活を始めてからは、おもに妻が服を選んでくれているのですが、いまだに身なりに無頓着なことに呆れられております。

だって、興味ないんだもーん。

わたしが興味あるのは、どれだけ長く着ることができ、どれだけ安くあげることが出来るかの二点だけ。妻と一緒に買い物に行くと、『これ、GUで同じようなものが半値ぐらいで売ってなかったっけ?』と小言を言い、ため息をつかれる日々です。

そんな有様ですので、ファッションかー、書けるネタは無いなーと思っていたのですが、この記事を読んで、何か書いてみたくなりました。

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

さてファッションの「文化」を語られることは、他の何かしらと比べてとても少なく感じる。
多くは脱オタの着こなしテクだとか、モテファッションだとか、あるいはファッションブロガーに全身見繕ってもらってそれっぽく仕上げる変身系の記事だったり。

(中略)

ファッションは単なる「服を着る」ことでしかないんだろうか。
この認識、状況に物足りなさを感じる。

 ・・・文化、とな?確かに、ファッションの話をするのにあたって、どんなおべべを、こんな素敵なお店で買ってますーみたいな知識は無くとも、語れることは沢山あるはずだ。『全身ユニクロがコスパ最強』としか考えていなくわたしにも、余り知らない世界だからこそ、調べて書いてみたら楽しいはず!そう思って、いつもの様に、調べ物をしながら書いてみることにしました。

衣服費への支出額の分析 

 そもそも、みんなどれくらい衣服費にお金をかけているのでしょうか?さくっと、家計調査のデータを見てみると、下記の通りとなりました。今回、見てみたは、家計調査より、単身者世帯の結果を見てみました。

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費目20072008200920102011201220132014変化率
実収入 337,470 350,494 315,771 328,526 325,027 320,717 319,940 331,553 -1.75%
洋服 4,406 4,729 4,791 4,136 3,625 3,130 3,149 3,678 -16.52%
シャツ・セーター類 1,636 1,723 1,589 1,712 1,488 1,277 1,448 1,486 -9.17%
履物類 1,081 1,110 1,015 1,100 1,189 1,254 860 1,184 9.53%
他の被服 720 627 663 652 582 595 554 522 -27.50%
被服関連サービス 688 655 541 596 505 431 417 429 -37.65%
下着類 448 617 382 517 489 445 462 397 -11.38%
和服 92 120 304 28 28 67 14 363 294.57%
生地・糸類 279 41 77 40 34 35 21 46 -83.51%

 だいたいひとりあたり、ひと月8,000円くらいでしょうか。区分としては、『洋服』『シャツ・セーター類』『履物類』の比率が高くなっています。データを見ていると、『履物類』は結構安定していますが、『和服』については、年ごとの波が結構大きいのが面白いですね。何かブームでも会ったのでしょうか?ただ、比率の大きい『洋服』『シャツ・セーター類』はへの支出は減少し続けている気がします。

参考までに、月間収入額(ボーナス等含む)の推移を折れ線で付けてみたのですが、割りと収入にリンクして、減少しているように見えますね。景気の動向を受けやすいんでしょうね。

若い女性が服を買わなくなっている?

ひと月に8,000円、といっても衣服費への支出は年齢や性別でかなりバラつきがありそうに思えますよね。そこで次に、性別・年齢別のデータも見てみたいと思います。

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 20072008200920102011201220132014
男性・34歳以下 8,078 8,709 7,609 6,518 7,444 6,009 7,753 6,856
女性・34歳以下 14,101 17,287 15,729 13,486 12,743 11,953 9,499 10,718
男性・35〜59歳 5,072 6,738 4,298 5,411 4,381 3,012 4,357 5,441
女性・35〜59歳 11,307 11,098 11,072 11,839 9,950 10,233 9,322 12,870

まず、全体的に男性より女性のほうが、35歳以上より未満のほうが衣服費への支出は大きい傾向にあります。ただ特徴的な減少として、34歳以下の若い女性の衣服への支出がものすごい勢いで減少しています。2008年には、一月あたり17,287円支出していたものが、2013年には半分以下の7,753円になってしまいました。一方、2014年には、35歳以上の女性の支出額が上回るなどの、逆転現象も発生しています。

我が国における産業としてのファッションの歴史

しかし、若い女性に何があったのでしょうか?それを考える前に、『ファッションにお金をかける』ということについて考えてみると、いつから日本人は洋服を外で買うようになったのでしょうか?何か、昔の人は自分の着る服は、自分で作っていたような気もします。そこで、『我が国における産業としてのファッションの歴史』について調べてみました。

我が国において『身に付ける衣服を大量生産する』という行為は、軍人の制服を作るところから始まりました。1960年台頃まで、一般市民が服を買うときは、街の仕立屋さんなどでの『テーラーメード』の仕立て服が面で、庶民が大量生産された洋服を購入するようになったのは1960年代頃だそうです。

1955年の朝鮮特需を経て、経済的に余裕のある層が拡大。また、戦後のアメリカから伝えられた豊かなライフスタイルへのあこがれから、ファッションへの関心が高まります。この時代、ファッション業界をリードしていたのはレナウンなどの繊維メーカーでした。いまでは考えにくいのですが、当時はアパレル産業が育っておらず、洋服はオーダーメードで街のテーラーや洋装店で仕立てられていました。

 

朝ドラになった、カーネーションの世界ですね。ただ彼らは、単に自社の商品を売るだけでなく、その資金力を元に『流行色』を定めて大々的にマーケティングを行い、更に『TPOに合わせた服を選ぶ』という文化の普及にも力を注ぎました。

『洋服』という文化が広く定着した後、本格的な『アパレル産業』が起ります。60年代後半に、VANが『アイビースタイル』を日本に輸入。70年台には第一次ジーンズブームが発生。若者をターゲットとする市場が広がりつつある中で、山本寛斎などがパリのプレタポルテ・コレクションに持ち込むなど、日本のファッションが生まれていきました。80年代には、国内のデザイナーによるデザイナーブランドがブームになる一方、経済的な豊かさを手に入れた結果として、インポートブランドへの関心が高まるといった減少も発生しました。

(参考:中小機構:経営力の強化: アパレル産業概論)

若者が服を買わなくなったなは、経済的な問題か文化的な変化か?

我が国に『既製服をアパレル店で購入する』という文化が根付いてきた背景には、常に若い世代の購買行動がありました。そんな若い世代が洋服を買うとなると、最近あちらこちらに出来たショッピングモールに入居するファストファッションで買う比率が相当高いように思われます。ファストファッション業界では、

  • ZARA(インディテックス)
  • H&M
  • GAP
  • UNIQLO(ファーストリテーリング)

が売上高1兆円を超えるなど、世界的に市場を席巻していますが、中堅のSPAの活躍も目覚ましい物があります。だいたい、ショッピングモールに入っている『お洋服屋さん』の多くは、以下の3社のいずれかのブランドであることが多いですよね。

MINIMUM、INDEX、UNTITLED,THE EMPORIUMなどを擁し、中流よりちょっと上の働く女性がメインターゲットのワールド。LOWRYS FARM、GLOBAL WORK、Hare、JEANASISなどを擁し、2012年にStudio Clipやniko andなどを擁するトリニティーアーツと経営統合し、ほっこり生活感が益々上がったアダストリア(旧ポイント)。earch music&ecology、E hyphen word galleryなど、芸能人を積極的に使ったプロモーションを行い、価格帯安めで何だか若い子に人気がすげえ有りそうなクロスカンパニー。

それぞれ売上高の推移を上げてみるとこんな感じ。

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凋落する一方のワールドを尻目に、アダストリアは5年で1.7倍、クロスカンパニーに至っては2.7倍というとんでもないペースで成長を遂げています。

衣服費全体の支出が減少している一方で、こういった企業の躍進を見ていると、単純に産業全体として沈んだというよりも、特定の企業への寡占化が進んでいるように思われます。これらの会社のブランドは、いまや都市部のファッションビルだけでなく、全国どこのショッピングモールでも簡単にアクセスすることが出来ます。そしてマーケティングも含めて、規模を大規模化することによって、価格を引き下げることが可能です。ファッションについて、実に画一的な世界を生み出すことに成功し、それが益々進んでいるように思われます。

こういったブランドが選択されるのは、ただ『安いから』だけでしょうか。勿論そういった側面もあるのでしょうけれど、元来『ファッションなんて興味ない』層に対し、『ひとまずこれでも着ておけば間違いないんじゃね?』という潜在ニーズに応えるといった役割も大きかったんじゃねーの?と勝手に思っておりますが、実際はどうなんでしょうね。

ひとりひとりがインターネットで情報を発信できるようになった現代、個性を主張する方法は幾らでもあります。一方、個性を主張できる領域が増えた結果として、『この部分については、みんなと同じで指さされない程度の平均値でいいんだけどな』という部分については、そういったニーズを満たす商品のウケがいいように思われます。

とか、見てる分には面白いのですが、一般庶民にはオートクチュールだのプレタポルテだのはどうでもよいのです。UNIQLOほどはみんなが着てなくて、あとはそれなりの身なりになればそれでよしという人のほうは少なくないんじゃないでしょうか。

お店の側もそれを良く心得てらっしゃいますので、特定の層しか受け付けないような店作りではなく、誰でも入りやすい店を志向しています。ここ最近でいった、一番お高いお店は銀座のカルティエさんでしたが、みんな結構ラフな格好で着ていて、『そんなもんなのねー』と何か感心した記憶があります。

経済と文化は密接に絡まり合っているため、単純にどちらの要因だけだとはいうことはできないと思うのですが、少なくとも若者の所得が大きく増えただけでは、ファッションへの購買行動は大幅に改善することは無いんじゃないのかな、と思う今日この頃でございます。

まあ、わたしは実際に買うより、こんなの眺めていたほうが楽しいと思います(笑)。

ではでは、今日はこの辺で。