ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

本当は『おひとり様』こそ保険が必要なんだろうなあ

こんにちは、らくからちゃです。

GW前にかかった流行り目ですが、随分よくなってきましたヽ(=´▽`=)ノ 一時は、ほとんど目を開けていることすら出来なくなって大変でしたが、妻の看病のおかげもあって何とか乗り切ることが出来ました。

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たくさんのコメントも頂きましたが、ほんとにこれ一人暮らしだったらどうなっていたのかと思うと、ぞっとしてしまいます。こんなとき、家族のサポートほど有り難いものは有りません。ふと思い出したのが、去年テレビドラマも大人気なった『逃げるは恥だが役に立つ』のこのシーン。

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(出典:『逃げるは恥だが役に立つ(1)』p37)

主人公の森山みくりは、父親の紹介で家事代行サービスを始めます。その『お客様』である津崎平匡が病気で倒れたときのいちシーン。看病もあくまでサービスの一環だったわけですが、男女関係問わず一人暮らしをしている人からしてみれば、こういったサービスがあれば、かなり人気が出るんじゃないでしょうか。

ライフネット生命の健康サポート24は面白そう

実際にそういったサービスをやってる会社はあるのかなあと思ってグーグル先生に相談してみたのですが、ざっと調べた限りでは見当たりませんでした(´・ω・`) 『近くに家族が居ないなら、友達に看病して貰えばいいじゃない。』的な、パンがないならケーキを食べれば良いじゃない的な結果しか出てきません。

ただまあ調べている中で見つけておっと思ったのが、ライフネット生命の医療保険に契約者サービスとしてついてくるこちら。

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こちらのサービスですが、24時間電話での医療相談に乗ってもらうことが出来ます。

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また電話相談だけでなく、子育てや介護などに関する相談に対応するWEBでの健康相談も行っているそうです。

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『病院に行くべきか?』『救急車を呼ぶべきか?』といった判断については、各自治体で救急電話相談を行っている窓口を利用することができます。

小児については、比較的全国に範囲が広がってきましたが、大人の相談については実施率も実施時間も実施内容も結構まちまちです。実際に利用したことはないのでレベル感はわかりませんし、本来であれば行政の仕事なのかもしれませんが、お金を出してでもこうしたサービスを利用したい人も多いのではないでしょうか。

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保険なんて損するだけだと思っていたけども

じゃあ、利用にどれくらいのお金が係るのかというと、終身医療保険の付帯サービスですので、その最低額となります。30歳男性の最も最小プランでシミュレーションしてみたらお値段は月額1,470円。入院すると一日5,000円、手術で50,000円というコースです。

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これが高いか安いか人によって、考え方は色々あると思いますが、わたしは医療保険は『要らない派』です。基本的に保険というのは、高い管理経費がかかっていますので、平均すると必ず負けるギャンブルです。

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(出典:保険料内訳表(代表例))

支払った保険料から保険料が受け取れる割合は、その高さに自信がありネット上で公表しているライフネット生命でも80%程度です。高額医療費制度もありますし、病気への備えとしてある程度の貯金があるのであれば、医療保険なんて損をするだけの仕組みです。

正直、お金の話だけ考えてしまうと、全くそそられるものはありません。でも、こうしたサービスの中に、便利に使えてイザというときのために役に立ちそうなものがあるのであれば、考えても良いかな?なんて思うんですね。

欲しいものはお金じゃなくて安心だから

しかしながら、テレビのCMや各種広告を見ても、生命保険や医療保険については、そのコストの安さや受け取ることの出来る給付金の多さ、返戻金の高さ(!)などお金の話がメインのような気がします。

一方で、損害保険、特に自動車保険については、いざ事故が起きてしまった後の専門家へのサポートの手厚さに力を入れているように見えます。

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(出典:事故解決のプロフェッショナル | 自動車保険のイーデザイン損保)

勿論、最初から医師というプロがいる医療保険と、そうでない自動車保険との間には大きな違いがあります。しかし、もしものときにみんなが本当にほしいのは『お金』よりも『プロの手助け』じゃないでしょうか。

例えば、トラブルに巻き込まれてしまったときに弁護士への相談料をカバーする保険なんていうものも最近では出てきました。

勿論、いくらになるかわからない弁護士費用を抑えることが目的ですが、それ以上に『万が一、弁護士にお世話になる可能性があるときに、すぐにアクセスできる手段を持つ』ことに対してお金を払っている人も多いでしょう。

保険の価値とは何か

前にもちょっと書いてみたのですが、ちゃんとした保険があることは、一個人の問題だけでなく、社会全体にとってもプラスになります。それはね、保険には市場を作る力があるからです。 

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もしもの時のための備えをひとりでやることは難しくとも、みんなで少しずつお金を出し合えば、建物を立てることも、そこに人を雇うことも出来ます。そうして参加者が増えて、市場が大きくなれば競争が生まれます。競争が生まれれば、コストが下がります。そして更に市場が大きくなります。そこに新たな雇用と付加価値を生み出すことも出来るんです。

例えば先程のように、弁護士保険が広がり、より弁護士を使いやすくなれば、トラブルの解決をスムーズにすることが出来るようになるかもしれません。困ったときに使える看病サービスを立ち上げることも出来るかもしれません。

一般に、自分の身に何かあっても迷惑をかける相手のいない『おひとり様』は、保険市場の中でも見落とされがちです。しかし、自分の身に何かあっても頼ることのできる相手の居ない『おひとり様』にこそ、もっとも保険が必要なのではないでしょうか。

『おひとり様』でも安心できる世の中にしようよ

入院や施設への入所をするにも、保証人が必要な時代ですが、『おひとり様』にはそれを頼むことが出来るひとがいません。高額の身元保証会社にお金を払うものの、まだ法規制も整っておらず会社が破産してしまい多くを失う。そんな人もいるそうです。

まさにここに、リスクを抱えながら、保険をかける方法がなくて困っているひとが居るわけですよ。こういった事態に対する備えこそ、医療保険の中に組み込んで行ってもいいんじゃないでしょうか。

これはほんの一例ですが、お金だけの話であれば損をする保険であっても、専門知識やサービスを必要なときにすぐに提供することが出来る体制を内部で調達して安く提供できるのであれば利用者にとって非常にお得です。いざといったときに、専門家に家族や友人のように頼ることが出来る。そんなふうに慣れば、もっと一人でも生きやすくなるかもしれません。

むしろ将来的には、いま『付帯サービス』と呼ばれているものが本体となり、『保険』が付帯サービスになっているのかもしれませんね。

ではでは、今日はこのへんで。