遅れてごめんね!ああ、もう先にホームルームは進めてくれてたんだね。えーっと、今日のテーマは『クラス旅行の行き先』ですね。なるほどなるほど。で、どうなってるの?
え、もう多数決で決まった?早いなあ。ふーん。それでどんな感じになったのかな
- 1位 海 (H君提案) 25票
- 2位 山 (K君提案) 10票
- 3位 ソー○ラ○ド(A君提案) 5票
えーっと。まあ3位は見なかったことにするとして、本当にそれでいいの?Y君は、よくわからないうちに決まったって顔しているし、Kさん・・・それに投票したんだ。女の子も楽しめるかなあそこ。その案どんな案か分かってます?え、何?とにかく楽しい夢の国だって聞いた?うーん。
で、この多数決ってどうやってやったの?え、とりあえず書いて『みんなどれがいい?』って聞いた?それで数が多いのに決めたって話か。なるほどね。みんなのクラス旅行だから、最終的にはみんなの意見が多かったものにするのは当然だよね。
でもさ、よく考えずにそのばの雰囲気で票を入れたひともいるかもしれないけど、納得せずに決めちゃったら、やっぱりこっちのほうが良かったってことに後でなるかもしれないよ?
なんでみんなで議論して決めるのかっていうと、たくさんの人が参加して出した案のほうが、ひとりのひとが考えた案よりも良いことのほうが多いからなんだよね。だからさ、せっかくみんながここに集まっているのに適当に決めちゃあ勿体無いなあ。
じゃあまず、旅行の行き先を決めるのに必要なことって何か考えてみようか。
- 内容
- 費用
- 予算
- スケジュール
うーん。色々あるねえ。A君なになに。総額で3万円?黙れ。うん?Y君なんか言った?ああ、天気。それも重要だね!じゃあ、今行こうとしているところの天気を調べてみようか。え?なになにH君。『過去10年間の天気予報を見ると、山より川のほうが晴れる確率が高い?』・・・いや、そうかもしれないけどさ。今年の天気予報を見ている限り、どっちも晴れそうだよ?自分の都合のいいデータだけを持ってくるのはダメだよ。
えーっと、他にもみんなの意見を聞いてみようかな?え、俺に言わせろ?分かった分かった、H君が人気者なのは知っているけど、議論する以上、多数派も少数派も平等に発言できるようにしないとダメですよ。そうしないと、みんなで議論する意味ないじゃない。
あ、どうぞKさん『やっぱり夏だし泳ぎたい』。あー、なるほどね。うん?K君どうぞ。『だったら山でも川で泳げるよ』か。うんうん、そうだね。ちゃんといろんな人の意見を聞くことが大事だね。そうしたら、本当に求めているものがなんだったのかが見えてくることも多いよね。じゃあこうするのはどうだろう。『行き先は山、だけど途中で川にも行く』。他にも意見はあるかな?
うん。なさそうだね。じゃあそろそろもう一回多数決をしようか。
- 1位 山 (K君提案) 35票
- 2位 海 (H君提案) 4票
- 3位 ○ープ○ンド(A君提案) 1票
お。いい感じにまとまったね。え、なになに『H君が寝返って山派になった?』別にいいじゃない。みんなで集まって議論をしたのは、よりいい案を考えるためでしょう?自分の主義主張を通すことでも、勝ち負けを決めるためでもないよ。
あんまりころころいうことが変わるのは、よく考えていないってことだしどうかと思うけどね。よく考えた結果、意見を変えるのは何も恥ずかしいことじゃないよ。
えーっと、ところもみんなで集まって議論するのは大変だから、細かいところは誰かに任せたいと思うけどどうかな。じゃあ、まじめなY君で良さそうだね。
うん。まだ納得の言っていない顔の人もいるね。でも、みんなでちゃんと考えて決めたことだしさ、うまくいくように協力してよ。Y君、大変だと思うけど、細かいところでみんなが楽しめるように、お願いね。
あと、A君はあとで職員室に来るように。
わたしが小学校でならった、民主的な議論の仕方はこんな感じでした。(一部フィクションを含みます)
Special Thanks!!