ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

デフレの正体は需要不足?

こんな記事を読んだ。
デフレの正体は借金不足 - シェイブテイル日記

マネーは誰かの債務と表裏一体。
政府が財政健全化を目指して緊縮財政をした時から日本はデフレ経済に転換した。現在の日本では、政府以外の主体が債務を抱え込む合理的理由がない。プライマリーバランス均衡目標は実は政府の財政健全化を却って阻害している

誰かが借金をしなければならないという原則

お金(債権)は常に借りる人(債務)があって存在する。(海外とのやりとりを考えなければだが)家計・企業・政府の債権と債務の額は一致しなければおかしい。そこで日銀が、インフレ、言い換えれば貨幣の希薄化を行うために、国債じゃんじゃん買い上げたとしても、市中銀行国債以外の貸出先を見つけられなければただひたすら行き場を失った預金への利払負担が増えていくだけの話でしか無い。

そもそもの話、需要を増やさなければならない

元記事の指摘にある通り、日本ではずーっと家計は貯蓄を貯めこむ経済になっていたが、企業と政府部門が債務を作り出していた。それが、バブル崩壊後は、一手に政府部門が『借金王』として、債務を作り出して来ていた。それをいきなり、『プライマリーバランスを健全化するんじゃい!』としたら、『では誰が日銀のマネーサプライを受け止めるんです?』ということになる。
結局のところ債務は『例え金利が掛かったとしても消費したい』『いま投資すれば将来にはより大きくなって帰ってくる』という需要がなければ生じないのではなかろうか。

需要はどうすれば増えるんだろう

じゃあ、そもそも需要ってどうやったら増えるんだろう。そもそも、どうして需要が減ってしまったんだろう。
まずは、『どうしてもお金を払ってでもほしい物』が少なすぎるんじゃないだろうか。20年前と比べたら、液晶テレビは当たり前になり、ケータイ電話も驚くほど小さく性能も良くなった。でも、『次は?』と聞かれたら驚くほど思いつかない。一生懸命考えてみても、燃料電池車が実用化されたら欲しいかなあ、というくらい。20数年ほどしか生きてはいないが、世界経済の歴史を見ても、ここまで欲しいものが見当たらない時代ってあったんだろうか?
追い打ちをかけるように、今の若者は『恋愛をしない』・『贅沢もしない』・『子供も産まない』修行僧みたいなライフスタイルをとりがちのようだ。そりゃあ、社会がここまで『動きがない』世の中になってしまったら、将来の成長に対する期待も下がっていってしまうわな。
結局、『企業が面白そうなものを作り出せない』から需要が生まれないか、『何か面白そうなものに手を出すだけの心の余裕が無い』から需要が生まれないのかは、鶏が先か卵が先かといった話にもなりかねないが、特に今の状況は、消費者の側から手を打っていく必要があるんじゃないかなあと思う。
まず真っ先に行うべきは、労働規制の強化だと思う。寝る間も惜しんで酷使された上に、薄給と寸志だけ渡されたなら、当然そこから消費に回るわけがない。小手先の金利を弄り倒す暇があれば、その向こう側についてももう少し意識を持つ必要が為政者にはある。