読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ゆとりずむ

東京で働く意識低い系ITコンサル(見習)。金融、時事、節約、会計等々のネタを呟きます。

MENU

「みんなで手すりにつかまろう」だってさ



こんにちは、らくからちゃです。

先週、ぶらっと地元に帰ってきました。

新神戸駅を降りて、エスカレーターの右側に人が並んでいるのを見ると『ああ、地元に帰ってきたなあ』と実感しますね。開けて置く側が右か左かに違いはあるものの、『エスカレーターは左右どちらかに寄って立ち、反対側はあけておく』というのは、全国共通の『マナー』となっているように思われます。

地域差もあるのでややこしいので、『歩いて登る人用』にされた側を『追越車線』、『立って登る人よう』にされた側を『走行車線』とよんでみることにしましょうか。

デパートなどでは、カップルが並んでいたりしていて守られていないこともありますが、駅ではかなりの高確率で順守されている『マナー』ですね。大都会東京では、Suicaの読み込みが悪く、改札を数秒止めただけで舌打ちをされてしまいますが、うっかり、エスカレーター片側を塞ぐような人が出た暁には、その後ろには殺気に満ちた空気が満ちているのが遠目からでもよく分かり、ドキがムネムネしてしまいます。

ところがこのマナー、ちかごろ異を唱えるようなポスターをあちらこちらで見かけるようになりました。

f:id:lacucaracha:20151210020245p:plain

昨今駅等においては、お客さまがエスカレーターをご利用になる際に、ご自身でバランスを崩して転倒されたり、駆け上がったり駆け下りたりした際に他のお客さまと衝突し転倒させるなどの事象が発生しています。また、エスカレーターで歩行用に片側をあける習慣は、片側をあけて乗ることのできないお客さまにとって危険な事故につながる場合もありますので、全てのお客さまが安心してエスカレーターを利用できるよう「みんなで手すりにつかまろう」等の呼びかけを実施します。

エスカレーター「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーンの実施について 

走ったりすると危ないので、急いでいる人のために追越車線を残しておく、ではなくてみんなで手すりにつかまりましょうや、という話ですね。そもそも、エスカレーターの基本的な設計が、歩いて登るには横幅が足らないものになっているので、歩くのはやめよう、なんていう話もチラホラと聞きます。

ウィキペディアを読んでいても、今まで各地で『追越車線やめようぜ』というキャンペーンが展開され続けてきた歴史あるようですが、今回のポスターは、わたしが都内で乗り降りしたほぼ全ての駅で、どこかしらには掲載されており、かなり力が入っているように思われます。

そもそもそんなことをして大丈夫なのかしら?

 このキャンペーン、始まった当初から『そんなことしてしまって、本当に大丈夫なのか?』という思いが拭いきれませんでした。朝の都心の駅はただでさえ混み合います。そんな中、こんなルールを実行すれば、エスカレーターの輸送効率が下がり、ホームに人が溢れて大変なことになるのでは?と思ったわけですね。

この疑問について、既にまとめられている記事を発見いたしましたので、ご紹介したいと思います。

  • 標準速度のエスカレーターで、理想的に詰めて1列歩くと輸送量は8.3%増える
  • 高速エスカレーターの場合は、1列が頑張って歩いても輸送量は増えないかやや減ってしまう
  • 歩いている人の乗り込み率が0.34以下になると、標準的なエスカレーターでも輸送量は減ってしまう

(出典:エスカレーターの輸送効率を考える: 水面休息中)

なんでも、『頑張って追越車線が歩いていたとしても、フル稼働していない限りは、輸送効率はそれほど変わらない』ということが結論のようです。だったら、安全のためにみんな両側を立って利用したほうが良くない?ということのようです。

ただ、駅によっても状況はかなり変わってきますよね。先ほどのケースは、『追越車線が常に埋まる』ような駅をケースに考えられていますが、逆に『追越車線がガラガラ』な駅もあります。代表例は、横須賀・総武快速線ホームからあがった地下4Fから地下3F方面へ向かうエスカレーターかな。このエスカレーター、朝の通勤時間帯でも『追越車線はガラガラ・走行車線は順番待ち』という状況が生まれていたりします。

最初見た時は『なんやこれ』と思いましたが、何度か利用しているとわかってきました。みんな、満員電車で疲れすぎているんですね(笑)。このエスカレーター、かなりの長さがありますので、すし詰めの満員電車に乗った後、この長さを『登りっぱなし』になるのは大変つらい。その結果、追越車線がガラガラになるという現象が起こってしまうわけですね。

そこで少し不安に思っているのが、こういったエスカレーターで、『両側走行車線』を行ってしまうと、今度は逆に『輸送効率が上がりすぎてしまう』ことが問題にならないんでしょうか。東京駅の1Fは、朝も大変な混雑です。そこに、横須賀・総武快速線方面からの乗客が、一気に流れてくれば、さらにごった返さないのか?と気になっているのですが、心配しすぎでしょうか。

マナーを徹底させるためには

しかしまあ、随分沢山ポスターを貼った割には、効果があるようには思われません。掲載開始から既に半年近く経っているのに、わたしの身近な範囲では『片側空け』の慣行は継続され、追越車線を塞ぐ人には冷たい視線が浴びせられる状況には変化が有りません。

先ほどのご紹介したページのコメント欄でも指摘されている通り、追越車線を駆け上がっていく人たちは『輸送効率の最大化』を求めているわけではなく『早く目的地にたどり着くこと』を求めているわけですね。

話は少し変わりますが、ここ最近、見直されはじめた電車でのルールには、『優先席近くでの携帯電話の電源オフ』というものもあります。科学的根拠もないうえ、無用なトラブルの原因にもなると、ずいぶん前から指摘されていたので、やっとかという思いがあります。

概ね全国統一で運用されていたルールでしたが、わたしが学生時代に利用していた阪急電車では、一時までちょっとだけ違いました。その時のルールは『神戸方面の先頭車両がまるまる一両携帯電話の電源オフ車両』という形で設定していたんですね。

一社だけ違うものにするのはどうなのよ?という話もあったのですが、わたしはこの方法、よく考えたなあと思っていました。『優先席近く』としてしまうと、どこからどこまでが範囲に含まれるのか分かりませんが、これならそこがはっきりします。そして、阪急電車では車掌が巡回してきて、『電源オフのご協力お願いします』と利用者ひとりひとりに声掛けをしていたんですね。

繰り返しになりますが、私自身『携帯電話の電源オフ』を支持するつもりは全く有りません。ただ、やると決めたんだったら、ポスターを貼るだけじゃなく、きちんと徹底するための施策も取ったほうがいいと思うんですよね。

今回の『みんなで手すりにつかまろう』も、本気でやりたいのであれば、『ただひたすら追越車線に立って塞ぐだけ』のアルバイトを雇っておいて、通勤時間中に、エスカレーターをぐるぐるのぼりおりさせておいたほうが、定着させるために役に立つんじゃないのかなあー、なんて思うんですね。正直、こんなに大量にポスターを張っても、『安全のために、がんばってまーす』と主張しているだけのように思えて、なんだか白けてしまいます。

ほんとうに必要な安全対策は混雑緩和

さて、エスカレーターの追越車線廃止論ですが、いち利用者の目線から見ると『みんなの安全意識が高まればいずれ実現する』といったものでも無いような気がするんですよね。

そもそもエスカレーターの安全性について議論するのであれば、『乗降客数に対してエスカレーターが少ないこと』こそ問題にすべきじゃないんですかね。エスカレーターがあまりに混みすぎ、ぼんやりしてると長蛇の列にならぶことすらよくあります。それを避けるために、電車から降りると、我先にと人を押しのけエスカレーターに駆け込んでいく姿も良く見られます。

普段良く利用する総武線では、15両編成もの電車が入ってくるにもかかわらず、ホームには、エスカレーターはひとつだけ、なんて駅もあります。『安全対策』を考えるのであれば、こういった状況から解決していったほうがいいんじゃないのかしら。

そういや最近、中央線にグリーン車を導入するという話を聞きました。

どうやら、中央線のグリーン車導入は一定のメリットが期待できそうだ。そもそも、中央線は輸送量が完全に限界に達しており、ピーク時は2分に1本のペースで、新宿駅では2本のホームを同時に使う“相互発着”も実施しているほど。現実的にこれ以上本数を増やして混雑を解消することは難しい。そのため、グリーン車導入によって座りたいという乗客のニーズに答えつつ、混雑を緩和するというのがJR東日本サイドの目的というわけだ。

 JRとしては、輸送力があがってハッピー、ついでにグリーン席料金も増えてなおハッピーとのことですが、電車の輸送力にあわせて、駅の処理能力も増やしていかないと、今度は駅のほうがパンクしてしまうような気がします。

儲かっているみたいなので、もうちょっと利用者にも還元して貰いたいところです。

ではでは、今日はこの辺で。

366日めくり JR鉄道CALENDAR 2016 ([カレンダー])

366日めくり JR鉄道CALENDAR 2016 ([カレンダー])